テンセントがFuncom買収に向け，発行株式の取得を進めることが明らかに

　2019年9月30日に掲載した記事でお伝えしたように，ノルウェーのゲームメーカーFuncomの発行株式の29％を取得して筆頭株主になった中国の大手IT企業テンセント（Tencent）だが，Funcomは日本時間の2020年1月22日，テンセントがFuncomの買収を目的として，株式の購入をさらに進めていることを明らかにした。FuncomのCEOを務めるRui Casais氏は，テンセントとのこれまでの関係を「すばらしいもの」と述べており，買収を認める方針であるようだ。

Tencent Seeks to Acquire Full Ownership of Funcom

　公式サイトに掲載された発表によれば，テンセントは，ほかのすべての株主から直接，株式を取得しようとしており，1月21日時点の終値より27.3％高い1株あたり17ノルウェー・クローネでの買い取りを提案したという。株主達が期限内にこの提案を受け入れるかどうかは自由だが，Funcomの経営委員会と監査役会はテンセントの提案の受け入れるよう，ほかの株主達に勧めることを全会一致で決定したとのこと。

　テンセントによるFuncomの買収が成立した場合でも，マネジメントや人員の配置，組織などの変更は計画されておらず，Funcomは独立してこれまでの事業を継続するとしている。
　「Conan Exiles」（PS4版の邦題は「Conan Outcasts」）などで知られるFuncomは昨年2月，フランク・ハーバートの「デューン/砂の惑星」を原作としたMMO（大人数参加型オンラインゲーム）の制作を発表しているが，経営委員会の承認を得たうえで，これまで以上に強力に新作の開発を進めるとしている。詳しくは，公式サイトの発表を参照してほしい。