連載
ヴァナ・デビュー「ファイナルファンタジーXI」 / 第1回:(改めまして)ヴァナ・ディールへようこそ
スクウェア・エニックスが運営するMMORPG「ファイナルファンタジーXI」(FFXI)は,2009年5月でサービス開始から丸7年を数える。ファイナルファンタジーといえば,いわずと知れた世界的人気を誇るRPGシリーズで,すでに第12作「XII」までリリースされており,最新作「XIII」の情報公開を心待ちにしているという人も多いことだろう。
そんな中で,シリーズ内で現在唯一のオンラインゲームである「XI」は,2009年の今も現役バリバリのタイトルだ。
ここまで長く続くFFXIの魅力はなんといっても,本作の舞台となる世界「ヴァナ・ディール」が,常時何万人ものプレイヤーで賑わう“生きた世界”であること。FFの世界を大勢のプレイヤーで共有する喜びを24時間いつでも味わえるのが,このFFXIなのだ。
もちろんヴァナ・ディールにはFFでおなじみの各種設定,魔法やモンスターなどが,これでもか! というくらいに存在している。
「サービス開始から7年も経っているのに,今から始めて本当に大丈夫?」という,ある意味ごく自然に感じるであろう不安について,FFXIではあまり心配いらない。現在のFFXIは,初心者にもプレイしやすいようにバランス調整がなされており,ベテランと初心者が共存できるMMORPGなのである。しかも2008年10月から,2週間無料でプレイできる「フリートライアル版」が配布されており,誰でも無料でお試しプレイが可能だ。
この「フリートライアル版」を使って,今からFFXIを始めてみよう! というのが本連載「春だ一番 ヴァナ・デビュー ファイナルファンタジーXI」のメインテーマである。
FFXIを今から始める新規プレイヤー用の実践ノウハウを,あれこれ分かりやすくレクチャーしていきたい。2週間のフリートライアル期間中に触れられる主な要素は,まんべんなくカバーする予定なので,本連載を参考にキャラクターを育てていってもらえれば幸いだ(まぁ連載は2週間以上続く予定だけど)。
ちなみにFFXIは「PlayStation 2」「Xbox 360」「Windows」の3種のプラットフォームでリリースされているが,フリートライアル版はPCのみを対象としている。その点だけはご了承を。
連載第1回目となる本稿では,とりあえずフリートライアル版を入手,インストールしてヴァナ・ディールに降り立ってみるかな,くらいのところまで進めていこう。
※本連載は主に2009年3月現在のバージョンを基に作成されています
FFXIのフリートライアル版は,14日間無料でプレイできる。どういったゲームなのかをザッと知るには十分な期間だ。14日間遊んでみて「もっと続きが遊びたーい!」と思ったら,正式に課金してプレイを継続すればいいし,「もういいかな」と思ったら無料のうちにスパッとやめてしまえばいい。
少しでも興味を持ったなら,とりあえずフリートライアル版をインストールしてみよう。ダウンロードおよびインストールは以下のページにアクセスすれば,懇切丁寧に手順が書かれているので,そちらに従って行おう。ダウンロード時にメールアドレスを登録する必要がある。
なお,ダウンロードやインストールなどは原則として自己責任で行い,どうしても分からない場合はスクウェア・エニックスの窓口に問い合わせてみよう。
「ファイナルファンタジーXI フリートライアル版」
必須環境,推奨環境は以下のページで確認を。
「ゲームをプレイするための環境の確認」
ベンチマークソフトを試してみたい人はこちら。
Vana'diel Bench 3
FFXIに必要なPCのスペックは,今となってはそれほど高くないので,日常的にオンラインゲームを楽しんでいる4Gamer読者の多くは,問題なく快適に遊べるだろう。クライアントデータのファイルサイズが約2.8GBと大きいので,そこは注意。クライアントのダウンロード後に,ゲームの起動に必要な「トライアル用レジストレーションコード」が自動的に発行され,先ほど登録したアドレスにメールが届くはずだ。
- 「FFXI_INST1.exe」を実行してインストーラーを起動させる
- 「オンラインビューアー及びテトラマスターのインストール」を選択 →完了させる
- 「ファイナルファンタジーXIのインストール」を選択 →完了させる
- 「プレイオンライン」(オンラインビューア)を起動
- 「バージョンアップ」が表示されたらビューアのバージョンアップを行う(終了後にビューア再起動)
- 「プレイオンライン」入会手続き(ここで先ほどのレジストレーションコードや住所氏名などを入力)
- 「プレイオンライン」にログイン(ハンドルネームを入力)
- 「プレイオンライン」メンバーページへ(2回目以降はすぐここまで来られる)
- 「ファイナルファンタジーXI」を起動
- 「バージョンアップ」が表示されたらバージョンアップを行う
- いよいよ念願のゲームスタート(お疲れ様でした)
「オンラインビューアー」をインストールする前にメニューをうっかり閉じてしまったら,「FFXI_INST1.exe」を再び実行するか(時間がかかる),インストールフォルダ内の「Autorun.exe」を実行しよう。
インストールや手続きが完了して,ゲームのタイトル画面まで進んだら,さぁいよいよゲーム開始だ。
クライアントを起動させたら,まずはキャラクター作成だ。ここで決める主な項目は,「キャラクター名」「ワールド(いわゆるサーバー)」「種族」「ジョブ」「所属国」。
FFXIではレベルアップ時にステータスの配分作業がなく,またジョブ(職業)は自由に変えられ,それまで育てたジョブのレベルは残るので,“育て間違え”の恐れが少ない。種族ごとに,とくに向いているジョブがあることはあるが,第一印象でビビっと来たものを選ぶのが一番だろう。各種族には適正ジョブといったものはあるものの,装備やプレイスタイルそして愛情で十分にカバーできる。
【ヒューム】
厳密にいうと世界観的にイロイロあるのだが,いわゆる我々“人間”とほとんど同じと考えて構わない種族。感情移入しやすいせいか,ヴァナ人口も最も多い。突出したステータスはないものの,平均的であるためどのジョブもそつなくこなしやすい
【エルヴァーン】
長身痩躯で耳が尖っており名前も似ているが,ファンタジーRPGでお馴染みの“エルフ”ではない。肌が浅黒く精悍な種族で,男女共に剣技に秀でており,母国のサンドリアではエルヴァーンによる大規模な騎士団が結成されている
【タルタル】
子供のように見えるが実年齢とは関係なく,いずれも魔法使いとしての高い適性を持つ。ほかのMMOタイトルでも小さい種族はよく目にするが,やっぱりタルタルの可愛らしさにはかなわんなぁ,という人は多そう。装備を新たに揃えても,外見での変化が分かりにくいのが悩みどころ
【ミスラ】
タルタルと共にウィンダスに住まう,シッポを持ったネコっぽい種族。最近は男性のミスラもちらほら登場してきているが,現在プレイヤーキャラとして作成できるのは女性のみ。特技は魚を生で食べること
【ガルカ】
数百年前に故郷が滅びてしまい,世界各地へ散り散りになってしまった流浪の民。外見に違わず力持ちの種族で,魔法ではMPの少なさに悩むことも若干あるかもしれないが,避けねばならないほどではない
所属国は「サンドリア王国」「バストゥーク共和国」「ウィンダス連邦」という三つの国の中から選べる。ヴァナ・ディールでの位置関係を大まかに説明すると,大陸マップの中央に「ジュノ大公国」という都市国家があり,そこから西方面にサンドリア,南にバストゥーク,そして南東にウィンダスが存在する。
それぞれ国によって景観はもちろんのこと,NPCの種族構成やクエストでの言葉使いなど,全体的に雰囲気が大きく違ってくる。どの国から始めてもプレイ難度は変らないものの,世界観がとても丁寧に作りこまれているMMOなので,できれば自分の好みに合った国を選びたいところ。フリートライアル版ではキャラクターが最大3体まで作れるので,3国それぞれでキャラクターを作って,軽く散歩して自分にあった国を探してみるといいかもしれない。
ちなみに各国間は距離が相当離れており,仮に初心者が隣国へ移動しようとすると,ちょっとした大冒険となってしまう。友人と一緒にプレイしたい人は,ワールドだけでなく所属国も同じに揃えよう。
FFXIでは,FFシリーズの経験者ならお馴染みの「ジョブ」があり,ジョブの育成や「ジョブチェンジ」が行える。ジョブチェンジは拠点などでいつでも行え,目的や気分によって遊び方を気軽に変えられる。しかも自分が成長させたジョブの中から,メイン用ジョブとサポート用ジョブの二つを組み合わせることができる。この組み合わせによって面白い能力を持ったキャラクターが出来上がるというわけだ。
冒険者が最初に選べるジョブは,「戦士」「モンク」「シーフ」「白魔道士」「赤魔道士」「黒魔道士」の6種類。サポート用ジョブを選択するためには,レベル18以上を対象としたクエストの達成が必要となる。まずは6種ある基本ジョブの違いをしっかり押さえておこう。どのジョブもゲーム内の基本要素がぎっしり詰まっており,その経験はいずれほかのジョブを育てるようになってからもきっと役立つはずだ。
ここでは,各ジョブの基本的な方向性が見えてくるレベル30までの見どころと,それ以降の大まかな特徴をできるだけ簡潔にまとめてみよう。
【戦士】
・レベル30まで
前衛系のスタンダードジョブで,攻防に関するアビリティをバランスよく習得していく。それらの中でも,モンスターのターゲットを自分に引き付ける("敵対心"というパラメータを上昇させる)効果を持つ「挑発」(Lv5)は,パーティプレイ時における前衛/後衛の役割分担を実現するための最重要アビリティだ。ほかの前衛系ジョブを育てる場合でも,この挑発を使いたいがためにサポートジョブに戦士を選ぶことが多い。
・中〜高レベルでは?
全ジョブ中,最も多くの武器を実用的に使える。攻撃に関するアクティブスキルを次々と覚えていき,次第にアタッカー寄りへとシフトしていく。エキストラジョブを含めた中でも,直接攻撃系の定番アタッカーとして人気は高い。
【モンク】
・レベル30まで
己の拳で殴って戦う格闘家。格闘系の武器は一度の攻撃で2回ヒットするので見た目が派手。次の攻撃ダメージを上げるアビリティ「ためる」(Lv5)を使った直後に,ウェポンスキルを放つという流れは,いちばん早く目にするコンビネーション技。前衛系ジョブの中でもHPの最大値がトップクラスに高く,ここに期待してサポートジョブ用として選ぶことも。
・中〜高レベルでは?
テクニカルな要素はそれほど多くはないが,前衛ジョブの中ではシンプルであるため,装備による影響がはっきり表れやすいという見方ができるかも。ジョブ特性(いわゆるパッシブスキル)に優秀なものが多く揃っており,例えば丸腰で戦わねばならないような状況(そういうコンテンツもあるのだ)では安定して強い。
【シーフ】
・レベル30まで
モンスターの"敵対心"を,さまざまな形で利用して戦うアタッカー。代表アビリティの「不意打ち」(Lv15)は,モンスターの背後から強烈な一撃を浴びせられる。それともう一つ,モンスターと自分との間に仲間をはさんで攻撃することで,敵対心をなすりつけられる「だまし打ち」(Lv30)を使えば,ほかのメンバーがフルパワーを出して戦いやすい。これら二つのアビリティを使いこなすのは難しいが,そういったテクニカルな要素に魅力を感じる人にオススメのジョブだ。
・中〜高レベルでは?
モンスターからのドロップ率を良くする「トレジャーハンターII」(Lv45)は,唯一無二のジョブ特性。お宝目当てのコンテンツをクリアしたのにレアアイテムをドロップしなかった場合,メンバー内にシーフがいないと「やっぱりなぁ」と思われ,シーフがいると「なんで出ないの?」と思われる。それくらい,“シーフ=トレハン要員”のイメージが強い。
【白魔道士】
・レベル30まで
サポート系の総合スペシャリスト。HPをただちに回復する「ケアル」(Lv1〜)と,少しずつ回復する「リジェネ」(Lv21〜)の2系統の回復魔法を主に使うことになる。また,味方の状態異常(弱体化)を回復できるのは,基本ジョブの中では白魔道士だけ。多くのモンスターが多様な状態異常攻撃を繰り出してくるので,ほかの後衛系ジョブを育てる場合でも,サポートジョブ用に白魔道士が選ばれることは多い。
・中〜高レベルでは?
サポート系としての基本路線は大きく変わらず,上位の回復魔法や状態回復魔法に加え,蘇生魔法なども順調に獲得していく。そのほかには,パーティのメンバー全員を丸ごとエリア移動させる「テレポ」系の魔法(Lv36〜)が便利。
【赤魔道士】
・レベル30まで
回復魔法や精霊魔法,そして弱体魔法など,幅広いジャンルの魔法を習得できるジョブ。それぞれの専門ジョブには一歩譲るものの,十分に実用可能な効果を発揮する。そのためパーティプレイにおいては,立ち回りを微調整することで,足りない部分を補えるというところが強み。また直接攻撃でも,一時的に属性効果を武器に付与する「エンサンダー」系の魔法(Lv16〜)を併用すれば,そこそこイケる。
・中〜高レベルでは?
弱体魔法を最も得意とするが,そのほかのジャンルもまんべんなくこなせ,装備が充実するにつれ全ジョブ中屈指のオールラウンダーとなる。中でも呪文の「リフレシュ」(Lv41)や,アビリティの「コンバート」(Lv40)によるMPの回復手段が強力で,とくに持久戦で力を発揮するが,その代わり忙しさも半端ではなくなる。
【黒魔道士】
・レベル30まで
精霊魔法に特化したアタッカージョブ。これらは瞬間的には大ダメージを叩き出せるが,そのぶんモンスターの敵対心を一気に稼いでしまいやすい。黒魔道士の防御力はかなり低いので,何も考えずに精霊魔法をドカンドカンと放っていたら,すぐ敵にやられてしまうだろう。かといって,敵対心を稼ぐことを恐れていたら,パーティには貢献できない。メンバー構成などによってどこまで力を出していいのかが変化するので,そこを見極めるのが面白いジョブだ。
・中〜高レベルでは?
次第に強力な精霊魔法を習得していくが,MPの消費量も増え,呪文詠唱と休憩(ヒーリング)のメリハリがさらに必要になる。これを究極まで突き詰めた結果,複数の黒魔道士がタイミングを合わせて精霊魔法を発射するという特殊戦術もあり,これは格上のモンスターすら瞬殺できてしまうほどの威力を持つ。
かなり駆け足の説明なので,最初にジョブを選ぶ際の大まかなイメージをつかむ程度で考えてほしい。もちろん各ジョブには,ここで触れたほかにもたくさんの醍醐味がある。ジョブチェンジによるデメリットは何もないので,気になったものは実際に育てて体験してみるのが一番だろう。
紹介した6種類の基本ジョブ以外にも,ゲーム内には数多くの「エキストラジョブ」なるものが用意されている。エキストラジョブでプレイするには条件があり,レベル30以上を対象としたクエストをクリアし,場合によっては拡張データディスクの導入も必要となる。実際問題,フリートライアルの期間内にレベル30まで到達するのは結構大変なので,現時点では「遊びつくせないくらいのジョブがあるんだなあ」と思っておくのがよいだろう。
エキストラジョブの名前だけ列挙していくと,まずは「ナイト」「暗黒騎士」「獣使い」「狩人」「吟遊詩人」がある。そのほか,拡張データディスクの導入によって「忍者」「侍」「竜騎士」「召喚士」(ジラートの幻影),「青魔道士」「コルセア」「からくり士」(アトルガンの秘宝),「踊り子,学者」(アルタナの神兵)といったものが追加される。
新たにヴァナ・ディールへと降り立つ人が,まず最初に行ってほしいのは「チュートリアル」だ。チュートリアルは複数のミニクエストが連続で続く流れとなっており,シグネットやウェポンスキル,食事効果や競売利用などといったゲーム内の基礎知識を,段階的に教えてくれる。最後まで一気にこなすのは大変だが,とりあえずはこの流れに沿って,レベル5くらいまで育ててみるのがよいだろう。
ちなみにこのチュートリアルは,2008年9月に導入されたもの。試しにプレイしてみたが,「良く出来てるなぁ」と素直に思った。現在のFFXIは,こういった細かいところが初心者向けにチューンされている。
連載第1回の内容はここまで。来週掲載の第2回では,ソロプレイで知っておきたいノウハウをあれこれと伝授していきたい。
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