eスポーツ対戦直前の脳波から勝敗と強く関わるパターンをNTTが発見し実証。試合直前の脳波データから勝敗を高精度で予測可能に

　日本電信電話（NTT）は本日（2024年7月18日），eスポーツの対戦直前の脳波から勝敗に強く関わるパターンを発見し，脳波データから直後の試合結果を高精度に予測できたことを公式サイト（外部リンク）で発表した。

　本研究では，eスポーツの格闘ゲームを対象に，試合中の選手の脳波を計測し，アスリートが試合に臨む際の理想的な精神状態が，どのような脳波パターンから生じるのかを調査したものである。

　eスポーツの試合では，プレイヤーの個人特性やキャラクターの相性を考慮し，自身が取るべき行動パターンを事前に計画しておく試みを指す「戦略判断」と，試合の大事な局面に感じる“敗北への不安”のような精神的動揺を意識的に抑制する試みを指す「感情制御」が重要であるとされている。
　プレイヤーへのアンケートから，2ラウンド先取制の格闘ゲームにおいては，第1ラウンドの直前は「戦略判断」，第3ラウンドの直前では「感情制御」の重要性が高いことに着目し，第1，第3ラウンド直前の脳波を調査したそうだ。

　その結果，第1ラウンドの直前は戦略判断に関わる左前頭脳領域のγ波が，第3ラウンドの直前は感情制御に関わる左前頭脳領域のα波がそれぞれ増大している場合に，勝ちやすいことが判明した。

画像はNTT公式サイト（外部リンク）より引用

　また，脳波データから試合の勝敗を約80％の精度で予測を可能にし，過去の競技成績に基づいた勝敗予測など，従来技術では難しい「実力が拮抗した試合」や，「番狂わせ」（プレイヤーランキングが低いプレイヤーが高いプレイヤーに勝つ試合展開）についても予測できる可能性を示した。

　詳細については，NTTの公式サイトを確認してほしい。

世界初、eスポーツ対戦直前の脳波から勝敗と強く関わるパターンを発見・実証
〜「実力が拮抗した試合」や「番狂わせ」を約80%の精度で予測〜