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[TGS 2021]優秀なeスポーツ選手は脳波で分かる? 開発中の脳波計測式能力判定システムを紹介してもらった
NOKは主にオイルシールというゴムの部品を扱う,自動車の部品メーカーだ。つまり,ゲーム業界と関わりがあるわけではないのだが,ではなぜ今回出展していたのかというと,得意分野のゴムの技術が関連している。
同社では電気を通すゴムを開発しており,これを脳波を計測する脳波電極として販売している。「Sotto ブレイン」という製品名のこの電極は,装着者が硬い金属電極による痛みを感じたり,頭皮と電極の間にジェルを塗布したりする必要がないというメリットがあるそうだ。
ただ,それほど数が売れるようなものでもないため,ほかにも活用できないか考えたところ,ゴム電極を用いた脳波計測機として販売できないかという案が挙がり,マーケティングを行っているところなのだという。
「Sotto ブレイン」製品情報ページ
では,なぜそこでeスポーツなのかというと,脳波計測によってプレイヤーの状態を確認できるようにすることで,コーチングなどに役立つのではないかと考えているからだという。NOKによれば,eスポーツ中の脳の活動状態を測定すると,優秀な選手にはよく見られる波形があり,新人の選手でも,同様の脳波が測定できる場合,後々伸びる傾向にある。また,脳波を見れば,集中している,興奮している,疲れているといった選手の調子も分かるそうだ。
“集中する”のは良いことばかりではなく,同時にストレスもかかる。極端な集中状態は緊張をもたらすため,長くは続けられないし,緊張をほぐさないと調子も崩れてしまう。優秀な選手は,緊張しすぎないことの大切さを分かっており,余裕のある状態で対応するのだそうだ。
今のところ,eスポーツで脳波を測定するというアプローチはそれほど着目されていないが,NOKとしては,今のうちにノウハウを得て,先駆者になることを目指しているという。仮にNOKでビジネスとして成立しなくても,近い将来,ほかが必ず目をつける分野ではないかと話していた。
4Gamer「東京ゲームショウ2021 オンライン」特設サイト
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