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Web3は生活を変えるのか? ひろゆき氏も出演した「ReHacQs 出張SP ディベート:Web3で生活と産業の未来は変わるのか?(仮)」レポート[WebX]
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印刷2024/08/30 17:06

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Web3は生活を変えるのか? ひろゆき氏も出演した「ReHacQs 出張SP ディベート:Web3で生活と産業の未来は変わるのか?(仮)」レポート[WebX]

 2024年8月28日と29日,Web3カンファレンスWebX 2024が都内で開催された。その中で,西村ひろゆき氏加納裕三氏渡辺創太氏によるトークセッション「ReHacQs 出張SP ディベート:Web3で生活と産業の未来は変わるのか?(仮)」が行われた。本稿ではその内容をお届けしたい。

●登壇者
西村ひろゆき氏(Zoom出演)
bitFlyer 代表取締役 加納裕三氏
Startale CEO 渡辺創太氏

モデレーター:tonari 社長 高橋弘樹氏
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Zoom出演した西村ひろゆき氏
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左から加納裕三氏,渡辺創太氏,高橋弘樹氏

 本トークセッションは2023年のWebXでも行われたReHacQの出張セッションだ。昨年はひろゆき氏と加納氏によるセッションだったが,今回はStartale CEOの渡辺氏を加え,「Web3で生活と産業の未来は変わるのか?」というディベートが行われた。


 まず加納氏はWeb3の定義について「ブロックチェーンを使った何かしらのサービス」であるとした。
 Web3という呼称が2020年ごろから使われ始め,4年ほど経っているが,そのうえで,ひろゆき氏は「あと何が開発されたら生活と産業が変わるのか」という質問を加納氏と渡辺氏に投げかける。

 渡辺氏は,低価格のトランザクションができるようになり,その数も多くさばけるようになっているとしたうえで,ユーザビリティの問題がでてきているので,そこをどうやってクリアしていくかが次の1年で重要だと語った。

 加納氏は,まだ発展途上と指摘し,生活に密着したWeb3サービスが出てきていないと指摘。金融分野の立場から,金融サービスがモジュール化され,ブロックチェーンによる金融機関が登場するのではないかとの展望を示した。

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 やや噛み合わない回答に対し,ひろゆき氏は「僕の質問を覚えている方います?」と両断。あらためて同じ質問を投げかけると,加納氏は「キラーアプリケーション」がなく,それが登場するにはWeb3を誰も気にしないような作りにする必要があると答えた。
 これもややズレた回答であるため,ひろゆき氏はそれを指摘し,「何の技術や開発が必要なのか」という質問に答えられないのは,必要な技術がすでにあっても社会に普及してないということで,Web3は生活や産業を変えるほどのものではないのではないか,と追及する。
 それに対して加納氏は必要な技術はそろっていると認め,みんなが喜ぶようなサービスやアプリケーションを作ることが今のステージであるとあらためて主張した。

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 しかし,現状としてWeb3が必要ないからキラーアプリケーションが存在しないのではないかと,ひろゆき氏はさらに指摘する。インターネットを例に挙げ,技術の進歩によってより便利になり,一般に普及していったという歴史があるが,Web3は必要な技術がそろっているうえで,普及していないということは,社会に必要とされてはいないのではないかという論法だ。

 喧々諤々のディベートが行われていたが,話が平行線になりつつあったので,議論を進めるため,モデレーターの高橋氏から「Web3でしかできないことはなんですか」という質問が繰り出された。

 加納氏は,この質問に対して「インターネット上で改ざんできないデータが流通できるようになった」と答え,それによって送金システムが構築され,国際送金も簡単になったと補足。ステーブルコインを送るということはWeb3でしかできないことだと主張した。

 ひろゆき氏は国際送金はPayPalでも可能だと反論するが,加納氏は特定の会社に依存しない形で送金したいと述べた。
 しかし,ひろゆき氏は会社に依存しているかどうかは,一般社会の人にはどうでもいいことで,PayPalや銀行送金でいいと普通の人はなると指摘。会社に依存しない送金が生活や産業を変えるほどのものではないと述べる。

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 加納氏は現状で,一般の人は会社に依存せず送金できるかは気にしていないと認めつつ,Web3で自由に送金できることで競争が生まれ,より安価で便利なサービスを提供できる可能性があるとまとめた。

 ここで話は高橋氏によって「改ざんできない」というところまで戻される。しかし,ひろゆき氏は「モナコイン改ざんされましたよね?」()と指摘する。

※2018年に起きた事件。セルフィッシュマイニング攻撃を受け,ロシアの仮想通貨取引所に約1000万円の損失が発生した。また,同年ビットコインゴールドが51%攻撃による二重支払いが起こり,20億円が取引所から不正に引き出された

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 加納氏は,定義的に見れば取引所への攻撃であって,ブロックチェーンの改ざんではない()と反論。現状で改ざんされる可能性は極めて低く,ごく一部の例外をピックアップして全体を否定することに対して「屁理屈」と指摘した。

※ブロックチェーンのルールどおりに機能しており,定義的に言えば改ざんされたわけではないが,事象的に見れば改ざんされたと言える。しかし,現在これらの攻撃を実行するのは不可能に近い

 ここでもひろゆき氏らしい言葉の応酬が繰り広げられたが,セッションの終了時間になったので高橋氏がまとめに入り,最後に1人ずつコメントをしていった。

 加納氏は,これまでの発言をまとめたうえで,Web3によって自由に行動できる世界を作っていけば,将来的には既存のサービスよりも,Web3のほうが良くなるんじゃないかと思っていると述べた。

 渡辺氏は,今はインターネットの黎明期と同じようなステータスであり,叩けば埃が出てくるところはあることは認めつつ,今まで見たことのない,ひろゆきさんを納得させるようなユースケースを作っていきたいと思うので,温かく見守ってくださいと締めた。

 ひろゆき氏はWeb3のメリットは認めたうえで,既存のサービスを基準に話すと魅力的に見えづらいので,現実的にできないことのプラスαに焦点を当てたほうが,もっと夢が広がるんじゃないかとまとめた。

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 記事では要点をまとめているが,実際のセッションでは白熱した論戦が繰り広げられた。ReHacQの出張版ということなので,セッションの内容はYouTubeのReHacQチャンネルで公開されるはずだ。詳細な内容が気になる人はそちらもチェックしてみてほしい。

YouTube「ReHacQ−リハック−【公式】」チャンネル


 今回のセッションでは,筆者が感じていたことをひろゆき氏が言ってくれたというのが正直な感想だ。Web3に可能性自体は感じているが,暗号資産というよりは,お金に関する話やサービスが大半を占め,生活や産業を変えるほどなのか,という部分に関してはなかなか納得するものが見えてこない。
 一方で,渡辺氏が言うところの黎明期であるのは確かなので,ひろゆき氏のみならず,我々が納得するようなユースケースが出てくることに期待したいところだ。

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