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任天堂は基本戦略「任天堂IPに触れる人口の拡大」のもと取り組みを3つの柱に整理。経営方針説明会プレゼン内容まとめ
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印刷2019/02/01 13:45

業界動向

任天堂は基本戦略「任天堂IPに触れる人口の拡大」のもと取り組みを3つの柱に整理。経営方針説明会プレゼン内容まとめ

 任天堂は本日(2019年2月1日), 2018年度(2019年3月期)第3四半期決算説明会で経営方針説明会での概要説明資料とプレゼンテーション資料を同社のIRイベントページ(リンク)で公開した。決算短信や決算参考資料を基にした各種の数字についてはGamesIndustry.biz Japan Editionに記事を掲載しているので,ここではプレゼンテーションの内容をざっとまとめておこう。

関連記事:GamesIndustry.biz Japan Editionの「スマブラ新作は1208万本を販売。任天堂が2018年度第3四半期の決算を発表」ページ


※以下,画像はプレゼンテーション資料より

2018年のホリデーシーズンにNintendo Switchの普及が一段と進む


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 任天堂取締役社長・古川俊太郎氏によれば,ホリデー商戦を経たNintendo Switch(以下,Switch)は,早いペースで世界中に普及し続けており,とくにソフトウェアの販売は極めて好調であるという。
 ハードウェアのセルスルー(※1)は,国内市場では年末商戦を含む10月から12月の期間で非常に勢いのあった前年を上回り,北米市場ではブラックフライデーを含むホリデー商戦期間に伸びた。そして,ヨーロッパ市場では年間を通じて,前年を上回るペースでセルスルーが伸びたそうだ。

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 2019年1月末時点で,全世界累計でのセルスルーが3000万台を超えているというSwitch。古川氏は,発売時期が異なるため単純な比較はできないと前置きしつつも,SwitchはWiiに近いペースで売れ続けているとし,そして2018年のホリデー商戦を経て,Switchのさらなるビジネス拡大に向け,しっかりとした土台ができたと考えているとまとめている。

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 そんなSwitchは,過去のゲーム機に比べて,アジア地域での販売規模が大きく伸びているという。発売以来の累計セルイン(※)台数のうち,アジア地域向けに出荷された比率を見ると,ニンテンドー3DSでは1%台に過ぎなかった比率が,Nintendo Switchでは7%を占めているとのことだ。

※1 小売りから消費者へ販売すること
※2 メーカーから販売店や卸業者などに納入すること



任天堂の据置型ゲーム機の中で歴代最速の初動記録を打ち立てた「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」


 Switchでは2018年10月から12月にかけて,「スーパー マリオパーティ」(10月5日発売),「ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウイーブイ」(11月16日。以下,ポケモン ピカ・ブイ),「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」(12月6日。以下,スマブラSP)と人気IPの新作のリリースが集中したが,やはりスマブラSPは爆発的に売れているという。
 スマブラSPはセルスルーで1000万本を超え,これは任天堂の据置型ゲーム機の中で歴代最速の初動記録であるとのこと。過去のシリーズタイトルで最も売れたタイトルの生涯累計セルスルーを,発売後わずか4週で上回ったというから驚異的だ。

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 そして古川氏は,スーパー マリオパーティはSwitchの定番タイトルの一つとして継続して販売が伸びることを期待するとし,ポケモン ピカ・ブイについては,今後も多くの人に魅力を伝えてプレイしてもらうことで,今年後半に予定しているシリーズ完全新作(関連記事)の発売へつなげていくとしている。

 なお2018年10月の第2四半期決算説明会で任天堂の定番タイトルの販売ペースが落ちないという話題があったが(関連記事),2017年に発売された「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」「マリオカート8 デラックス」「スプラトゥーン2」「スーパーマリオ オデッセイ」の4タイトルについてはやはり,一定規模のセルスルーの規模を維持したのち,年末に大きく販売が伸びたという。

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 ダンボールを組み合わせて遊ぶことが話題となった「Nintendo Labo」のセルスルーは年末時点で100万セットを超え,現在全米100の小学校で授業に採用されるなど,従来のビデオゲームとは違った形で受け入れられていると分析。
 また,2018年4月から12月までの,ソフトメーカー製タイトル関連の任天堂における売上高は,前年の同期間と比べて2倍強に増えたことが明らかにされている。


基本戦略は「任天堂IPに触れる人口の拡大」。取り組みの3の柱は「ゲーム専用機ビジネス」「モバイルビジネス」「IP展開ビジネス」


 古川氏は,2000年代から現在までの任天堂を取り巻く事業環境の変化と,それに対応した同社の戦略の変遷を説明しつつ,あらためて同社が「任天堂IPに触れる人口の拡大」という基本戦略を今後も採ることを説明。任天堂はその基本戦略のもとで行っている取り組みを「ゲーム専用機ビジネス」「モバイルビジネス」「IP展開ビジネス」という3つの柱として整理したという。

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 ゲーム専用機ビジネスは任天堂の中核ビジネスということで,説明は不要だろう。ちなみにSwitchの有料サービスである「Nintendo Switch Online」の加入数は800万アカウント(無料体験を除く。ファミリープランのメンバーのアカウントを含む)を超えており,今後もサービス内容の拡充に取り組むとのこと。

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 モバイルビジネスに関しては,「ファイアーエムブレム ヒーローズ」iOS / Android)で近くポルトガル語に対応し,南米地域をサービス地域として追加することや,Cygamesのタッグで生まれた「ドラガリアロスト」iOS / Android)でもカナダやイギリス,オーストラリアという英語圏の国をサービス地域として追加するという。
 なお,お伝えしているとおり,「Mario Kart Tour」(マリオカート ツアー)は2019年夏へ配信開始予定時期が変更となったほか(関連記事),スマートデバイス向けゲームアプリ事業で任天堂がLINEと協業することが発表されている(関連記事)。この協業で,スマホ向けアクションパズル「Dr. Mario World」(ドクターマリオ ワールド。iOS / Android)が,2019年初夏に世界市場で配信される予定だ。

 最後にIP展開について。
 Universal Parks & Resortsとのテーマパーク展開に関する取り組みとしては,ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにおける「SUPER NINTENDO WORLD」エリア(関連記事)の建設は,2020年の東京オリンピックまでのオープンに向けて準備が進んでいるとのこと。イルミネーション・エンターテインメントとの「スーパーマリオ」映画(関連記事))についても,2022年頃の劇場公開を目指して進んでいるという。

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 そのほか,Nintendo Laboを活用したパビリオンをKCJ GROUPが運営する「キッザニア東京」「キッザニア甲子園」に出展すること(関連記事),国内初となる任天堂のオフィシャルショップ「Nintendo TOKYO」(ニンテンドートウキョウ)の開店準備を進めていること(関連記事)も,IP展開の具体例として挙げられている。

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