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「FFXI」はいつまで遊べるのか。気になる“ヴァナ・ディールのいま”を松井聡彦プロデューサーと藤戸洋司ディレクターにインタビュー
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印刷2016/08/09 00:00

インタビュー

「FFXI」はいつまで遊べるのか。気になる“ヴァナ・ディールのいま”を松井聡彦プロデューサーと藤戸洋司ディレクターにインタビュー

大きく様変わりするFFXIのコンテンツの数々。浦島太郎状態のプレイヤーが変化を具体的に聞いてみた


4Gamer:
 先ほど,すべてのミッションをソロプレイでクリアできるとおっしゃっていましたが,ミッション以外のコンテンツはどうでしょうか?

画像集#007のサムネイル/「FFXI」はいつまで遊べるのか。気になる“ヴァナ・ディールのいま”を松井聡彦プロデューサーと藤戸洋司ディレクターにインタビュー
藤戸氏:
 例えば「アサルト」なら,大半の指令をソロプレイでクリアできますね。各アサルトに挑戦するためのチケットも,星唄を進めていくと,最終的に10分に1回受け取れるようになるので,もう好きなだけ遊べます。

松井氏:
 アサルトの中でもっとも人気が高かった「ナイズル島踏破指令」も,ソロプレイでクリア可能です。とくに期間限定で実施する「ナイズル島不確定アイテムキャンペーン」中は,かなりの高性能な装備品も紛れているので,なかなか熱いですよ。

4Gamer:
 FFXI初のレイドコンテンツとして登場した,「デュナミス」はいかがでしょうか。

アサルト
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デュナミス
画像集#015のサムネイル/「FFXI」はいつまで遊べるのか。気になる“ヴァナ・ディールのいま”を松井聡彦プロデューサーと藤戸洋司ディレクターにインタビュー

藤戸氏:
 デュナミスは仕様がガラリと変わっていて,現在は通常のエリアに近い感覚で入退場できます。入場時に必要な「砂時計」も,一度入手すればずっと使えますよ。昔は数十名規模で立ち向かっていたノートリアスモンスターも,フェイスなどを活用すればソロプレイで倒せます。「旧貨幣」を集めて,「レリックウェポン」を鍛えることも不可能ではありません。

松井氏:
 ちなみに旧貨幣は,競売への出品も行えます。例えば「100貨幣」の落札価格は,サーバーによって相場は違ってきますが,1枚あたり50万ギル前後といったところですね。

4Gamer:
 あのレリックを,ソロプレイで鍛えられるんですか……。

松井氏:
 デュナミスで入手できる「レリック装束(通称AF2)」をはじめとした,いわゆるアーティファクトシリーズの装備品は,一部条件付きですが“打ち直し”が行えます。あの外見は根強い人気がありますが,現在も第一線で使い続けられますね。

4Gamer:
 そこまで強力になったキャラは,例えば「カンパニエバトル」の防衛戦でどれくらい活躍できるんでしょう。

カンパニエバトル
画像集#016のサムネイル/「FFXI」はいつまで遊べるのか。気になる“ヴァナ・ディールのいま”を松井聡彦プロデューサーと藤戸洋司ディレクターにインタビュー

藤戸氏:
 エミネンス・レコードの交換品にある最高級の装備品を集めて,回復をフェイスに任せて自分はアタッカー役に専念すれば,自分一人で防衛できますね。気分はアルタナの英雄です(笑)。

4Gamer:
 自分が覚えている,もっとも強いノートリアスモンスターは「Absolute Virtue」なのですが,お話を聞く限り……もう倒されちゃってますよね?

画像集#017のサムネイル/「FFXI」はいつまで遊べるのか。気になる“ヴァナ・ディールのいま”を松井聡彦プロデューサーと藤戸洋司ディレクターにインタビュー

松井氏:
 ジョブによっては,ソロプレイでの討伐報告もありますね(笑)。

4Gamer:
 マジですか……(笑)。

松井氏:
 もっとも,現在はそれとは別に,「Warder of Courage(「Absolute Virtueの上位に当たるNM。コンテンツ「ギアスフェット」に登場する)」といった,さらに強力なモンスターが登場していますけど。

4Gamer:
 浦島太郎になった気分です……。では,「プロマシアミッション」はどうでしょう。

松井氏:
 プロマシアミッションにおけるレベル制限を撤廃しているので,ある程度育ったキャラなら余裕でクリアできますよ。プロマシアミッションの実装当時は,ストーリーを楽しみたくても,難度の高さで諦めざるを得なかったプレイヤーさんもいると思います。長らく休眠されていたプレイヤーさんでも,FFXIに復帰がてら軽い気持ちで楽しめますよ。

画像集#018のサムネイル/「FFXI」はいつまで遊べるのか。気になる“ヴァナ・ディールのいま”を松井聡彦プロデューサーと藤戸洋司ディレクターにインタビュー

4Gamer:
 なるほど。全体的にかなり緩和されているようですが,一方でコアなプレイヤーに対しては,どういったコンテンツが用意されているのでしょうか。

藤戸氏:
 万能に見えるフェイスですが,結局のところはAIなので,状況によって対応しきれないこともあります。生身の人間によるフルパーティでないと攻略できないようなコンテンツも,新たに導入しています。今なら「ギアスフェット」や「マスタートライアル」あたりですね。
 最新状況が一部反映されていない部分もありますが,FFXI公式サイト内にある「コンテンツガイド」をざっと見ていただくと,現状がある程度分かるかと思います。

「FFXI」コンテンツガイド


4Gamer:
 そういったバランス調整に対する,プレイヤーからの反響はいかがしょうか。

画像集#008のサムネイル/「FFXI」はいつまで遊べるのか。気になる“ヴァナ・ディールのいま”を松井聡彦プロデューサーと藤戸洋司ディレクターにインタビュー
松井氏:
 かつては1パーティ向けだったコンテンツを一人で遊べたり,短時間のログインでも十分に遊べることが分かると,多くのプレイヤーさんが,大変驚かれますね。そして,それがプレイの継続率などに良い結果として表れています。バランス調整の内容そのものに対しても,おおむね満足されていると思います。
 ですので,“FFXIが遊びやすく変化している”ということを,現在休止されている方も含めて,広く伝えていくことが,今後の大きな課題だと感じています。

4Gamer:
 プレイヤーに向けて告知を行う方法も,FFXIのサービス開始当初と比べて,さまざまな方法が用意されていますよね。

松井氏:
 以前の自分や前任者の田中さんなどは,「開発は表に出るべきではない」というスタンスでした。たとえプレイヤーから批判を受けても,それに対する回答はゲームのアップデートを通じて行うべき,といった,なんというか昔ながらの職人気質だったんです。
 ですが,公式フォーラムや公式Twitter,そして生放送番組「もぎたて ヴァナ・ディール」を通じてプレイヤーと直に接するようになって,考え方が次第に変わってきました。

「もぎたてヴァナ・ディール」再生リスト(YouTube)


4Gamer:
 どのように変わったのでしょうか。

松井氏:
 例えばバージョンアップを実施する際は,「変わりました」と報告するだけでなく,そこへ至る経緯をきちんと伝える必要があるな,と。

4Gamer:
 “なぜ”の部分を事前にきちんと伝えておくわけですね。

松井氏:
 そうです。開発側としても理由があって行っているわけですが,それはプレイヤーにとっても気になる部分でしょうから。そういったやりとりを交わすこと自体が大切だと感じています。
 それに,公式フォーラムなどで接してみて感じたのは,画面の向こうに人間がいると認識したら,ほとんどの方は常識的な対応や正しい日本語で接してくれるんです。些細なすれ違いを防ぐためにも,まずは我々から前に出て対話することで,きちんと受け答えを行わねばなりません。

藤戸氏:
 腑に落ちないと思えるバージョンアップが行われた時など,責任の所在を突き詰めたくなる気持ちもよく分かるんです。どうあれ,前に出て対話することで納得していただけるのなら,我々から出ていくべきでしょう。


FFXIの開発者だけでなく,プレイヤーが新たなゲーム開発/運営者になる14年という時間


ファイナルファンタジーグランドマスターズ
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4Gamer:
 これだけ長く続くサービスだと,ほか作品とのコラボも見かけますが,FFXIの関連コラボは,なんというか“熱量”が高い気がしています。例えば「ファイナルファンタジーグランドマスターズ」iOS / Android)のゲームシステムやアップデート内容は,スマホ版のFFXIといっても差し支えないですよね。


松井氏:
 グラマスの開発はクルーズさんが行っていて,弊社は協力という形で携わらせていただいています。普通だと,他社さんとの協業は,もう少しあっさりすることが多いのですが,最初にお見えになられたクルーズのスタッフさんがFFXIの大ファンでして。奥さんとのなれそめが,ゲーム内でレイズをかけてもらったという方だったんです(笑)。

4Gamer:
 なんと。昔,似たようなCMがありましたね(笑)。

松井氏:
 スマホで遊ぶゲームなので,グラマスではさまざまな部分でアレンジやデフォルメを行う必要があり,そのあたりの調整には大変苦労されたかと思います。でも,いざ完成品を見てみると,我々が想像していた以上にFFXIらしさが随所に残っていて,とても嬉しかったです。

画像集#009のサムネイル/「FFXI」はいつまで遊べるのか。気になる“ヴァナ・ディールのいま”を松井聡彦プロデューサーと藤戸洋司ディレクターにインタビュー

4Gamer:
 社内のコラボになりますが,「スクールガール ストライカーズ」iOS / Android)のコラボも,やたらと気合いが入っていました。

松井氏:
 スクストのプロデューサーを担当している水町(※水町稔規氏)は,昔,プレイオンラインチームに所属していたんですよ。FFXIもずっとプレイしていて,スクストのコラボではスタッフ一同,ノリノリだったみたいです(笑)。

スクールガール ストライカーズ
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4Gamer:
 キャラクター単位のコラボでは,“シャントット”を目にすることが一番多いですね。

藤戸氏:
 別に誰が決めたとかではないのですが,外部に対してはシャントットが“FFXIの顔”として定着している感じですね。コラボなどで監修することも多いため,社内にはそれ専門のスタッフもいます(笑)。

4Gamer:
 専門のスタッフですか(笑)。そのようにして,ヴァナ・ディールの外へとFFXIの世界が伝わっていくのを見るのは,どんな感じでしょう。

松井氏:
 コラボの契機はいろいろあるのですが,FFXIの場合は,先方の担当者さんが単純に「FFXI好き」という所からスタートすることが多いんですよ。長年FFXIを続けている賜(たまもの)だと思いますし,この仕事を続けていて,とくに嬉しいことの一つですね。

4Gamer:
 なんというか,過去のスタッフだったり,プレイヤーだったりが,いまのゲーム開発者,関係者になっているわけですからね。14年という歳月の長さを感じます。あれこれ話を聞いてきましたが,そろそろお時間なので,最後にFFXIのプレイヤーに向けて,メッセージをお願いします。

藤戸氏:
 現役プレイヤーさんに向けては,ログインして遊ぶ時間を充実させるために,我々ができることに力を注いでいきます。各種コンテンツに対して,さまざまな不満もあるかと思いますが,一歩一歩着実に進めていきますので,長い目で見守ってください。
 休眠中の方に向けたメッセージとしては,少なくとも「アビセア」以前に休止された方にとっては,おそらく記憶の中にあるFFXIとは,まったく別物のMMORPGと思えるくらいのアップデートが反映されています。昔に足しげく通っていたコンテンツが,現在どうなっているのか,ソロプレイでも実感できる状況になっていますので。ぜひ,それを直接体験してほしいです。

松井氏:
 ヴァナ・ディールの世界は,まだまだ続きます。これからも毎月のバージョンアップで,月替わりバトル「アンバスケード」をはじめとしたコンテンツを追加していきますので,ぜひ挑んでみてほしいですね。
 また休眠中の方は,何もかもが懐かしく,新鮮な気持ちで楽しめると思います。さまざまなバランス調整により遊びやすくなっているので,休眠期間の長さはもとより,レベルや装備も気にせず楽しめます。
 8月12日からは「ウェルカムバックキャンペーン」も開催するので,もし興味を持たれた方はぜひご覧になって,ヴァナ・ディールへ“里帰り”してみてくれると嬉しいです。

4Gamer:
 本日は,ありがとうございました。

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