インタビュー
「AR performers」が実現する新たな2.5次元エンターテイメント。その魅力と可能性を“チーム・シンジ”の皆さんに聞く
生のパフォーマンスでこそ真価を発揮するAR performersの今後とは
4Gamer:
現実のアーティストとコラボして,同じステージに立つことも有り得ますよね。
内田氏:
そうなんです。僕も最終的にそうなればいいなと考えていて,二次元のキャラクターがAR performersの舞台に上がり,三次元の人達が2.5次元的なキャラクターとして登場できたら面白いなと思っているんです。ゆくゆくは2.5次元芸能界ができればいいなと(笑)。
もし,そうしたご要望のあるアーティストさんがいらっしゃいましたら,塚本に一言かけていただければ,二つ返事で制作いたしますので(笑)。
VCastさん:
いやいや,一言で済むレベルじゃないですって(笑)。
内田氏:
でも最近,音楽業界や芸能界の方からもお問い合せいただくようになったんですよ。凄く面白い話もあれば,何だか怪しげな話もあったり。
4Gamer:
キワモノとして扱おうとしているんですか?
内田氏:
「タレントを呼ばないで安く済ませることはできますか」みたいな内容で,むしろ高いよと(笑)。
「デジタル芸能界作ろうよ!」と言ってくださる方ならウェルカムなんですけどね。
4Gamer:
なるほど……。なお,これからどのように知名度を上げていくかが,AR performersの課題になると思います。メディア露出などの施策は固まっていますか?
内田氏:
それが……まだないんですよね。人のせいにするわけじゃないのですが,ユークスはパブリッシャーじゃないんです!(笑)
「当然こうするでしょ!」ということが成されていなくて,それを一つ一つ頑張っているところです。
4Gamer:
外部から見ていると,非常にもったいないと思うんです。すでにインパクトのあるコンテンツで,せっかくのパイオニアなのに広めきれていないのは危うい状況だと思います。
正直,いつかマネされる恐れがありますからね……。
内田氏:
僕もそう思っていますし,いろいろとやりたいこともあります。ですが,会社がそこでいきなりTVCMを作っていて「ちょっと待ってくれ!」とツッコミを入れました(笑)。全然知らないアーティストのTVCMを見て誰が来るんですか,と。
それ以前に「そのお金と努力で,できることがいろいろとあるんじゃないですか?」という話をしている最中です。なので……助けてください,皆さん(笑)。
4Gamer:
まずはアニメやゲーム系のイベントに出展してライブをするのが効果的かもしれませんね。
VCastさん:
じゃあ,乙女ゲーの各イベントの前座をやるとか! 各企業さんの許可が得られればですけど……。
4Gamer:
元々の出演者を食ってしまうかもしれませんね。インパクトがあるから,打診してみてもいいかもしれませんけど。
でも,ショッピングモールなんかでできたらきっと面白いですよ。
内田氏:
やりたいですね! 僕は,トラックにセットを積んで全国ツアーをやりたいんですね。
VCastさん:
やりましょう! スタッフさんも全員行くから楽しそう!
内田氏:
実際に見ていただくのが一番良いと思うので。
4Gamer:
某テーマパークでお客さんと話す亀の映像がアトラクションであるじゃないですか。あれはかなりの人気が出ていますし,AR performersが露出すれば,きっと亀より人気が出ますよ! なので,そういった施策を楽しみにしています。
内田氏:
やはり難しいのは,一度,再生映像に落としてしまうと,コンテンツの凄さが表現できないことですね。舞台のプロモーションも同じだと思います。TVの放送を見て興味を持っていただく方もいると思いますが,生の舞台とTVの画面で見るものは全然違うじゃないですか。そこですよね。
4Gamer:
なるほど。ただ,これだけ大掛かりになると,スケジュール調整も大変ですよね。下手すると現実のアーティストよりも難しいと思います。
内田氏:
それがもう大変なんです。
VCastさん:
現実のアーティストさんなら,その人が一人いればいいけど,AR performersは一人を動かすのに何十人が必要になりますからね。
4Gamer:
楽団を動かすことと同じですから,そこを考えると相当ですよね。先ほど体験を提供するとおっしゃっていましたが,一度に体験できる人数が限られていますし,それを何回繰り返せばすべての人に体験していただけるかがネックになりますよね。
内田氏:
すると規模も回数も広げていかないといけません。β LIVEで見ていただいた方の熱はすごいので,とにかく見ていただくことを目標に,公演回数を増やしくことが一つですね。その凄さをどのように伝えていくのかは,今一生懸命に考えております(笑)。
4Gamer:
そのためにキャラクターから浸透させていくことも,十分アリだと思います。で,面白いキャラクターで興味を持ってもらい,ライブに来てもらって,パフォーマンスで圧巻するのも手ですよね。
あ,……まずは映画から作ってみるのはいかがですか?
VCastさん:
コストが相当かかりそうですね!(笑)
4Gamer:
「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」のようなドキュメンタリー映画を作ったり。
内田氏:
いいですねぇ。本当に舞台裏を見ていると,記録映像を作れるくらい感動的なシーンばかりなんですよ。
4Gamer:
そういうドキュメンタリーも見てみたいです。
内田氏:
いいですね! ドキュメンタリー番組で,AR performersを広めていただければ嬉しいですね。
4Gamer:
ちなみに,VCastさんの方から役者仲間に広めたり……は難しいですよね。
VCastさん:
キャストを伏せているので,すごく魅力的なコンテンツだと自分の口からは言えなくて……。また認知度的な意味でも,いろいろなエンターテイメントを選べる時代だからこそ,何かを伝えることは難しいと思います。
ただ,先ほどおっしゃっていただいたように,名前より中身を見ていただいて,口コミで広がっていったら嬉しいと思います。プロモーションで僕にできることが何かないか考えたときに,現状が黒子なので……。
4Gamer:
顔の出ないラジオはどうでしょうかね。顔の出ないシンジとして「アニゲラ!ディドゥーーン!!!」にゲストとして来ていただくのは……(笑)。
内田氏:
良いじゃないですか! やりましょう! それならベースになるセリフを梶田さんの分も書いて,イジっていただければと(笑)。
内田氏が語る未来に向けたAR performersの展望
4Gamer:
それにしてもAR performersは,未来に向けてさまざまなことを実現できるコンテンツだと思います。
内田氏:
要はリアルのタレントをトレースしたいわけではなくて,生の体験を提供したいんです。だからこそ僕らのオリジナルのキャラクターがいて,架空の存在だからこそできることを突き詰めていくべきだと思っています。
生のタレントの生のコンサートではできないことが可能になるわけで,そこを突き詰めていきたいんです。
VCastさん:
内田さんがβ LIVEのときにおっしゃっていたんですけど,急に姿を現したりする演出はしないんですよね。あくまで袖から出てきてパフォーマンスをして,袖にはけていくと。
内田氏:
そうです。ただ,アーティストのPVに出てくるファンタジー世界を,生で実現できる面白さを秘めていると思うんですよね。
4Gamer:
前回のインタビューで話に出てきたアプリの話はいかがでしょう?
内田氏:
「『ふれフレ』〜AR performers ライブアプリ 〜」ですね。こちらはバトルソングという曲があって,一対一で歌合戦のようなものをやるんです。どちらを応援するかを決めて音ゲーのように遊んでいただくことが,ライブ会場の皆さんでできるようになります。
4Gamer:
サイリウムを振るカロリー消費に意味ができるわけですからね(笑)。
内田氏:
あれは客席側に応援をしていただいて,その一期一会の経験価値を高めると言いますか。参加していただいた事実を,ステージ上に反映したいんですよ。ちゃんとステージ上の演出として爪痕を残していただきたいですし,そのためのツールなので。ぜひ皆さんに遊んでいただければと思います。
名前やコメントを打ち込んでいただいて,映像化するようなことがあったら,お友達に自慢していただければ嬉しいです(笑)。
4Gamer:
ほかにもライブ会場で体験をできるまでの,つなぎになるようなアプリにしたいというお話もありましたが。
内田氏:
そこは……どうなんでしょう? 手が足りない?
そうですね(笑)。
4Gamer:
ライブの公演に絶対数が存在する以上,ゲーム的な部分は必要になってくると思います。普段から触れて愛着を持っていただくためには。
VCastさん:
そのあたりのイメージはすでに固まっているんですか?
内田氏:
……全然ないです(笑)。この記事をご覧になっているどなたか,作ってくださいませんかね? 「実は作っておきました!」みたいな(笑)。
VCastさん:
そこはユークスさんじゃないですか!?
内田氏:
だって人がいないんですよ(笑)。
4Gamer:
ちなみに現状,海外展開は視野には入れているのでしょうか?
内田氏:
いろいろと打診しているんですけど,これもまた手が足りていなくて……(笑)。
4Gamer:
なるほど……。
VCastさん:
あれ,僕は英語ができない……(笑)。キャスト変わる!?
内田氏:
その時は……それもアリかなと(笑)。
VCastさん:
嘘ぉ!?
内田氏:
じゃあ吹替版の回と字幕版の回を設けて,字幕版の方をお願いします(笑)。
VCastさん:
それなら通訳のAR performersを作りましょう!
4Gamer:
なんで通訳にコストをかけるんですか……(笑)。
現段階では3ユニット,4人のアイドルが存在していますが,キャストやスタッフの関係から,しばらくはこの3ユニットを軸に展開してくのでしょうか?
内田氏:
そのように考えています。もっと今の4人を掘り下げたいですし。楽曲数も増やしたいですし,ほかにも実現したいことはありますし。
VCastさん:
でも短いスパンでレオンが追加になりましたよね。
内田氏:
もともと4人にしようと思っていました。……と言いますか,レオンは単にβ LIVEに間に合わなかっただけなんです(笑)。
4Gamer:
では,まずメインコンテンツとなる4人を育てて柱を作っていくわけですね。
VCastさん:
将来的にはこのキャラクター達が,ほかのゲームにキャストとして出演できれば面白いですよね。
4Gamer:
複雑なことになりますね。キャラクターのキャストをシンジが務めて,そのシンジをVCastさんが演じると(笑)。
それでは最後に,内田さんから読者に向けてのメッセージをお願いします。
1月14日,15日にディファ有明で1st A’LIVEを行いますので,ぜひ遊びに来てくださると嬉しいです。また,今後は定期公演化を考えていて,1〜2週間に1回のペースで,AR performersに触れていただく機会を検討しています。できれば春くらいに上演できればいいですね。
どんなに面白いことになっているのか,どんな未来がすでに始まっているのかをその目で見ていただきたいと思います。一度ご覧いただければ,次もまた必ず見たくなるコンテンツだという自信がありますので,ぜひ遊びに来てください。
4Gamer:
ありがとうございました。
「AR performers」公式サイト
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