企画記事
大スクリーンでゲーム推し活しようぜ! “レンタルシアター”の165インチ画面で至高のひとときを味わえる時代が来た
東京の田原町駅,あるいは浅草駅などから歩くこと約10分。調理道具店が並ぶ下町,かっぱ橋道具街の通りにお洒落なカフェが現れた。
そのカフェの2階には,レンタルスペース「Theater SPROUT(シアタースプラウト)」という名の施設がある。そこが今回のお目当ての一室。最大30名が利用できる“レンタルシアター”だ。
レンタルシアターとは端的に“個人で借りられる映画館(的な設備)”である。最近は映画視聴に限らず,好きなアイドルのライブ映像を流してみんなで見たりと,推し活の利用者も増えているらしい。
そこで「ならゲームもイケるのでは?」と体験しにきたのだ。
よくある貸し会議室やレンタルルームでもプロジェクターを使えるところは多い。しかし,シアタースプラウトはそれらと一線を画す“165インチスクリーン”に加え,最先端サラウンドシステム「7.1.4 Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」を備えたガチ施設なのである。
「え,下町のこんなとこに?」とにわかに信じがたい装備だ。
1階のカフェを上がり,ギャラリーのような通路を通り抜けると,我々がよく知る映画館のような光景が広がっていた。大きなスクリーン。ひな壇状になった座席。しんと静まった空気……今からここを貸し切りにできるだなんて,テンションが爆上がりせざるを得ない!
さっそく持参したゲームを遊ぶべく,セッティングに取りかかる。といっても難しい手順はなし。ふだん家でゲーム機を接続するのとなんら変わりなく,電源をコンセントに挿し,備え付けのHDMIケーブルを接続するだけ。これでSwitchの画面はすぐに大スクリーンに映し出された。
こちらのシアター設備はグレードこそ最上級だが,家庭用機器であるため,特殊な端子などは求められない。こういった機械の扱いが苦手でも,スタッフさんが丁寧に教えてくれるので安心だ。
なお,スタッフさんはシアター内に常駐するわけではないので,準備ができたら,あとは自分たちだけで気兼ねなくすごせる。
そして,覚えておきたいワンポイント。ゲームを始める前にやっておきたいのは「ゲーム機側のサウンド出力の設定変更」だ。この設定を“サラウンドにする”ことで,映画館ばりの立体音響を活用できる。
ちなみに,同施設の運営会社「Budscene(バドシーン)」は防音や音響空間をデザインする企業であり,音には相当のこだわりがあるとのこと。参考にと,スタッフさんにドルビーアトモスのデモ映像や対応楽曲を聴かせてもらったのだが……音が空間をピュンピュン駆け巡る,頭が(イイ意味で)ゾワゾワするような感覚を味わえた。
さて,いよいよお待ちかねのゲームタイム!
手始めに「モンスターハンターライズ:サンブレイク」を映してみた。やはりというか圧倒的な大スクリーンに驚かされる。まるで目の前に広がる景色のなかに自分がいるかのような気分……今回は時間の都合でできなかったが,施設内のWi-Fiを使ってオンラインプレイも可能だ。
また以降の体験すべてに言えるが,接続時は「端末画面からスクリーンへの反映速度」「コントローラ入力の反映速度」などに,いっさいのラグを感じなかった。TV接続などとほぼ同じである(もしかしたら微細なラグもあるかもだが,体感で気付けるほどではない)。
オフラインマルチプレイなら「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」や「スプラトゥーン3」も盛り上がること間違いなし。友達同士でトーナメントを組んで競うなども大会も想定できる。
このシアターのイイところは,全参加者が正面からスクリーンを見られる点だ。座る席によって視野が斜めになる,なんて心配がない。
また,こちらでは匂いが残るようなものでなければ飲食も可能らしい。ちょっと予想外すぎて今回は持ち込まなかったものの,軽食をつまみながら観戦・応援したりするゲームパーティーも開けそうだ。
食べ物つながりといってはなんだが,「焼肉シミュレーター」もプレイしてみた。大画面でお肉をひたすら焼いていく,ものすごく贅沢なシアターの使い方だが,なぜだか虚しさに襲われる。
ジュウジュウという音が美麗な出力で響き渡ると,あるはずのない焼肉の匂いが過剰に脳を刺激してきて……急にお腹が減ってきた。
気分を変えて,今度はアドベンチャーゲームでテスト。
「大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟-」はメッセージ送りも謎解きも自動で行われるストーリーモード機能が搭載されているので,映画を観るようにして遊べた。まさにレンタルシアターにぴったりな作品。メッセージ送りだけ自動のオートプレイ機能もあるので,みんなで謎解きに挑むといったミステリーナイト的な使い方も楽しそう。
そして先述のように音響設備が抜群なので,BGMもズンズン響く。
本作の共同推理や法廷パートはただでさえ盛り上がるのに,こんな最高の環境でプレイしちゃったらもうッ!
アドベンチャー作品で予想以上にマッチしたのは,同じくカプコンつながりの作品「囚われのパルマ」だった。
画面内のハルトは実物大の人間よりも大きく映っているけれど,まるで等身大の彼がそこにいるような,不思議な感覚を味わう。収容されている彼との面会シーンはもちろんだが,監視モードはスクリーンの先に彼の部屋が続いているような気がして,ちょっと興奮してしまった。
シアターの吸音効果のおかげだろうか。本作の静かな雰囲気も強調されているようで,作品により集中できてしまう。
気分のアガるノリノリな作品のみならず,しっとりと楽しむ作品も好相性。極論,ホラーゲームなどは想像するだけで……うぎゃあ!
さて,ここまではSwitchで試してみたが,持ち運びさえ気合を入れればPS5でもXbox Series X|Sでも遊べてしまう。
さらに推しがスマホやPCのなかにいるという人もご安心を!
同シアターはApple Airplayに対応しており,iOS端末なら物理接続いらずで画面をミラーリングし,スクリーンに映し出せる。Android端末やPCについてはSwitchと同様,HDMIで接続すればOKだ。
※HDMI端子がない端末は「USB接続のHDMI変換アダプタ」などを利用しよう。なお,こうしたアダプタは安価に購入できるが“自分の端末に対応しているか”がこまごましているので,購入時はそこだけ注意
シアターのスクリーンを最大限に生かすには,スマホの場合は横画面表示のアプリが向いている。けれど縦画面でも問題はない。
いつもの手の平サイズの画面から,大スクリーンにジャンプアップしたキャラクターを見て,推しの偉大さを爆裂に感じよう。最近のスマホゲームは大画面表示でも粗さを感じないからすばらしい。
スタッフさんによると,機器を持ち込まずともBlu-rayなどの再生ディスクを持ち込んで映像鑑賞するパターンが定番だそうだ。
ほかにも「推し活に利用するお客さん」も多いとのことで,なかには“推しのプレゼンの場”にする方々もいらっしゃるそうな。
今回は筆者も試しに,簡単なスライドを作ってきた。同行者らに自分の好きなものの魅力をどう伝えるかが難しかったけれど,けっこう楽しかった。なにより,みんなが耳を傾けてくれる場がうれしい……。
日常生活だと推しコンテンツの布教をやりすぎないよう神経を使うものだが,ここなら思いっきり愛を伝えてもイイ! キャラクターの生誕祭や作品のアニバーサリーは推し活に欠かせないイベントだけに,こうした場所でファンの集いをしたり,推しと2人きりでお祝いしたりする。
そんな特別な日を作るのもいいかもしれない。
筆者は今回,個人的に強めにゴリ推してきたスマホアプリ「金色のコルダ スターライトオーケストラ」の,少し早い送別会をした。
※同作は,2024年3月29日にサービスが終了することが決定
名残惜しいけれど,彼らの新たな門出をこうした場で祝福できたことで晴れやかな気持ちになる。レンタルシアターを自発的な推し活の手段として活用すると,思い出作りの新たな形も見えてきそう。
このほかシアターの活用方法はいろいろだ。ゲームだけでなく,自分の撮った写真や映像をお披露目してみたり,なんなら身内の同窓会や披露宴の場にしたりと,使い道はアイデア次第と言える。
手ぶらでもスマホだけは持つ人が多い昨今。大した準備をせずにレンタルシアターにやってきても,即興でマルチプレイを楽しんだり,お気に入りのイベントを流したりと,仲間と存分にニマニマできるだろう。
さて,気になる料金プランの話をしよう。
シアタースプラウトは平日(1〜5名の場合)は「1時間×5500円」。土日祝日(1〜10名の場合)は「1時間×1万1000円」となる。
ベース料金は利用人数や昼夜の部,企業利用などで変動するが,いずれも1人あたりの料金ではなく“規定人数内なら料金変動なし”である。人数上限のギリギリを狙うほど割り勘がお得になるわけだ。
これでも近年増えてきたマンションタイプのレンタルルームなどと比べると割高な印象を受けるかもしれないが,設備の差は大きい。
同店舗も近所迷惑にならないよう爆音や奇声などはNGとしているが,スクリーン体験に求められる音量に不足はない。退出前にお掃除が必要といったルールもないので,利用中も精神的な余裕が生まれる。
もちろん,そのうえで過剰に騒いだり汚したりはダメである。
作品に集中できる場所を欲しているときは,レンタルシアターは断然アリだと感じた(余談だが,レンタルルームも探せばいろんなタイプがあるので,目的に応じた利用場所を選ぼう。筆者は炊飯器を借りて手巻き寿司パーティーをしたことがあり,とても楽しかった)。
すこし悔しかったのは,レンタルシアターがこんなにもオタクと相性がいいことにこれまで気付かなかったことだ。
あの大好きなゲームが発売されたとき,ここで遊んだらもっと堪能できたかもと思うと……これからは新作とシアターの同期スケジュールを考えたくなる(次回はとんでもなく怖いホラーゲームがやりたい!)。
レンタルシアターはほとんどのゲーマーにマッチするだろう。最高の環境で遊びたい人。みんなでワイワイ遊びたい人。周囲を気にせず没頭したい人。シアタースプラウトは座席もベンチタイプで楽な姿勢が取りやすく,「長時間座るのはちょっと……」という人にも向いている。
少しでも気になった方々はぜひ,レンタルシアターを推し活&オタ活に取り入れて,心豊かになれる特別な日を作ってみては?
それでは最後に,レンタルシアター利用の一例として「持ち物&準備リスト」を作ってみたので,よければ参考にしていただきたい。
★これだけ確認すればすぐ行ける!
【シアタースプラウトにあるもの】
・HDMIケーブル
・Free Wi-Fi
・iOS端末はApple Airplay対応なら機器いらずで無線接続可
・Blu-rayや映像アプリ(アカウントは個人用意)で映像鑑賞可
【持ち物リスト】
・ゲーム機,ノートPC,タブレット,スマホ
・端末ごとの電源ケーブル
※Switchはドックの仕様上,電源供給なしでHDMI接続不可
・USB接続のHDMI変換アダプタ
※Switchのドックなしならこれで対応
※HDMI端子なしのノートPCやAndroid端末はこれで対応
・ゲームソフト,再生ディスク
・コントローラ機器(人数分)
・充電用のUSBケーブルなど
【事前にやっておきたいこと】
・ゲーム機のシステムアップデートの確認
・ゲームソフト&アプリのアップデートの確認
・各種オンラインサービスの有効期限の確認
「Theater SPROUT」公式サイト
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