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受賞作「TEREPORTAL」の魅力や次回作の情報が語られた,BitSummit特別番組試聴レポート。「神エボ2023」本大会は12月23日開催へ
「神ゲー創造主エボリューション」(以下,神エボ)は,新世代の若手ゲームクリエイター育成を目指すプロジェクトだ。コンテストイベントの開催や,コンテストに参加するクリエイターたちの姿を発信する番組の放送,参加者のためのコミュニティ運営など,さまざまな施策が行われている。
今回の特別番組には,2022年のグランプリを受賞した古市太郎氏と,ソニー・インタラクティブエンタテインメントでインディーズ イニシアチブ代表を務める吉田修平氏が出演し,受賞作「TEREPORTAL」の魅力を語った。
「神ゲー創造主エボリューション」公式サイト
TELEPORTALは,射撃した対象と自身を入れ替えられる銃を持った主人公が,難所を乗り越えていくパズルアクションゲームだ。
主人公には攻撃手段が存在しないので,入れ替えを駆使して敵の攻撃を避けたり,逆に敵の攻撃を敵自身に当てたりと,状況をよく見て作戦を立てていく必要がある。
また,通常の弾は障害物に阻まれてしまうが,チャージショットは壁を貫通する効果を持つ。ただし,チャージショットは弾速が非常に遅いため,敵やギミックの動きを見極めて使わなければいけない。
その独特なシステムは各所で高い評価を受け,ゲームクリエイターズギルドによる「ゲームクリエイター甲子園」のU18部門では金賞を受賞している。
番組が始まると,さっそく本イベントのために用意されたというTELEPORTALの最新バージョンを用いた実況&解説プレイが披露された。
古市氏によると,本作と同様に“入れ替え”をテーマにしたゲームは世の中に存在するが,そのほとんどがパズルを中核とした作品で,アクションを主軸に据えた作品が少なかったことが本作の発想につながったのだという。
配信内では吉田氏がゲームプレイを担当したが,急激にゲーム内の技術要求が高くなる部分で詰まってしまうこと,瞬間的な入れ替わりによって成功・失敗の判断がつきにくいことなど,いくつか問題点が指摘される場面もあった。
ちなみに,ゲームクリエイター甲子園のゲーム紹介ページで本作が公開されている。無料で遊べるので,興味を持った人はダウンロードしてみよう。
みんなのゲームパレード
「TELEPORTAL」紹介ページ
吉田氏は本作を遊びながら,神エボの本企画について,「これが神ゲーだ! と決めるものではなくて,これから神ゲーを作る可能性のある若い才能を見つけよう,という番組だと思っています」と語る。そういった意味で,学生クリエイターの古市氏がグランプリを受賞したのは,吉田氏にとっても嬉しい出来事だったようだ。
2023年の神エボにも古市氏は参戦予定とのこと。これまでは1人でゲーム開発を行っていたが,今回はチームを組み,新たなゲーム「名付けバトルネーミングタワー」の開発に挑むという。
その内容は,プレイヤーが入力した「名前」と「行動」をもとにChatGPTがキャラクターを生成し,そうして作り上げたキャラクターでチームを組んで戦うというもの。キャラクターは名前に応じたステータスとスキルを持つので,良い組み合わせができるキーワードを探し出すのが重要になりそうだ。
新作の発想は,ChatGPTで「名前をつけて,その人物の戦い方や能力を予想させる」という遊びから生まれたものだという。その出力を文章ではなくステータスの形にすることで,ゲームの形に落とし込んでいるというわけだ。
現時点では,たくさんのキャラクターを名付ける想像力をプレイヤーに委ねるぶん,創作を苦手とするプレイヤーにはハードルが高い部分もあるようだ。今後は,そうした部分の調整が行われるとのこと。古市氏のTwitterアカウント(リンク)では新情報の告知も行われているので,動向が気になる人はフォローしておこう。
番組の最後には,古市氏から「作っている途中はつらいことが多いかもしれません。でも,遊んでもらえるのは嬉しいので,最後まで作って,楽しんでもらう喜びを知ってもらえたらと思います」と,同世代のクリエイターに向けてのメッセージが語られた。
2023年の神エボ本大会は12月23日に開催される予定だ。大会には「名付けバトルネーミングタワー」を含む32作品が一次審査を通過しており,日本ゲーム大賞の「アマチュア部門」「U18部門」を継承した要素も登場するという。詳細が気になる人は,公式サイトやTwitterアカウントをチェックしておこう。
「神ゲー創造主エボリューション」公式サイト
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