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世界大会を意識した英語クライアントと新マップを使用。「ラグナロクオンライン」RWC日本代表決定戦は現在進行中!
8月19日から30日にかけて,MMORPG「ラグナロクオンライン」(以下,RO)の世界大会である「Ragnarok Online World Championship 2009」(以下,RWC2009)の日本代表ギルド決定戦が行われている。この大会は,先だって行われた「Ragnarok Japan Championship 2009」の上位8ギルドに,敗者復活戦を勝ち抜いた2ギルドを加えた計10ギルドが,RWC2009の日本代表の座を懸けて総当たり戦を行うというもの。実際には2ギルドが事情で不参加となったので,以下の8ギルドが出場している。
・Aブロック:「Patissier」(Bijouワールド)
・Cブロック:「☆★☆STAR DUST☆★☆」(Lokiワールド)
・Dブロック:「the Scarlet Luna」(Verdandiワールド)
・Eブロック:「Hermodr」(Surtワールド)
・Fブロック:「Greensleeves」(Irisワールド)
・Gブロック:「Forza Diabolica」(Thorワールド)
・Ex1(敗者復活):「くまー将軍」(Bijouワールド)
・Ex2(敗者復活):「Dekopin」(Urdrワールド)
「RJC/RWC2009」記事一覧
4Gamerでは,8月24日にガンホー・オンライン・エンターテイメント本社にお邪魔して,当日行われた試合を取材し,また第一マーケティング部第一企画課の中村聡伸氏に今回の大会の傾向などを聞いた。
まず最初に指摘しておきたいのが,この大会で使われているのは英語クライアントである点だ。これはRWC2009本番でも使用されるクライアントで,来たる世界大会に向けたガンホーの取り組みといっていいだろう。そのため,アイテム名やスキル名が英語で表示されるのはもちろんだが,試合準備の指示などもすべて英語。操作自体はどのクライアントでも共通なため,必ずしも英語が読める必要はないが,試合開始の合図など重要な指示だけはきちんと把握していないと不利になりかねない。
2バイト文字が表示できないクライアントなので,チャットはローマ字を使うことが多くなる |
ローマ字チャットでは,慣れていないと意思の疎通が難しいため,戦術の打ち合わせなどは事前に行っておく必要がある |
また試合用のマップも,RWC2009で使用されるもの。すべて今回,新たに用意されたもので,各ギルドの選手ともこの大会で初めて体験することになった。なおRWC2009本番では,以下に紹介する3種類に,マップTYPE[1]を加えた計4種類のマップが使用される予定となっている。
●マップTYPE[2]
マップTYPE[2]は,中央に少し開けた空間があり,それを取り囲むように段差と柵が配置されている。そのため,遠方の目標地点に到達するためには障害物を迂回しながら進む必要があるのだ。全体的にやや広めのマップなので,どこで戦うかも勝敗を分ける大きな鍵となる。マップ外周の通路が細くなっていたり,あるいは遠隔攻撃を通さない大きめの障害物が随所に設置されていたりするため,できるだけ開けた場所を確保したほうが有利だ。
取材当日,このマップを使って試合を行ったのはHermodrとGreensleeves。試合開始直後,好スタートを切ったGreensleevesは,パラディンがマップ中央にいち早く到達し,相手パーティ全員がスキル効果の範囲内に入るような立ち位置を確保した。対照的にHermodrは一歩踏み込めず,なかなかストームガストの範囲内に相手パーティを収めることができない。その結果,双方ともパーティ構成や使用スキルはほぼ同じだったにも関わらず,GreensleevesがHermodrを終始圧倒し,わずか1分前後で勝負を決めた。
開けた中央部を囲んで段差と柵がめぐらされている。スタートで出遅れると,有利な位置取りは難しい |
先んじたGreensleevesが見事に相手全員を捉えているのに対し,Hermodrは撃ちもらしているのが分かる |
●マップTYPE[3]
マップTYPE[3]は,障害物がほとんどなく見通しがいいため,広い空間を利用して戦える。中央部に水が配置されているので,ハイウィザードは「ウォーターボール」を使うことができる。ただし,今回用意されたマップで水があるのはこのマップだけ。今回はスキルの振り直しができないので,ウォーターボールを選択すべきか否か迷うところだろう。取材当日はこのマップでの試合がなかったのだが,オーソドックスな構成なのでどのギルドも非常に戦いやすいのではないだろうか。
●マップTYPE[4]
マップTYPE[4]は,中央にくぼ地を配し,周囲を高台で囲んでいる。くぼ地に降りるための通路は4か所。遮蔽物は魔法を通すものの,射程距離の関係でくぼ地内に必ず安全地帯ができる構造になっており,高台からくぼ地を狙うような戦術はあまり有効には機能しない。どちらかといえば,くぼ地か高台のいずれかで戦うことが多いようだ。
このマップにおける戦いで,中村氏が懸念しているのは,日本のギルドに特有のPvPに対する姿勢だ。これはオンラインFPSなどでもいわれるのだが,日本人プレイヤーは対戦開始直後は受身になってしまいやすい。すなわち,まず相手の出方をうかがい,一発殴られてから初めて本気を出す傾向にある。ところが実際は,ほとんどのゲームにおいて先手を取った側が有利となることが多く,中村氏はROも例外ではないと指摘する。
取材当日,マップTYPE[4]を使ったthe Scarlet LunaとForza Diabolicaの試合は,残り時間1分を切るまで,両ギルドがくぼ地を挟み対角に位置してにらみ合うという膠着した展開となった。お互いに制限時間いっぱいを使った結果,僅差でForza Diabolicaが勝ったのだが,この戦術のままRWC2009本番に臨んだのでは,海外のギルドにガンガン攻め込まれてしまいかねない。より有利な展開に持ち込むためには,抜本的な戦術の転換を図らなければならないだろう。
たまに近づいてみるものの,また離れるという展開の繰り返し。このマップでの試合は,こうした膠着状態になってしまいがちだ |
試合終了1分前になって,ようやくお互いに接近。中村氏曰く,海外ギルドはガンガン攻めてくるので,“待ち”の戦術は大変危険とのこと |
さて取材の最後に,今回,どのギルドが日本代表になりそうかとズバリ中村氏に聞いてみた。すると,あくまでも個人的な予想に過ぎないと慎重に前置きしたうえで,RJC2009で優勝したGreensleevesと,敗者復活ギルドの一つであるDekopinが有力候補であるとの答えが返ってきた。ともに今回の日本代表ギルド決定戦で全勝しているのだが,とくにDekopinにはRWC2008に出場した選手がメンバーに含まれているとのことで,昨年敗退した原因を踏まえて海外ギルドを意識した積極的な戦術が見られるという。まだまだ日本代表ギルド決定戦は続くが,いずれのギルドも世界に通用する戦術を意識した試合を展開しなければ,この先を勝ち残るのは難しいのではないだろうか。
なお8月26日現在,Greensleevesが4勝,Dekopinが4勝とお互い一歩も引かない展開となっている。現時点では,優勝がもっとも近いと思われる両ギルドだが,どちらのギルドが一歩先に抜け出せるのだろうか。それともこのまま,最終日となる8月30日(18:00)の最終戦,Greensleeves vs. Dekopinの直接対決までもつれ込むのか。もしくは,波乱の展開が!? ROの対人戦ファンにとっては,目が離せない戦いだ!
「ラグナロクオンライン」RWC2009公式サイト
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