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[TGS2022]「PolcaFantasy」を展開するFantasy TechがブロックチェーンやNFTの将来性などを述べたセッションをレポート
ソーシャルゲームやスマホゲームが登場してから長い時間が経過し,現在,このジャンルは完全にレッドオーシャンになっている。多くのゲーム関係者が,次に台頭するゲーム分野を探しているはずだが,フイ氏は「次はブロックチェーンゲーム」だと考え,2021年に「PolkaFantasy」のプロジェクトを立ち上げた。
ゲームがNFTに対応する最も大きなメリットは,ゲーム内アイテムを資産化できることだとフイ氏は述べる。フイ氏によれば,従来のゲームは,たとえどんなにゲーム内課金を行っても,サービスが終了したら何も残らない。これに対してブロックチェーンゲームでは,ゲーム内アイテムがNFT化されて,たとえサービスが終了しても,プレイヤーの資産として残るという。
今回のセッションでは,ゲーム内アイテムをNFT化する際,どうやって価値の査定を行うのかといった詳細までは語られなかったので,正直なところ,個人的にはピンとこない。しかしフイ氏によると,ブロックチェーンに対応するPolkaFantasyでは,実際に多大な利益を生み出しているとのこと。PolkaFantasyが今年の8月にゲーム内アイテムなどを販売するオークションを実施したところ,約11億円相当の売上を記録した。まだ,PolkaFantasyの正式サービスが始まっていないにもかかわらずだ。
NFTを活用すれば,以上のようにリリース前に利益を生み出すこともでき,これは従来のゲーム業界では考えられなかったことだ。PolkaFantasyの成功を受けて,現在はさまざまなゲーム会社がブロックチェーンゲームに興味を示しているとのことで,フイ氏としても将来性を感じている。
フイ氏は,ブロックチェーン・NFTの市場規模は,5年後の2027年には全世界で1.93兆円に達すると考えている。その頃にはアート方面や官庁など,ゲーム以外でもさまざまな分野で採用されるなど,見通しは明るいと述べた。
現在のブロックチェーン・NFTはブルーオーシャンだが,一方でいくつかの問題点を抱えている。
例えば,新たに参入しようと思っても,どうすればいいのかが分かりにくい。また,日本では法律が整備されておらず,広く認知されていないこともあって,胡散臭さを感じさせる。そして,海外の暗号資産市場への進出が難しいといったことだ。
これらの理由により,企業がブロックチェーンゲームに興味を持って参入しようと思っても,最初の一歩を踏み出しにくいのが現状だという。
こうしたことを受け,フイ氏が率いるFantasy Techでは,ブロックチェーン・NFTに興味を持つ企業に対するサポート業務も行っているという。そして,この業界に関する情報を広く共有し,多くの企業が参入しやすくなるための環境を構築し,普及に貢献したいと述べて,フイ氏はセッションを締めくくった。
「PolkaFantasy」公式サイト
「東京ゲームショウ2022」公式サイト
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