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ゲームでWeb3に取り組む各社のビジョンは? Web3 Game Summit「この一年間で見えた景色とは? Web3に取り組む事業戦略」レポート
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印刷2024/08/28 13:03

イベント

ゲームでWeb3に取り組む各社のビジョンは? Web3 Game Summit「この一年間で見えた景色とは? Web3に取り組む事業戦略」レポート

 2024年8月27日,WebXの開催に先立って,サイドイベント「Web3 Game Summit」が開催された。本イベントでは「この一年間で見えた景色とは? Web3に取り組む事業戦略」と題したセッションが行われ,業界をリードするプロジェクトの事業責任者が登壇し,各社が考える最新の方向性について話した。

●登壇者
  • MC:Ox Consulting Group Founder 細金恒希氏
  • DMM Crypto COO 佐藤達也氏
  • コナミデジタルエンタテインメント Web3事業部 部長 金友 健氏
  • Startale Labs CEO 渡辺創太氏
  • Oasys Representative Director 松原 亮氏

左から,細金恒希氏,佐藤達也氏,金友 健氏,渡辺創太氏,松原 亮氏
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 イベントの性質上,Web3に関わっている事業者向けの内容となっているが,各社の見ているWeb3の未来について語られたので紹介したい。

 MCの細金氏から出された最初の質問は「各社の事業が最終的にどういうところを狙っているのか」というものだ。
 DMM Cryptoの佐藤氏は,オリジナルのトークンであるSMPを上場して経済圏を築いていくというのが,現在やろうとしていることになると語る。そのうえで,DMMの多数の事業をお手本にして,国内での展開を目指していきつつ,グローバルパートナーを獲得してグローバルにも展開していくという狙いだという。将来的には通貨としての役割を得ることも考えているが,10年先も見据えた長期的な視点でしっかりやっていく事業戦略とのことだ。

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 コナミデジタルエンタテインメントの金友氏は,Web3でどういう世界を作っていくのかについて語った。
 物理的な距離で分断しているいろいろな経済圏が存在しているが,Web3でそれらを全部まとめた新しい経済圏が生まれると考えているとのこと。これまでの世界とは「ユーザーがデータを持っている」ことが違うのだという。
 そのためには何が必要なのか。サービス同士がつながっていく世界を作っていくことだと金友氏は述べた。これは明日や明後日に達成できるようなことではないが,そうした世界を作るためには,NFTのコンテンツ的な価値を高めていき,流通する仕組みをしっかりと作り上げていく必要があるという。この2つを1〜2年でで社会実装していきたいと思っているとのことだ。

 Startaleの渡辺氏は,どんなに素晴らしいブロックチェーンでもディストリビューションがなければ,だれも使わないということが分かったと語る。よりWeb3を普及させるためには,日常生活で接点を持たせ,ユーザーがWeb3と気づかないうちに使っているような世界を作っていく必要があるという。
 そこでStartaleはこれまでの知見と技術,ソニーからはブランドとディストリビューションチャネルという具合で,共同事業としてSony Block Solutions Labsを作ったそうだ。

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 Oasysの松原氏は,エンターテイメントが飽和している状況で,次のイノベーションを起こさないといけない時期に来ていると語る。ブロックチェーンを使って新しい体験価値を作って,ゲームに新しい価値を付与するというのが同社の狙っている未来だという。
 Web3の実態を見るとお金をトレードするだけという状況であり,実生活にまだ入り込んでいないため,しっかりとコンテンツ価値のあるモノを作り,Cryptoが必要なところまで届ける必要があるとのことだ。

 次の質問は「事業開発をしていく中で苦労したこと。衝撃を受けたことがありますか」というもの。

 佐藤氏は,これまでも試行錯誤をしていくことは多くあったが,ゲームという側面から見ると「アプリゲームをプレイしていて,いつの間にかWeb3に触れている」というような,昨今のWeb3ゲームの流れに乗り遅れてしまっていると感じているという。その少し遅れている部分に,どううまく追いついていくかを日夜考えているそうだ。

 金友氏は,Web3は1社でどうにかなるものではないとし,「自分たちがやっていることがガラパゴス化しないこと」を注意していかないといけないと語る。最終的にいろいろなところとつながれるようになることで,ユーザーの体験を拡張できるため,今やっていることをどのように,ほかのプロジェクトとつなげていけるかを注力しているという。
 また,突拍子のないものが価値をもつことはほとんどないため,そこだけを目指すのではなく,今存在している価値をもう一度見直して,NFTといったオンチェーン化することで流動性を持たせるということを,足元の取り組みとしてやっていかなければならないと述べた。

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 渡辺氏はWeb3のスタートアップ企業と大企業とでは,スピード感に違いがあることを指摘する。その中で多くの人にWeb3を利用してもらうためには協力する必要がある。直近の同社の例でいうとWeb3ネイティブの部分はStartaleが担当し,ディストリビューションチャネルを設計する部分はソニーが担当するという具合だ。役割分担をしていくことには様々な課題もあるが,乗り越えなくてはいけないステップであると語った。

 松原氏は,ブロックチェーン企業は商社のような役割を担っていると語る。また,大企業だと立ち回りづらい部分で,ベンチャーと組み,IPを使ったモノを作っていくことが起きていくのではないかと予想し,新しいユースケースとして,その橋渡しをしていき,それを世界の隅々まで届けていくことが必要になると述べた。

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 4社ともにやっていることや立場が違うのだが,「魅力のあるコンテンツを作ること」「利用するための分かりやすい仕組み作り」が必要であるというのは,共通の認識として持っているようだった。新しい体験価値がどのような形で実現していくのか,今後の展開を注視していきたい。
 
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