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関口メンディー氏やバーチャルヒューマンを生み出す守屋氏が登壇したセッション「エンターテインメントと次世代のテクノロジーの可能性について」レポート[WebX]
登壇者
アーティスト 関口メンディー氏
Aww CEO 守屋貴行氏
N.Avenue 代表取締役社長 神本侑季氏
MC:Iolite編集長 八木紀彰氏
セッションではまず,登壇者の専門分野における概況が語られた。
Web3業界で金融雑誌CoinDesk JAPANを運営する神本氏は,NFTの観点から現状を説明した。
NFT分野では,アメリカは規制の影響で扱いづらくなりつつあり,コミュニティの熱量も少し冷めてきた結果,価格が下がっている状況だという。その一方で,ディズニーが「Disney Pinnacle」をローンチするなど,NFTを使ったデジタルコレクティブサービスという形で,暗号資産とは少し距離を置きながらもNFT自体は活用されているようだ。
守屋氏のAwwは,バーチャルヒューマンを世に送り出す会社だ。バーチャルヒューマンとは3DCG技術,音声認識,大規模言語モデル,音声合成などを組み合わせて作られた,フォトリアルなデジタルキャラクターを指す。アジア初のバーチャルヒューマンとして,同社のimmaが知られているが,要はAIテクノロジーを用いたエンターテイメントだ。
守屋氏は,Web3には本格的に参入していないが,AIと合わせることでエンタメが大きく変わる可能性を感じており,注視しているという。
コンテンツを作るうえで「人を感動させること」を優先し,その結果,使われている技術がWeb3だった,という流れが望ましいが,Web3の仕組みを優先したうえでコンテンツが作られていると指摘する。それを乗り越えられたら,新たな変化が生まれるのではないかと語った。
関口メンディー氏は,AIが脚本を執筆するという海外の事例をあげ,新しいテクノロジーとどう向き合っていくかが課題であると指摘したうえで,自身は,そうした新しいテクノロジーを受け入れていきたいと語った。
関口メンディー氏は初音ミクのライブにも言及。バーチャルキャラクターがライブをするという新しいエンターテイメントが生まれているとしたうえで,ライブの醍醐味は演者と参加者のインタラクティブ性にあり,それが可能になってくると,未来はさらに広がるのではないかと述べた。
バーチャルキャラクターのインタラクティブ性は,AIの発展によって獲得されつつある。守屋氏のバーチャルヒューマンでも対話できるシステムが開発されており,近日中に発表予定とのこと。これがさらに発展すれば,エンターテイメントの新しい形が作られていくのかもしれない。
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