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「Google Play Indie Games Festival 2022」セレモニーをレポート。トップ3&特別賞をダブル受賞したインディゲームも
インディゲーム フェスティバルは,2018年より開催されているインディゲームならびに開発者を対象にした表彰式だ。
通算5回目となる今年は,先の発表前交流会にも参加していたトップ20タイトルの開発者らが登壇し,本人たちが受賞コメントを語った。
なお,セレモニーの現地開催が難しい昨今の状況を鑑みて,今年も2021年度から引き続き,オンライン会場「Adventure」で実施された。
ファイナリストがオンライン上から会場に集結
セレモニーではお笑いタレントのタケトさん,カジサックさんがMCを担当し,さらにGoogle Play Partnerships ゲーム部門パートナーデベロップメントマネージャーの五十嵐郁氏を加えて進行していく。
本施策は個人のゲーム開発者をはじめ,学校の部活やサークルのみならず,正社員50名以下の法人も応募対象となる。
それら応募タイトルを対象に,現役のゲームクリエイターやゲームプロデューサー,参画企業の集英社ゲームズ,TOHO Games,ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン,トイディア,Google Play Partnerships ゲーム部門からなる審査員が,優秀タイトルを選出するというもの。
また,今年は過去のインディゲーム フェスティバルにおいて継続的に成果を残したデベロッパを企画・運営のアドバイザーとして迎え入れる,オフィシャルアドバイザー制度が新設されている。
今回の配信では,これまでにファイナリストとしてノミネートされていたトップ20タイトルのうち,トップ10とトップ3が選出される。
トップ10受賞のデベロッパには,Google Playチームメンバーとの個別のコンサルティング1回分の権利(大会に応募したゲームに関するもの)とスマートフォン「Google Pixel 6 Pro」が贈呈され,トップ3受賞時は上記に加え,Google PlayストアのゲームTOPページ上に専用バナーが掲出されるほか,ゲームに関する特集記事も掲載予定だ。
このほか学生部門賞,集英社ゲームズ賞,TOHO Games賞,UUUM賞といった特別賞も存在し,受賞者は各社からの賞金・開発支援・プロモーション支援など,今後のバックアップが約束される。
オンライン会場にアクセスすると,視聴者はアバターを通したチャット機能を利用でき,参加者同士での交流も楽しめる。
さらに,Adventureには各ファイナリストのタイトル展示ブースも設置され,デベロッパもファンと直接交流していく。
そして本題のセレモニーがはじまる。トップ10受賞者の発表前に,まずはトップ20に選出されたファイナリストが再紹介されていった。
各デベロッパおよび選出作品は以下のとおり。
デベロッパの紹介後,トップ10受賞タイトルが発表される。
今年度の受賞タイトルは以下となった。
・「カタストロフィレストラン」
・「幻影AP -空っぽの心臓-」
・「時効1分の世界」
・「すし屋台 -お寿司屋さんのお店経営ゲームー」
・「ダンジョンに捧ぐ墓標」
・「わんおぺ寿司」
・「HUNGRY PIGS」
・「A YEAR OF SPRINGS」
・「RASPBERRY MASH」
・「SOULVARS」
続けてトップ3受賞タイトルが発表される。
審査員たちが選んだ今年度のインディゲームは,「カタストロフィレストラン」「RASPBERRY MASH」「SOULVARS」の3作品だ。
・「カタストロフィレストラン」
・「RASPBERRY MASH」
・「SOULVARS」
さらに,特別賞の受賞タイトルが発表されていく。
学生部門賞は「Mini Blaster」,UUUM賞は「ユニオンシューター360」が受賞。集英社ゲームズ賞はトップ3の「RASPBERRY MASH」が,TOHO Games賞は同じくトップ3の「SOULVARS」が獲得する。
結果,計2タイトルがダブル受賞を果たす。
・学生部門賞「Mini Blaster」
・集英社ゲームズ賞「RASPBERRY MASH」
・TOHO Games賞「SOULVARS」
・UUUM賞「ユニオンシューター360」
インディゲーム フェスティバルの背景
セレモニー中,経済産業省 商務情報政策局 コンテンツ産業課 課長補佐(産業戦略担当)を務める上田泰成氏から,インディゲーム開発者向けに実施されている政策が紹介される場面もあった。
そこでは五十嵐氏を交えて,日本国内の政策によって展開されている国産インディゲームの海外展開への支援策や,Googleによるインディゲーム フェスティバル開催の方針などが語られていった。
なかでも上田氏が紹介した「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤強化事業費補助金(通称,J-LOD)」は,国産ゲームの支援政策となり,上田氏は今回のフェスティバルを通して,本政策をインディゲーム開発者にも活用してほしいと呼びかけていた。
次いで五十嵐氏も,Google主導のデベロッパ支援策を紹介しつつ,「私はゲームが芸術作品だと思っているので,スタジオの規模に関わらず革新性が込められているものだと感じます」と胸中を明かした。
セレモニーの閉会後,五十嵐氏への質疑応答も行われた。
五十嵐氏はまず,2022年度がインディゲーム フェスティバル第5回目となり,初開催から年々,作品のクオリティが上昇してきたと感想を述べる。また,例年の会場でファンとデベロッパが直接交流できる機会を設けていることが,本施策の大きな意義だとあらためて感じたという。
そのうえで,昨今の情勢により2021年度からオンライン開催になったことに関して,オフライン開催時の交流をオンライン上でも再現するべく,Adventureを開発したと語る。フェスティバルが開催されてきた5年間でのインディゲームの変化については,「日本ユーザーよりも海外ユーザーがよく遊んでいるタイトルが増加しはじめ,言語のグローバル化などへの対応がデベロッパごとに進んでいる」と実情を教えてくれた。
最後に,来年の2023年度開催に向けて「作り手が自分の作りたいものを作りきっているところに,インディゲームの魅力があると思います。そんな作り手の思いを伝えるお手伝いとして,来年も開催できればうれしいです」とコメントし,メディアセッションを締めくくった。
本年度もオンライン開催であったが,Adventureの登場により,本施策はただ受賞者が発表されるだけにとどまらず,視聴者も積極的に交流できる場が形成されている。同時に,経済産業省との連携や業界自体の盛り上がり,なによりインディゲームへの熱い思いを持つ五十嵐氏などスタッフのおかげで,年々目が離せない施策となってきた。
本フェスティバルの配信アーカイブは,公式サイトを経由した限定公開URLで視聴できる。気になった人はぜひチェックしてほしい。
「Google Play Indie Games Festival 2022」公式サイト
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