企画記事
帰省のお供にマンガはいかが? これまでに数千冊読んだ筆者がおススメするゲームっぽい世界が舞台のマンガ5選
長距離移動中はもちろんのこと,実家に帰ってもゲーム機はないし,手持ち無沙汰になるかも? そんなアナタにおススメなのがマンガである。
筆者はなぜか海外に取材に行くことが多く,よく10時間以上飛行機に乗る。ネット回線も使えないので,そんなときにマンガをよく読んでいる。あれやこれやと読んでいき,気づけば読んだマンガの数は数千冊に達していたわけだ。
とはいっても総合ゲーム情報サイトである4Gamerで,ただおススメのマンガを紹介しても芸がない。そこで今回はゲームっぽい世界が舞台のマンガを紹介していきたい。
なお,どこがどうゲームっぽいかは筆者の独断と偏見である。また,アニメ化された作品はおススメするまでもなく面白いので今回は除外している。
インテリジェンスな立場からダンジョンにアプローチ
Dジェネシス ダンジョンが出来て3年
角川コミックス・エース,平 未夜 (著), 之 貫紀 (原作), ttl (キャラクター原案)ゴブリンなどのファンタジー生物が現代社会に登場したことで,世界は混乱に陥った……のかと思いきや,全然そんなことはなく,むしろダンジョンで手に入るさまざまなアイテムに世界は注目した。
ダンジョンにまつわる個人情報が記載されているDカード,致命傷すら癒せるポーション,魔法も使えるようになるスキルオーブ,そのほかダンジョンで産出されるさまざまな資源。今までの常識を覆すような代物が登場したのだ。
主人公はとある企業で研究職をしていた芳村圭吾。サラリーマンとして働いており,部下の手柄を自分のものに,失敗は部下に押し付けるという,上司の行動に苛立ちを覚えていた。そんなとき偶然の出来事からDカードでのランキング1位の座と,スキルオーブ「メイキング」を手に入れたことで,人生が大きく変わっていく。
「メイキング」の能力は自身のステータスの閲覧,ステータスの割り振り,そして一定の討伐数に達するとスキルオーブが得られるというもの。
通常ステータスは閲覧できず,ダンジョンに潜っていれば,身体能力が向上することは分かっているが,それがどのようにして上がっているかは不明だった。ステータスを閲覧できることで,その原理を解明できるというわけだ。
芳村は同僚の三好と共に会社を辞め,ダンジョンで検証と分析,そして希少なスキルオーブを手に入れて販売する事業を始める――という物語だ。
研究職らしいダンジョンへのアプローチ方法が楽しい。「その能力があれば,たしかにそういう使い方するよね」と,実際に現実世界にダンジョンができたらどうするかを描いており,「なるほど」と納得しながら読んでいける。
ファンタジーと現代社会の融合した作品は数あれど,その描き方が秀逸な作品だ。
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EVE ONLINEのようなSF世界が舞台
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい
MFC,松井 俊壱 (著), リュート (原作), 鍋島 テツヒロ (キャラクター原案)異世界転移モノのSFバージョンといった感じで,ゲームをやり込んでいた主人公は傭兵のキャプテン・ヒロとして活躍していく。
ステラオンラインは貿易,冒険,傭兵業,宙賊行為などもできる自由度の高いゲームで,おそらくEVE ONLINEがモデルとなっている。
圧倒的な性能を誇るクリシュナと,ゲームで鍛えた腕で傭兵として宙賊を狩りまくり,生計を立てていく様子が面白い。スペースオペラ的なマンガはあまり多くないので,貴重な作品だ。
「EVE ONLINEの世界にプレイヤーが入り込んだら,こんな風になるのかもしれない」と思って読み進められる。
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鬼のような難度の世界で活躍する主人公
ヘルモード 〜やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する〜 はじまりの召喚士
アース・スターコミックス,鉄田猿児 (著), ハム男 (原作), 藻 (原作)かなりのハードコアゲーマーだったので,ゲームモードはレベル上げにノーマルの100倍の経験値が必要になるヘル,才能も最も難しくレア度が高い召喚士を選択する。その結果,農奴からスタートするという鬼畜設定の人生となってしまった。
主人公は赤子からやり直すことになり,アレンという名前を得て,幼いころから召喚士としての実力を鍛えていく。ハードコアゲーマーとしての実力と,攻略のノウハウで活躍していくのだ。
召喚獣を召喚して共に戦う召喚士だが,その使い方も面白く,新しい召喚獣が出るたびに戦い方も変化していく。世界でのコツを掴んで加速度的に強くなっていく姿が読んでいて気持ちいい。
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影が薄い主人公が有名になることに憧れて冒険する
冒険家になろう!〜スキルボードでダンジョン攻略〜
モンスターコミックス,栗山廉士 (著), 萩鵜アキ (原作), TEDDY (キャラクター原案)突如出現したダンジョンに混迷を極めた世界だったが,冒険家という新たな職業が生まれ,人々は命をかけてダンジョンを探索するようになった。その一方,冒険家がカジュアル化しており,「就活に有利だから」という理由でダンジョン探索をする人も出てきている。ハードな設定とカジュアルな雰囲気がマッチしている不思議な世界だ。
主人公は初心者冒険家の1人である空星晴輝(からほしはるき)。目の前にいてもスルーされてしまうほどの存在感のなさに悩んでいた。冒険家として活躍し,冒険投稿サイト「冒険家になろう」で圧倒的な存在感を手に入れようというわけだ。
ある日,空星が冒険から帰ってくると,自宅にダンジョンが出現していた。そこでステータスを閲覧でき,スキルを自由に取得できる魔道具「スキルボード」を手に入れたことにより,冒険家としての人生が一変していく。
Dジェネシスと設定が似ている部分があるが,こちらはバトルモノといった雰囲気で,バトルジャンキー気味な主人公が成長していく様子が面白い。
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引退した老騎士による自由気ままな旅
辺境の老騎士 バルド・ローエン
ヤングマガジンコミックス,支援BIS (原作), 菊石森生 (著)本作の舞台となるのは大障壁(ジャン・デッサ・ロー)に囲まれた世界。壁の外には魔獣(キージエル)が跋扈していた。
主人公のバルド・ローエンは大障壁の切れ目が存在し,魔獣の侵入を阻む役目を持つ,パクラ領テレシア家の騎士だったが,とある出来事と年齢を理由に,騎士を引退し,放浪の旅に出るというお話だ。
「人民の騎士」(ガルデガーシ・グエラ)と呼ばれた老練の騎士バルド・ローエンが,各地を旅し,数奇な運命に身を任せながら,その土地のグルメに舌鼓を打つ。グルメマンガ的な要素と,壮大な物語が融合した秀逸なファンタジー作品だ。
バルド・ローエンは重ねてきた年月から,確固たる意志を持ちながらも,柔軟な思考を持っており,ゆく先々で尊敬を集める。一方で,食べ物のためなら苦労を惜しまない食いしん坊なところもあり,「自分も歳を取ったら,こうありたい」と思えるようなカッコいいおじいちゃんだ。
さまざまな食事シーンや,バルド・ローエンの心理描写などにどんどん惹き込まれる。マンガとして描かれた騎士物語として,これ以上の作品を筆者は知らない。この作品を読んだ後は,騎士を題材にしたゲームをプレイしたくなる。そんな作品だ。
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