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Final Fantasy XI Fan Festivalで行われた,プランナー岩尾賢一氏による,ヴァナ・ディールの歴史解説
16日の午前中に行われたのは,世界設定などを担当しているプランナーの岩尾賢一氏による「ヴァナ・ディールの歴史」だ。
おそらく,拡張パック第4弾の「ファイナルファンタジーXI アルタナの神兵」を公開する前に,ファン達の知的好奇心を煽る目的で行われたようだが,水晶大戦時代の歴史についてはこれまでにも詳しく公開されたことはなく,日本のファンにとっても興味深いだろう。世界観に没入したプレイを楽しむには,不可欠な情報だ。
さて,岩尾氏は,日本戦国期の兜のレプリカを頭につけてステージに登場し,台本を読みながらではあったが,冒頭は英語でジョークを連発するなど,場の雰囲気を盛り上げていた。
本題のヴァナ・ディール史については,岩尾氏が日本語で解説したものを,通訳が英語に直していくという形式で行われたが,会場に集まったアメリカのファン達は,お気に入りの種族が出てくるたびに歓声や拍手を送り,気に入らない種族の歴史にスポットライトが当てられるとブーイングを浴びせるなど,かなり興奮していた様子。初日から非常にボルテージの高いイベントであった。
以下,岩尾氏が日本語で解説した部分を,氏の言葉を忠実に抜き出し,英語で行われた部分は,翻訳して紹介しよう。
Age of Exodus
それが今から600年ほど前,そうですね天晶歴で190年ほどになると,クォン大陸のさらに北にある大陸から渡ってきた狩猟民族エルヴァーンの定住地がクォン大陸北部に建設されました。きっと,豊かな獲物を求めてやってきたのでしょう。そして,天晶歴200年頃になると,どこから来たのかははっきりしていないですが,ミンダルシア大陸に放浪の民タルタル族が渡ってきて,サルタバルタ平原に腰を落ち着けました。
さらに、天晶歴220年頃になると,ゼプウェル島に住んでいたガルカ族が,アンティカ族との戦いに敗れ,クォン大陸南部に移住してきました。
(英語で) このようにして,これら5部族が一つの大陸で共存するようになりました。Age of Conquerorの始まりです。
Age of Conqueror
(日本語に戻り) どれも正解なことだと思います。でももう一つ大切なことがありますよね。そう,魔法です(ここで来場者の一人がMahou!と叫び,岩尾氏が吹き出してしまう)。
天晶歴219年にタルタルの少女,後の“星の神子リミララ”が魔法を発見してから,それまで静かにひっそりと暮らしていたタルタルの生活は,大きく変わることになりました。小さな部族単位でいがみ合っていたタルタルの族長達は,和解してウィンダス連邦を形成したのです。(ここで大歓声の後に,それをかき消すかのようなブーイングが起こる)
そして,さらにより豊かな土地を求める大規模な開拓運動が(北や東に向かって)始まりました。彼らが最初にターゲットにしたのは,同じミンダルシア大陸に古くから住んでいた,ヤグード族の土地だったのです。ヤグードは,初めて目にする魔法の力におののき,いとも簡単に自分よりもずっと小さなタルタル族に屈してしまいました。彼らの目には,魔法は奇跡にしか見えなかったのです。(再び大歓声とブーイング)
さて,破竹の勢いでミンダルシア大陸を制覇したウィンダス連邦が,次に目をつけたのはジュノ海峡を挟んで目と鼻の先の広大なクォン大陸でした。そこには,すでに強靱な肉体と勇猛な精神を持つエルヴァーン族が部族ごとに分かれて暮らしていました。けれど,魔法を独占するウィンダス戦闘魔道団の敵ではなく,ノルバレン地方が占領されてしまいました。(またまた大歓声とブーイング)
そして,軍事の天才ルンゴナンゴ大魔元帥が登場すると,クォン大陸の全土がその軍門に下ることになったのです。
(英語で) タルタルを使用している皆さんはどれくらいいますか(大歓声が起こる)。
では,そのプレイヤー達は,自分の友達に「タルタルは昔,ヴァナ・ディールを支配していた」って自慢できますね(会場が爆笑)。
Rise of Sand'Oria
彼はクゥダフ族と同盟を結ぶと,タルタル族の影響を脱して再びクォン大陸をエルヴァーンの手に取り戻すことに成功。(数人の男性がイェーイ!と叫んだ後に大ブーイングが)こうして,サンドリア王国が建国したのです!
Bastuk Independence
しかし,しかしです。エルヴァーンがチョコボの牧草地に適せぬ不毛の地とバカにし,タルタルが魔法を運用しても作物が育たぬ無用の地と見捨てた土地は,実は莫大な恵みの土地だったのです。バストゥーク出身の方ならよくご存じですよね。そう,ミスリル,ゴールド,プラチナ,その他鉱物資源の宝庫だったのです。
グスゲン山で巻き起こったゴールドラッシュに端を発して,世界中から集まってきたヒュームの鉱山労働者達。彼らが自分達の上前をはねるだけの支配者,サンドリアに反感を持つのは当然のことでした。やがて,鉄腕マイヤーという有能な指導者を得たヒューム族は,持ち前の技術力を活かしてバストゥーク砦を建築。ガルカ族と手を組み,当時無敵と思われていた王立騎士団を破ることに成功しました。こうしてバストゥーク共和国が誕生したのです。
流れ者が集まっていたバストゥーク共和国は,世界中の政府や軍隊の利点を比較検討し,斬新な制度を築きあげました。それが国民から選ばれる王,そう大統領制の施行です。そして市民による市民のための軍隊,共和軍団の誕生でした(大歓声)。 さらに,大砲や火器など新兵器の発明と,鉱物資源の増産による莫大な富の流入によって,バストゥークは新興国ながらウィンダスやサンドリアを凌ぐ強国へと発展していったのです。
岩尾賢一氏 |
(英語で) そうだ,ミスラでプレイされている皆さんはどれくらいおられますか? (歓声がホールの各所から上がる)
皆さんが,歴史に登場するのはこれからです。海賊として,傭兵として,あるいはウィンダスの海兵隊として大活躍するようになりました。ほかの人々からは,大迷惑だったという話もありますけれどね(大爆笑となる)。
Founding of Juno
さて,アルタナ諸国で最後にできた国は,みなさんよくご存じのジュノ大公国です。戦乱に疲れたサンドリア,ウィンダス,バストゥークは互いに相手の隙を狙う一方で,徐々に交易による結びつきも強くなっていきました。やがて,豪商の中にクォン大陸とミンダルシア大陸を隔てるジュノ海峡に長い長い橋を渡し,海賊がはびこる海路よりも,陸路の貿易を安全にできないかと考える者達が現われ,ヘブンズブリッジの建設が始まったのです。
やがて橋の上に街ができました。その街はジュノといい,海峡を通過する商船の中継地,大陸を渡る隊商の中継地,両方の特性を兼ね備えた貿易都市として,商業が発達しました。そして,カムラナートという卓越した指導者がいたジュノの経済力は他国にとって無視できないものになり,三国公認のもとジュノ大公国が成立したのです。
それは,三国が初めて共同で行った歴史的行事でもありました。当時の多くの人々は,新たな平和の時代の幕開けを確かに肌で感じていたようです。しかし……。
Rise of the Shadow Lord
各国の軍は敗退を重ね,サンドリアは王都を包囲され,バストゥークは主要な要塞と制海権を失い,ウィンダスは聖都の中にまで敵に攻め込まれ,ジュノは陸,海,すべての通商路を封鎖されてしまいました。もはや,アルタナの民の未来は失われたかに思われたのです。
個別に戦っていたのでは,世界的規模で戦っている獣人血盟軍に勝てない。そう気づいたアルタナ各国は,遅まきながら歴史的な恩讐を捨て去り,連合軍を形成することに同意したのです。そしてもう一点。実は,アルタナがもたらした希望の翼が……おっと,これ以上は言えません。(アルタナの神兵の話題へとおよぶことへの期待があったのか,大ブーイングが起こる)
6世紀から9世紀初旬にかけての300年間は,水晶大戦時代の中でも,日本の戦国時代にたとえられる,と岩尾氏は説明する。各勢力の間で行われたさまざまな戦闘もあるのだが,今回はそこまで細かく解説されなかった。この長き戦国時代への嫌戦気分からジュノ大公国が誕生した |
皆さんと,近い将来,いえ,過去に再びお会いできるのを楽しみにしています!(拍手と大歓声に送られながら,岩尾氏が退場)
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