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[TGS 2019]銀座を日本のeスポーツの拠点に。「コナミクリエイティブセンター銀座 eスポーツ関連施設 概要発表会」レポート
ステージイベントが始まると,コナミビジネスエキスパート代表取締役社長の上原和彦氏と,コナミデジタルエンタテインメント プロモーション企画本部 副本部長の車田貴之氏が,司会の槙嶋範彦アナウンサーに招き入れられた。
まずは,ビジネスデイの来場者向けに近年,KONAMIがeスポーツとして力を入れてきたタイトル(「ウイニングイレブン」シリーズ,「実況パワフルプロ野球」シリーズ,「遊戯王 デュエルリンクス」)と,開催した大会の概要が紹介され,続いてテーマはコナミクリエイティブセンター銀座へと移行した。
「コナミクリエイティブセンター銀座」公式サイト
コナミクリエイティブセンター銀座は,「コナミグループのゲーム開発の拠点」(上原氏)になると共に,ビルの1階から3階は外部の人間も利用できる,eスポーツの複合施設として運用していくという。具体的には「eスポーツ 銀座 studio」「eスポーツ 銀座 store」「eスポーツ 銀座 school」の3つが開設される予定だ。中核として考えているという「eスポーツ 銀座 studio」は,イベントの開催や中継ができるスタジオで,「リアルタイムのCG合成や多言語中継も可能」(上原氏)な機器も導入するとのこと。また,イベントを観戦する場として6m×10mの巨大ビジョンを配置し,国内でも有数の環境を整えていきたいという。
コナミクリエイティブセンター銀座の玄関として1階で展開される「eスポーツ 銀座 store」では,eスポーツにまつわる機材の展示,販売を行う。コナミグループが新たに製造・販売するゲーマー向けPCのほか,他社製品を含む周辺機器,配信機材などを揃え,「せっかく銀座といういい立地に店を構えられたので,将来的にはeスポーツの体験型ショールームにしたい」と上原氏は今後の展望を語った。
「eスポーツ 銀座 school」の説明は,同スクールの校長を務める大田良彦氏が登壇して行った。さらに大田氏のほかスポーツゲーム,カードゲーム,リズムゲーム,シューティングなどで活躍するプレイヤーが登壇し,トークセッションを行なった。参加したのは以下の5人だ。
- 杉村直紀(SOFIAの名で知られる「ウイニングイレブン」の元プロプレイヤー。現在はKONAMI勤務)
- 吉田友樹(たいじ。「実況パワフルプロ野球」,「スプラトゥーン」シリーズのプロプレイヤー)
- コバヤシ シュウヘイ(「Yu-Gi-Oh! World Championship 2019」 デュエルリンクス部門世界王者)
- DOLCE.(KONAMI専属プロプレイヤー。「beatmaniaIIDX」などリズムゲームをプレイ)
- KIZOKU(プロゲームチーム 野良連合オーナー)
5人からは「プロになったあとの活動,稼ぎ方」(吉田氏)や,「セカンドキャリア」を提示できるのか(杉村氏),「ゲームプレイのスキル以外が身につけられるのか」(コバヤシ氏,DOLCE.氏,KIZOKU氏)といった質問が寄せられた。
大田氏は,eスポーツ 銀座 schoolはプロゲーマー向けの実技を教えるだけの場ではなく,配信や動画編集のスキル,実況,eスポーツビジネス(大会の企画,運営)など,「eスポーツに関するさまざまなことが学べる場所にしたい。プロゲーマーになって一瞬だけ輝ければいいという考えはない」と答えた。また,セカンドキャリアやゲーム以外のスキルについては,英語を中心にした語学学習に加えて,自分をプロゲーマー+αとして売り込んでいくためのセルフプロデュース能力やコミュニケーション向上のための授業を取り入れることで解決していくと述べた。
こうした授業には,「ゲームに特化した英語に詳しいネイティブの講師」や,「お笑い系の芸能事務所と提携し,お笑い芸人の人にしゃべり=売り込み方を教えてもらう」といった,具体案も提示された。
登壇者の質問に大田氏がひと通り答えたところで,終了の時間になった。最後に大田氏が「eスポーツの世界を目指そうとしている人の不安を取り除いたり,プロゲーマーが素晴らしい職業であるとことを認知させられる手助けができるスクールにしていきたい」と意気込みを語り,イベントは幕を閉じた。
「東京ゲームショウ2019」公式サイト
4Gamer「東京ゲームショウ2019」特設ページ
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