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まさにセンスがワンダー! 万華鏡的多面体を舞台にコインを集める協力ゲーム「Hyper Wobbler」は,端から見ると謎の儀式?[TGS2024]
ドイツを拠点とするWobbly Labsが開発したそのゲームの名は「Hyper Wobbler」。インディーゲーム開発者によるコンテスト「センス・オブ・ワンダー ナイト 2024」で,Audience Award Semi-Grand Prix,Best Technological Game Award,Best Arts Award,Best Experimental Game Awardの4賞を受賞した作品だ。
東京ゲームショウ2016で同社が出展した「Line Wobbler」を見たことがあるなら,その続編である……と言いたいところだが,実はだいぶ違う。Line Wobblerは一次元的なゲームだったが,Hyper Wobblerはn次元的な体験なのだ。
[TGS 2016]“1次元ゲーム”だからこそ表現できた楽しさ。「ラインウォブラー」プレイレポート
東京ゲームショウ2016のインディーゲームコーナーに出展されていた「ラインウォブラー」のプレイレポートをお届けしよう。本作は一種の電子玩具で,簡単な設計ながら,ゲームの根底的な楽しさを感じられるものとなっている。
Hyper Wobblerの舞台は,多面体を構成する線の上だ。プレイヤーは,ジョイスティックで自機を動かし,オレンジ色の溶岩をかわしながら,赤色の敵から逃げる,あるいは撃破しつつ,ステージクリアを目指す。3ステージ制になっており,1〜2ステージめは黄色のコインをすべて集めること,3ステージめはボスの撃破が目標になる。
コインは止まっているのではなく,逃げることもあれば,激しく動き回ることもあった。
舞台である多面体の線上では,すべてがLEDストリップの発光で表現されている。移動できるルートは決まっているため,少し先を見ながらどうするかを決めていき,ときには他のプレイヤーに「こっちは溶岩で進めないけど,そっちは行ける」などとコミュニケーションをしながら打開していく。なお,3人プレイ推奨だが,2人プレイでもOKだそうだ。
写真で見ると,ごちゃごちゃしてそうな印象を受けるが,プレイヤー目線ではシンプルだ。しかし,コインを探すときは,体を乗り出して探す必要があり,乗り出すと万華鏡のような世界が飛び込んできて目を奪われてしまう。視線を少し動かすだけで世界が大きく変わるのだ。サイエンスっぽさも,検出器ぽさもあるキレイな空間を眺めたくもなる不思議な感覚を覚えた。
一応,万華鏡のような世界を軸に進めることもできるが,難度が爆上がりする。「よく分からん世界にいるんじゃないの」といった具合である。
冒頭で触れたように,観客の視点では,ミラーボールっぽい物体でなにか作っているのかといった様子で,反射によって複雑な構造に見えてしまうため,プレイヤーの体験とはまったく異なる。プレイヤーがやっていることはシンプルなのだが,観客には何が起きているのか分からないのだ。そして,実際に自分がプレイしてみると,強烈なギャップを感じるだろう。
東京ゲームショウ以外で,国内でプレイできるチャンスがあるのか不明だがHyper Wobblerを見かけたら,躊躇せず,その独特の世界に飛び込むべきだ。もう1回やりたいなぁ……。
Wobbly LabsのHyper Wobbler公式Webページ
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