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MicrosoftがPC向けRPGで知られるinXile EntertainmentとObsidian Entertainmentを買収
inXile Entertainmentは,2002年にゲームデザイナーのブライアン・ファーゴ(Brian Fargo)氏がカリフォルニア州ニューポートビーチで設立したゲームメーカーで,「The Bard's Tale」(2004年)や「Torment: Tides of Numenera」(2017年)などのクラシカルなスタイルのRPGが知られている。
2012年4月にはKickstarterで行った「Wasteland 2」(2014年)のキャンペーンを成功させ,クラウドファンディングによる資金調達という新たな開発手法の嚆矢となったことでも有名だ。
一方のObsidian Entertainmentは,inXile Entertainmentにほど近いカリフォルニア州アーバインで2003年,ファーガス・アークハート(Feargus Urquhart)氏やクリス・アヴェロン(Chris Avellone)氏らによって設立された。「Fallout: New Vegas」(2010年),「South Park:The Stick of Truth」(2014年),そして「Pillars of Eternity」(2014年)など,RPG専門のメーカーとして,さまざまなパブリッシャ向けの作品を開発してきた。
興味深いのは,両社がいずれもInterplay Productionsの流れを汲むメーカーであるという点だろう。1983年に南カリフォルニアで設立されたInterplay Productionsは,「Baldur's Gate」や「Descent」などのタイトルによって黎明期の北米ゲーム業界の発展に貢献しているが,設立者は現在,inXile EntertainmentのCEOを務める上記のブライアン・ファーゴ氏だ。
また,Obsidian Entertainmentには,「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のライセンス作品「Icewind Dale」などを開発したInterplay Productions傘下のチーム,Black Isle Studiosの中核メンバーが集まっている。そのため,今回の買収によってルーツを同じくする両社が協力し,Microsoftブランドの下で新たなRPGを開発していく可能性もありそうだ。
Microsoftは,2018年6月に開催されたE3 2018のメディアブリーフィングで,「Forza Horizon」シリーズのPlayground Gamesと,「State of Decay」シリーズのUndead Labs,「Tomb Raider」シリーズのCrystal Dynamics出身者が設立したThe Initiative,「Hellblade: Senua's Sacrifice」のNinja Theory,そして「We Happy Few」を制作したCompulsion Gamesの,以上5社を買収すると発表した。
MicrosoftがXbox部門の組織変更を行って以来,今回のinXile EntertainmentとObsidian Entertainmentを含めて,これまで13社を買収したことになるという。
買収されたメーカーの新作がリリースされるのは,少なくとも今から2〜3年後になると思われ,Microsoftが“次世代コンシューマ機”に向けて企業買収を繰り広げているという見方もできそうだ。果たして,inXile Entertainmentと Obsidian Entertainmentがどのような新作を作ることになるのか,続報を楽しみにしていたい。
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