E3参加メーカーの中でも,とりわけ大きいブースを一等地に構えるElectronic Arts。PCゲームブースのメインフロアーでもある,ロサンゼルスコンベンションセンターのSouth Hallの入り口前にドカンと陣取った同社は,例年どおり,E3来訪者にその存在感を見せ付けていた。
そんなハデなオープンブースとは打って変わって,割と静かなクローズドブースにてデモンストレーションが行われたのが,本作
「Battlefield 1942」(以下,BF1942)である。
BF1942は,第二次世界大戦を背景に,連合軍/枢軸軍との壮絶な戦いを描いたコンバットシム。プレイヤーは,WWII真っ只中の1942年に,東西ヨーロッパ,太平洋,そして北アフリカで起こる戦闘を体験することになる。
"Electronic Arts"で"第二次世界大戦もの"と来れば,世界中で大ヒットを記録したコンバットFPS「メダル オブ オナー」(以下,MoH)などが記憶に新しいことだろう。しかし本作は,MoHと比べると,より"チームベースのマルチプレイ"に重きを置いたゲームデザインになっているのだ。
その最も大きな特徴といえば,
やはり35種類以上にもおよぶビークルの存在であろう。飛行機や戦車などのオーソドックス(?)なビークルはもとより,海に浮かぶ戦艦や海中で息をひそめる潜水艦までが登場してしまうのだ。飛行機や戦車などは2種類の搭乗ポイントが設定されており,マルチプレイにおいては,一方が銃座に,他方が操縦席に,などという連携プレイももちろん可能。また,攻撃力の高いビークルとのバランスを取るため,各ビークルごとにウィークポイントが設定されいる。たとえば,上面部分にウィークポイントを持つタンクなどは飛行機で狙い,逆に飛行機は潜水艦に対してまったく無防備な状態で対空砲火を浴びてしまう,といった具合だ。
正直なところ,パッと見のビジュアルは取り立ててスゴイというわけではないが,MoH同様に,第二次世界大戦時に連合/枢軸両軍がそれぞれ使用した武器が見事に再現されており,個々の兵器オブジェクトに関しては,かなりこだわったモデリングがなされているように見受けられる。跳弾のエフェクトや,砂埃などのパーティクル処理もなかなか美しい。
ゲームが,チームベース,しかもかなり広大なマップで展開されるせいか,プレイヤーキャラクターが死亡すると,ミニマップ画面へと遷移し,マップに点在するRespownポイントを自ら選ぶという仕組みが取られていた(ブースでは,実際に5人での対戦を行ってみたが,結構サクサクと進行していた)。文字通り,陸・海・空のユニットが完全にリアルタイムに入り乱れるため,戦闘は得てして泥仕合になりがち。しかし「陸で銃撃戦を繰り広げる味方陣営の兵士が,敵陣の戦車部隊に押され気味,そこへ,空から飛行機で登場し,戦車を一斉爆撃」なんていう,まさに映画さながらのシチュエーションにもしばしば遭遇できる。
プレイヤーは,アメリカ,イギリス,ロシア,ドイツ,そして日本のいずれかのキャラクターに扮することになる。BF1942のオリジナル版(非ローカライズ)では,それぞれの国のキャラクターは必ず母国語を使用することになっており,各国用のローカライズ処理が施される場合は,テキスト情報のみがローカライズの処理対象になるとのことだ。
Xboxでの発売も決定しているようで(Xboxのインタフェースではちとキツイ気がしないでもないが),コンシューマユーザも巻き込んだネットワーク対戦ブームの火付け役になることを大いに期待したいタイトル。なにはともあれElectronic Artsブースでのデモプレイを収録した「こちら」のムービー(20.6MB)を見て,プレイフィーリングなどを確認していただきたい。(Gueed)