Blizzard Entertainmentのベテラン開発者達が，Tencentの支援を受けてPC向けRTSにフォーカスした新スタジオを設立

　Blizzard Entertainmentで「StarCraft II」シリーズや「ディアブロ IV」の開発に携わった経験を持つベテランゲーム開発者，David Kim氏らが，新たな開発スタジオUncapped Gamesを設立した。イギリスのGamesIndustry.bizなど，多くの海外メディアが報じている。

「Uncapped Games」公式サイト

　Uncapped Gamesでは，Kim氏がゲームディレクターを務め，Kim氏と共に「ディアブロ IV」の開発に取り組んでいたJason Hughes氏がリードプロデューサーを，また同じくBlizzard Entertainment出身のZhongshan Zhang氏がリードエンジニアを務める。
　GamesIndustry.bizによれば，2021年4月にBlizzard Entertainmentを退職したKim氏を支援したのは，Tencentの子会社であるLightspeed & Quantum Studiosだった。Uncapped Gamesは，Tencentの新たなスタジオとしてグループに加わることになるという。
　ちなみにLightspeed & Quantum Studiosは現在，2021年秋のサービス開始が予定されている「UNDAWN」を開発中だ。

　公式サイトもすでにオープンしており，コンテンツは今のところほとんどないが，6人の設立メンバーがコメント寄せているほか，Uncapped Gamesが「次の素晴らしいPC向けのRTS」の制作に焦点を置いていることが述べられている。Kim氏らの経歴を考えれば，RTSへの指向は納得できるところだ。今のところ彼らが取り組もうとしているゲームの情報はなく，スタジオは人材の募集を進めている段階にあるようだ。

　PCゲーム市場におけるRTSは一定のファン層を持つ人気ジャンルだが，「StarCraft」など，1990年代に誕生したフランチャイズに現在も支配され続けている。Uncapped Gamesの新たな参入にはかなりの困難が伴うかもしれないが，その一方で，期待も高まる。「StarCraft II」の熱心なプレイヤーとしても知られるKim氏なので，eスポーツへの展開も視野に入れているはずだ。いずれにせよ，続報を楽しみにしよう。