2004/09/03 22:40 |
Codemastersは,2004年秋のリリースを目指していたファンタジーMMORPG「Dragon Empires」の開発中止を発表した。中止の理由は"技術的な問題"とのこと。なお,開発チームのメンバーはほかのプロジェクトに移動して,大規模なリストラや退社とはなっていないようだ。
今回の「Dragon Empires」の開発中止を聞くと,「またか……」と思うMMORPGファンも多いことだろう。「Dragon Empires」は,2004年のE3では人気があるタイトルとはいえないくらいの人だかりで,ちょっと不安を感じざるを得ない面も少なからずあった。しかし,着実に開発が進んでいるという情報が流れていただけに,今回のNewsは非常に残念だ。
2004年に開発中止を発表したタイトルには,Microsoftの"Mythica",Electronic Artsの"Ultima X:Odyssey",セガ オブ アメリカの"Warhammer Online"など,期待されていた大作が並んでいる。 これらのタイトルは2000年代初頭に開発がスタートしているものが多いが,プロジェクトが動き始めてから3年,4年の時を経て,頓挫してしまったことになる。今のMMORPGというものは,ハック&スラッシュを採りいれて気軽に楽しめる"ライト系MMORPG"と重厚なグラフィックスと複雑なシステムを採用した"コア系MMORPG"に大別できるわけだが,その片方が瓦解し始めているのではないだろうか。 コア系MMORPGで近々リリースされるものには,"EverQuest II"や"World of Warcraft","Vanguard"(これは近々じゃないかも)などがあり,これらのビッグタイトルと肩を並べられないものの運営は,非常に難しくなる。MMOというシステムが要求するヒューマンリソースやインフラコストを考えると,ビッグタイトルにプレイヤーが集中しそうな現状では,とてもペイするビジネスモデルが立てられないのではないだろうか,と予想できる(今回のNewsの本当の理由は分からないが,少なからず影響はしていると思われる)。 一方,韓国産タイトルに多く見られるライト系MMORPGでも,現状は似たようなシステムが多くなってしまっているが,これを打開するタイトルがリリースされ始めれば,もしくは画期的な課金プラン(携帯電話課金に代表される)が構築されれば,いよいよ本格的な淘汰が始まるのかもしれない。
表面的には,現在のゲームジャンルの一角となりえたMMORPGだが,まだ地盤が固まっていると呼べるレベルにまでは達していないと思われる。今年のネガティブなニュースの連続によって,膨大な費用が必要となるMMORPGタイトルの開発には非常に大きなリスクが伴い,またユーザー数によって運営クォリティも左右されてしまうというジレンマだけが残ってしまわないことを願いたい。また,これらのことが,市場自体が変わり始めている前兆なのか,それとも規模縮小へと向かっているだけなのかという部分にも,今後しばらくは気に留めておく必要があるかもしれない。(Seal)
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