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インディーゲーム展示会「東京ゲームダンジョン6」レポート【前編】。僕たちはこんなイベントの誕生を待っていたのかもしれない
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印刷2024/11/01 14:33

イベント

インディーゲーム展示会「東京ゲームダンジョン6」レポート【前編】。僕たちはこんなイベントの誕生を待っていたのかもしれない

 個人開発や小規模開発のゲームの展示会「東京ゲームダンジョン6」が,2024年10月27日に東京・都立産業貿易センター浜松町館で開催された。

 もはやおなじみというか,インディゲーム開発者やファンの熱い視線を集めるまでに成長した本イベント。その詳しい成り立ちなどは過去記事を読んでいただくとして,今回もかなりの盛況ぶりだった。

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 インディーゲーム展示会「東京ゲームダンジョン4」が,2024年1月20日と21日の2日間,都立産業貿易センター浜松町館にて開催された。前回の約200を超える250もの団体・個人が出展していた本イベントから,気になったタイトルをいくつか紹介しよう。

[2024/01/24 08:00]
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 インディーゲームの展示会「東京ゲームダンジョン5」が,2024年5月4日に都立産業貿易センター浜松町館で開催された。大型連休中に行われたこともあり,いつも以上に賑わっていた本イベントから,特に目を引いた作品を紹介しよう。

[2024/05/09 12:00]

 ただついにこの時が来てしまったというか,通路やブースの混雑ぶりも過去最高レベルで,移動や写真撮影に気を使う場面も増えてきた。

 初回から取材してきた筆者としてはイベントの人気ぶりが素直にうれしくもあるのだが,初期のように数多くのゲームを気軽にプレイすることが大変になってきたことも確か。しかし今回も初心からブレることなく,会場で出会えたゲームを前後編に分けて紹介していこうと思う。

画像集 No.003のサムネイル画像 / インディーゲーム展示会「東京ゲームダンジョン6」レポート【前編】。僕たちはこんなイベントの誕生を待っていたのかもしれない
ゲームダンジョン外伝の記事で紹介した,オスガキ悪魔でびるんにわからせるゲーム「でびるコネクショん」ブースは大盛況。小さなお子さんも遊んでいたが,変に勘ぐりさえしなければ純粋にかわいいゲームでもあるので大丈夫だろう

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 インディーゲームイベント「東京ゲームダンジョン外伝」が,2024年7月14日に東京・四谷のNote placeにて開催された。アドベンチャー&ノベルゲーム,そして学生作品オンリーのイベントということで,いつもとは少異なる雰囲気だった本イベントの様子を紹介する。

[2024/07/22 17:37]



画像集 No.004のサムネイル画像 / インディーゲーム展示会「東京ゲームダンジョン6」レポート【前編】。僕たちはこんなイベントの誕生を待っていたのかもしれない
「ジョイメカファイト」リスペクトと思われる,劇団カレーライスの8bit格闘ゲーム「ウチュメガファイト」。アップライト筐体風とファミコン風?コントローラを使った展示がステキだった

「東京ゲームダンジョン」公式サイト



ナワルトナル

出展者:ツブラバース

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 “お前のために死んでやる♥”
 世界を滅びから救う生贄となるために戦うアクションシューティング「ナワルトナル」。そのきらびやかなビジュアルと分かりやすい楽しさから,「咲き乱れるメキシコの花嵐」的なフレーズが浮かんだタイトルだ。

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 ゲームタイトルは,アステカ文明の言葉で変身能力を持つシャーマンを意味する「ナワル」と,魂や太陽を意味する「トナル」の組み合わせ。アステカでは,太陽に「生贄の心臓」を捧げることで太陽の滅びを先延ばしにできると信じられていた話をどこかで見聞きしたことがないだろうか。……ない? それならこの話はあまり気にしなくてもOKだ!

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敵を倒すと出現するアイテムが生贄を思わせる「血のしずく」,障害物がサボテンモチーフなど,中南米っぽさがイイ

 ともかく,主人公マジェはケツァール(鳥),コヨーテ,ウーパールーパーなどに変身できる完全無欠で不死身の人身御供アイドル(ただし性格はナルシストでビビり)。いろいろな姿に変身しつつ弾幕をかいくぐったり,剣で弾を打ち返したりしつつ,敵を倒していく明快な遊びの感覚が心地いい。

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 もちろん“キャラクターたちを愛でる”ゲームとしての強いこだわりも感じられ,開発の進展や今後の動向が楽しみになった作品だ。ちなみに,出展していたツブラバース(@Tsuburaverse)のおふたりはプロのゲーム開発者だそうで,高いクオリティにも納得といったところ。

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じつはメインビジュアルにも描かれているという黒いヤツ。どこにいるか探してみよう


Re:Connect

出展者:Clover Seed

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 かわいいロボット(実はデバッグ用のAI)がコードをつないで謎を解く。「Re:Connect」は,ちょっとエモいストーリーも楽しめるパズル&アクション&アドベンチャーだ。

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 さまざまな働きのプログラムをコードでつないで組み合わることで,作品世界に思うがままに影響を及ぼせるのが本作のポイント。例えば特定のブロックだけを消してしまったり,オブジェクトを意図通り動かせるよう修正したりと,プログラムやデバッグの持つ楽しさを取り入れている。

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 また,そうした遊びをストーリーの中に組み込む方法も優れており,遊び方のチュートリアルがいかにもなものではなく,お話を盛り上げていく布石にもなっていた。鬼の形相で襲ってくるロボメイドさんも,じつはどこか悲しく,そして懐かしくも感じられる存在だったりする……。

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フライパンで押しつぶしてきた!

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ホウキで履いてくることも。これらのアクションでコードを切られたり,画面内のオブジェクトの位置をズラされたりと大変なことに

 ボス戦の先には「AIのココロに触れる」シーンもあり,そこでの選択もまたドキドキさせるものがある。ココロの在り方をデバッグするどころか,電源を落とすことまでできてしまう……! そしてBGMは今っぽいトレンドも取り入れたネオテクノポップ&ジャズといった感じで,会場でも幅広い年齢層の興味を引いていた。

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 作者のまーぴょん氏(@mapyonGaming)によれば,完成まではまだ半年以上はかかりそうとのこと。妥協なくじっくりと仕上げてほしいと感じた作品だ。




【掲示板】ワイ魔法少女なんやが?【管理できん】

出展者:ねむねむおかき

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 続いてプログラム的な要素を持つ作品をもう一本。インターネット黎明期のWebサイトのような「【掲示板】ワイ魔法少女なんやが?【管理できん】」は,かつて魔法少女だった限界OLくるみが,再びチヤホヤされるためにファンを拘留……じゃなくてファンと交流するための掲示板を自動プログラムで管理するテーマの作品だ。

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 制作するのはプログラム担当のモトキ氏(@hypermotoki),イラスト&デザインのうに氏(@sutenai__uni),サウンド&作曲担当の朱音あおも氏(@akane_create_)の3人によるチーム「ねむねむおかき」(@nmnm_okk)。

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 掲示板を荒らそうとするさまざまな敵(スクリプト? それとも人力の荒らし?)に,固定画面シューティングゲームっぽく対処していくのだが,いかに元魔法少女といえども,くるみひとりでは手が足りない。プログラムで自律行動する「使い魔」を作りだし,その力を借りて守り切ることを目指す。

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 フルマウスオペレーション可能なUIでスクリプトを組み合わせ,弾を撃つ方向や頻度が異なる使い魔を生み出せ,そのデキによってバトルが有利にも不利にもなるわけだ。

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 また合間には日常パートもあり,そこでは副業で資金を稼いだり,体力を回復したり,スキルを磨いたりといったマネジメント要素も楽しめる。さらにはPVでは主題歌を聴くこともでき,「アタシを好きなアタシにキュンキュンさせたげる」「オワコンなんて言わせない」といったセンスの歌詞も楽しい。Steamでの販売を予定しており,ページを現在準備中とのこと。

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至れり尽くせリ

出展者:石乃浦骨董店

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 20年ほど前の上野界隈を舞台にしたフィルムノワールな雰囲気ものと思いきや,意外すぎるストーリーが展開し,なかなか興味深かった作品だ。また,システムも「一次元ローグライトRPG」を標榜しており,なかなか独特なプレイ感がある。これまで何度かイベントで見かけて気になっていたのだが,そろそろリリースが近いということで紹介させていただこう。

ブースではスピーカー代わりに古いラジカセが使われており,がびがびした音質がどこか優しく,昭和の雰囲気を醸し出す(20年前は平成なのはともかく)
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 一次元ローグライトRPGとはどういうものかといえば,移動方法が「進む」「戻る」の2つしかないRPG。先に進めば次のイベントに近づいていけるし,戻れば弱い敵と戦って経験値を稼いだりできる。移動のたびに起こるミニイベントはランダムなので,遊ぶたびに異なる展開を楽しめる次第だ。

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 また,出て来るアイテムや街の姿も20年前の流行などを感じさせるもので,その時代を知っている人にとっては昨日のように懐かしく,知らない人にとっては日本によく似た異世界のようにも感じられるだろう。

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 出勤しなくなったキャバ嬢の安否確認をきっかけに,どんどん妙な事態に巻きこまれていく展開が面白く,これがイベント取材でなければ延々と遊んでいたであろう。Switch,PC,iOS,Androidなど,さまざまなプラットフォームでリリースされるので,興味を持った人はぜひ触ってみてほしい。

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「至れり尽くせリ」公式サイト





Dress the Duel / ドレス・ザ・デュエル

出展者:UgokuWare

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 ローグライトとデッキ構築,そして着せ替え。そんなちょっと変わったコンセプトを十二分に表現したメインビジュアルが来場者の目を引いていた作品,それが「Dress the Duel」だ。

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 ぶっちゃけてしまえば,「Slay the Spire」にとても近い遊びの,バトルとデッキ構築を繰り返していくタイプのローグライトなのだが,使うカード(装備)に合わせてキャラクターの見た目しっかり変わることで,妙なムードが生まれていた。
 完全に脱いでしまっているより,一部だけ着ているほうがちょっと目のやり場に困るというか,そういう感じのことである。

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 装備の着こなしによっては強烈なシナジーもあるそうだが,装備には耐久力の概念があり,敵の攻撃により簡単に壊れてしまう。そのため思い通りの装備がなかなか整わないのがもどかしく,同時におかしみを感じるポイントでもあった。

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 作者のUgokuWare氏(@UgokuWare)としては,自分の癖(へき)に素直になってキャラクターをデザインしたらしい。だが,ゲームダンジョンの会場では意外にも女性プレイヤーの受けが良かったとのことで,作品の雰囲気をもう少しカワイイ寄りにしようかと思案しているそうだ。
 プレイヤーの幅を広げる意味でも,筆者もその考えに賛成したい(笑)。少なくともキャラクターは1種類だけでなく,異なるプレイ感になるキャラを複数用意したいとのこと。

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Last Standing

出展者:Nao Games

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 何人もの人が一心不乱にキーボードを手の平で叩いていて,それでも乱暴な印象は受けない,ちょっと不思議な空気が生まれていたブース。そこに展示されていたのは「Last Standing」というゲームだ。

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 主人公は画面中心に固定されている。そして左右から現れる敵を撃退することになるのだが,右側に攻撃するときはキーボードの[U][J][M]から右側のキーを押し,左に攻撃するときは[R][F][V]より左のキーを押すという操作になっている。このとき多くのキーを同時押しすると強力な技が発生する。攻撃を行うためのスタミナは,スペースキーの連打で溜められ,3つまでストックできる。

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 こうした操作系であるため,ブースにいたプレイヤーたちはスペースキーを音も立てずに高速連打,手のひらでキーボードをそっと叩くという状態になっていたのだが,決して大きな音が響くわけでもなく,そのマナーの良さに感動すら覚えるレベルだった。

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 話が逸れたが,グラフィックスもとても凝ったもので,主人公の戦士の動きは某ペルシャの王子感のあるヌルっとしたモーション。だがよくよく見るとローマの戦士だった……。作者のNao氏(@nao_peca)に聞いてみたところ,そのほかにクレオパトラ的な女性戦士など,6つのステージごとに異なるバトルキャラを用意するという。どんなキャラクターが使えるようになるのか楽しみだ。

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CONERU -DIMENSION GIRL-

出展者:HYPERSPACE

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 まずは下の画像を見ていただきたい。人形のシルエットの中に別の次元にいる少女が垣間見えるような,少し不思議な表現になっているのが分かるだろうか。Tシャツの柄などとは違い「表面に描かれているわけではない」のがポイント。

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2022年のゲームショウのタイミングで発表されたわかりやすいイラスト


 この次元少女「亜空間こねる」と,戦闘用アンドロイド「ソクラテス」のコンビが,謎の組織に汚染されたシンジュクシティを救うべく戦うアクションゲームが「CONERU -DIMENSION GIRL-」だ。

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 ゲーム内容は横視点でエフェクトもりもりの探索アクション(メトロイドヴァニア系)に,ローグライト的な仕組みを取り入れたもの。武器やパラメータの成長はランダムで引いたカードの中から選ぶ仕組みになっており,遊ぶごとにハンマー,ナックル,フライパンなど,まったく別の武器とアクションで戦うことになる。

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 ちなみに筆者がプレイした際は,武器よりも二段ジャンプ時の衝撃波のほうがはるかに強力で,試遊を待つ間に後ろで見ていた印象とはまったく異なる,敵を踏み潰すゲームになってしまった(遊び方,合ってます?)
 また,ドーナツを食べることで強化状態「RUNRUN MODE」が発生,それを途切れさせないのがコツらしいが「ドーナツ? どこにあるの?」という状態のまま短い試遊時間は終了となった。

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 しかし会場ではそれなりに手慣れた様子で遊んでいる人もちらほら。じつは本作,Steamで体験版をダウンロードできる。会場で体験できたのはスコアアタックモードだったらしく,あらかじめ練習してきた人がスーパープレイを披露していたというわけだ。
 すでに熱心なファンがいるほどの奥深いアクションゲームのようなので,筆者もこの記事を仕上げてから練習してみようかと思う。ゲーム本編はSteamとNintendo Switchで近くリリースされる予定とのこと。

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マップを記憶しているらしきプレイヤーはワープを使いこなしてスコアを稼いでいた



 以上,前編はキャッチーな魅力があるものや,全体的な完成度の高さに目が止まったタイトルを集めてみた。後編では小規模開発ならではの先鋭的なアイデアのある作品や,作者の強い思いが伝わってきたものなどを紹介しようと思う。

「東京ゲームダンジョン」公式サイト

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