Netflixがクラウドゲーム市場への参入を真剣に検討。新たなスタジオを南カリフォルニアに設立

　動画配信サービスのNetflixが，クラウドゲーム市場への参入を検討中であることを明らかにした。これは，2022年10月18日〜20日，カリフォルニア州サンフランシスコで開催中のIT情報誌TechCrunchが主催する業界イベント「TechCrunch Disrupt 2022」で，同社ゲーム部門の副社長を務めるマイク・ベルドゥ（Mike Verdu）氏が明らかにしたもの。

Netflix to expand into cloud gaming, opens new studio in Southern California

　TechCrunchが公開したイベントレポートによると，ベルドゥ氏は「クラウドゲーミングへの参入を真剣に検討している」という言い方ではあるものの，現行のゲームビジネスをクラウド化していくことについては肯定している。「今あるサービスの付加価値になるもので，新しいコンシューマーハードウェアに取って代わるようなものではありません。（今の動画ストリーミングサービスと同じく）皆さんがどこにいてもゲームを楽しめることを目指すものです」と述べ，現状のビジネスモデルや月額料金に変更のない形でゲームのクラウド化を推進することを認めている。

　2023年1月をもって「Google Stadia」のサービスを終了することが発表されたばかりだが（関連記事），Netflixはコントローラなどのハードウェアを開発をすることなく，現行のゲームサービスを拡張する形でクラウド化を進めていくようだ。現在，Netflixでは35タイトルのゲームが提供されており，さらに14タイトルを自社スタジオで開発中とのことだが，タイトルの半分ほどをクラウドゲームサービスとして展開したいという。

　クラウドゲーム事業との関連性は明らかではないが，ベルドゥ氏はさらに，南カリフォルニアに新たなゲーム開発スタジオを設立したことを発表した。フィンランドのヘルシンキに拠点を置くNetflixのゲーム開発部門に加え，同国のNext Games，北米テキサス州のBoss Fight Entertainment，同じくカリフォルニア州グレンデールのNight School Studioに続く，5つめのスタジオになる。

　Netflixは，動画配信サービスをクラウドで提供していることもあり，その流れから，ユーザーの知らないうちにゲームをクラウド化させる可能性は十分にある。具体的にどのように事業展開していくのか，今後も注目したい。

Netflix公式サイト