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英CMA,MicrosoftのActivision Blizzard買収に関する係争について,調査期限を8月29日まで延長
7月15日に掲載した記事でもお伝えしたとおり,Microsoftによる687億ドル(約9兆5300億円)という巨額のActivision Blizzard買収については,これまでアメリカ連邦取引委員会(FTC/Federal Trade Commission)による法廷での審議が終了し,一時的接近禁止命令の期限もすでに失効している。
本誌連載でも解説しているように,CMAは「(まだ現時点で成熟していない)クラウドゲーム市場が寡占状態に陥り,成長分野において競争が抑制され,国民の選択肢が少なくなることにつながる懸念」などから,MicrosoftによるActivision Blizzardの買収提案を承認しないという一時的判断を今年4月の時点で行っており,FTCとの審議終了を待って,Microsoftによる新たな提案の審議を始めている。
もっとも,すでにMicrosoftはActivision Blizzardの統合に向けた新しい動きを見せており,アメリカ太平洋時間7月16日にMicrosoftのゲーミング担当エグゼクティブ副社長であるフィル・スペンサー(Phil Spencer)氏は,自身のTwitterアカウント(リンク)で,「MicrosoftとPlayStationは,Activision Blizzardの買収後もCall of DutyをPlayStationで提供し続けることで合意しまたした」とアナウンス。これを受けて,審議を担当するMicrosoft社長のブラッド・スミス(Brad Smith)氏も,「この買収取引が承認されるというゴールラインを越えた後も,私たちは引き続き,これまで以上に多くのプラットフォームとより多くの消費者がCall of Dutyを楽しめるようにすることに注力し続けます」と自身のTwitterアカウント(リンク)で述べている。
ソニー・インタラクティブエンターテインメントとの合意に関する具体的な内容については発表されていないものの,2023年1月には任天堂との間で契約が発表されており,同社のゲームプラットフォームのユーザーが,Xbox版のリリースと同時に,Call of Dutyの完全な機能と同一のコンテンツでプレイできるようになることを,今後10年間において保証している。
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