「Eve-Online:The Second Genesis」(以下,Eve)は,いままで当サイトにも掲載されてきたScrenshotsを見たことのある人なら知っているように,スペースアクションとして見て,十分魅力的なゲームだ。グラフィックスの美しさは下の画面写真を見ての通りだし,当然ほかのプレイヤーとの対戦プレイも楽しめる。また,この手のゲームでよくあるように,
稼いだお金で自分の宇宙船をどんどんパワーアップしていくのも楽しい。
しかし,Eveの魅力はそれにとどまらない。なんとこのゲーム,
MMORPGでもあるのだ。プレイヤーキャラクターは五つの種族の中から選べる。そして単純にその容姿をカスタマイズできるだけでなく,顔グラフィックスの背景やライトの方向まで設定でき,それらはほかのプレイヤーから見ても反映されている。つまり同じ顔でも,ライトの方向によっておどろおどろしい雰囲気を出す,なんてことも可能なのである。
一つの太陽系には1000人のプレイヤーキャラクターが存在でき,太陽系の数は実に5000にも及ぶというから,単純計算で1000×5000で
50万人が同一世界上に存在することになる。これだけ大勢のプレイヤーが,広大な宇宙空間を,ドンパチやりながら覇権を争うわけである。
とはいえ,あまりにも広すぎるこの世界で一人で戦っていくわけではない。ファンタジータイプのMMORPGでいうところの"ギルド"のようなシステムとして,Eveには「カンパニー」が存在するのだ。最大で100人のプレイヤーからなるこのカンパニーは,さらに複数集まることで「コーポレーション」を形成できる。ここから先がユニークで,コーポレーションに成長した共同体は,なんと株式市場に上場が可能なのだ。例えば,コーポレーション内のサイエンティストのスキルを持つメンバーが,全く新しい武器を発明したとする。それをマニファクチャーで量産して販売すれば,コーポレーションの株価がぐっと上がるというわけだ。
ほかにも,資源の価格の変動といった要素もある。例えば非常に高価な鉱石も,どこかで大量に発見されたとたんに価格が暴落してしまい,その鉱石の加工や売買で益を得ているコーポレーションが,大きな打撃を受けたり逆にボロ儲けする,なんてことも起こりうる。
こういった経済システムを持つEveでは,最新の情報を持っているものほど有利になる。先ほどの例であれば,誰かが新たな鉱石採掘場を見つけたことをいち早く知れば,被害を抑えることができるばかりか,ボロ儲けもできるわけである。そこでこの世界には,「新聞」システムがある。これは,自由にユーザーが書き込むことができるもので,それぞれのユーザーが自分の知り得た情報を交換しあう重要な場となるのだ。
もう一つ面白いのが,
ユーザーがユーザーに対してミッションを依頼することができるという点。例えば,「俺はXXXXってヤツに酷い目に遭わされたから,仕返ししてくれ」なんて依頼ができるわけである。ちなみに,もちろん嘘をついて無実の人間の殺人依頼もできる。"お金持ち"のキャラクターであれば,そのおこぼれにあずかろうと,誰もが頼みを聞いてくれるだろう。
戦闘時に宇宙船を破壊されても脱出ポットで逃げ出せるが,その脱出ポットまで破壊されてしまえば,当然そのキャラクターは死ぬことになる。死んだ場合は,スキルが一定レベル下がるというペナルティで,復活することになる。いかに個々の戦闘で死なず,かつコーポレーションという大きな共同体でお金を稼ぐか? 今までにない楽しみ方を与えてくれるゲームとなりそうだ。リリース予定は2002年10月と,E3で発表されたMMORPGの中ではかなり早く楽しめることになりそうだし,スペースアクションゲームファンはもちろん,SF好きも経営好きもMMORPG好きも,ぜひ一度お試しいただきたい。(Iwahama)
(C)2002 Simon & Schuster Interactive, a division of Simon & Schuster, Inc. All rights reserved. Published by Simon & Schuster Interactive, a division of Simon & Schuster, the publishing operation of Viacom, Inc., 1230 Avenue of the Americas, New York NY 10020 (C)2001 Microsoft Corporation. All Rights Reserved.