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[E3 2005#127]「Call of Cthulhu:Dark Corners of the Earth」の現在をレポート
本作「Call of Cthulhu:Dark Corners of the Earth」は,このクトゥルー神話の世界設定を利用して作られたPCゲームだ。数年前に発表されたタイトルだが,なかなか発売に至らず,一部のディープなファンをやきもきさせていた作品でもある。
今回,その「Call of Cthulhu:Dark Corners of the Earth」が,Xbox版のみではあるがBethesda Softworksのブースにプレイアブルな状態で展示されていたので,実際に触らせてもらいつつ,同社のBrian Jackson氏に話を聞いてみた。
「Call of Cthulhu:Dark Corners of the Earth」はアドベンチャーとアクションの要素を持った,一人称視点のホラーゲームだ。最初に体験できたステージは,アドベンチャー要素の強いもので,まずは自分がいる薄暗い建物の中から脱出する道を探さなければならない。しばらく建物の内部をうろつくと,ぶら下がっている数本のロープが引っ張れるようになっていることに気付く。いくつかのパターンでロープを引いてみると,閉ざされていた地下室への扉が開いた。このように,パズルを解くようなかたちで進む道を探すのが,本作で体験できるゲームスタイルの一つであるとのことだ。このステージでは途中で敵に襲われるようなことはなく,じっくりと謎解きを楽しめるようになっていた。
次に紹介されたのは,いわゆるスニークアクションの部分。敵に見つからないように行動して,ひっそりと敵を倒していくという,PCゲーマーにはおなじみのモードで,見つかるとそのまま銃撃戦になる。主人公はピストル,スナイパーライフル,ショットガンといった武器を携行しており,そのデザインは,しばしばクトゥルー関連ストーリーの舞台とされる1920年代という時代背景に則したものだった。
最も興味深かったのは,主人公にはヘルスのほかに"Insanity Level"(狂気レベル)というパラメータが用意されていることだ。狂気という要素は,クトゥルーをモチーフとしたロールプレイングゲームで重要視され,ゲームシステムに組み込まれていることが多い。本作ではどのようなかたちで実装されているのか気になっていたところだ。プレイヤーキャラクターのInsanity Levelは,不気味なクリーチャーと遭遇したり,無惨な死骸を見たりといった,恐ろしい経験をするごとに上がっていき,次第に幻覚を見るようになる。ゲーム的には画面がぼやけたり,実際とは異なった地形が見えたりするので,この状態でプレイを続けるのは難しい。だからなるべくInsanity Levelは低い値に抑えておきたいのだが,ステージによってはそうもいかない場合がある。加えて,本作ではヘルスの回復にモルヒネを使うのだが,これを用いるとヘルスの値とともにInsanity Levelも上昇してしまう。目の前のクリーチャーだけでなく,忍び寄る狂気もプレイヤーにとっては恐ろしい敵なのだ。絶望的な状況の中でどのように戦っていくのか。ここにこのゲームのポイントがあるようだ。
もう一つの特徴的な要素としては,通常画面に現在のヘルスの量やInsanity Levelなどの情報がまったく表示されないことが挙げられる。これはより直感的なインタフェースを目指した結果のようで,たとえば攻撃を受けた場合には一瞬画面が血で赤く染まり,ダメージが深刻なものになるとその度合いが強くなる。一方Insanity Levelは,前述の幻覚症状の激しさで理解するようになっている。画面がぶれたり揺れたりするほかに,ゲームパッド/コントローラの振動機能なども活用されるそうだ。
今回体験できた部分から察するに,本作はパズルやアクション,スニーキングなどの要素をバランスよく組み合わせた,プレイしやすいゲームに仕上がりそうだ。
ただ正直なところ,コアなファンに長く愛されているヘビーなモチーフであるクトゥルー神話を題材にしたゲームとしては,少々ライトすぎるのではないかという感想も持った。今後の経過を注意深く見守りたい。(ライター:星原昭典)
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Call of Cthulhu:Dark Corners of the Earth
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