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ゲームの概念を問いかけるアナログゲームが秋葉原に集合。6月3日まで開催の「これはゲームなのか?展」をレポート
“ゲームの概念を拡張するルールの模索と提案を行う企画展”とあるように,アナログゲームに限らず,“ゲームそのもの”の概念に大きく踏み込んだような作品が多数出展された展示会となっている。
会場内にあるゲームはどれも実際に遊べるというのも特徴で,斬新なアナログゲームとして楽しめるものもあれば,「そもそもゲームとはなんだ?」と改めて考えさせられる哲学的な作品もあった。本稿ではどのような作品が展示されているのか,簡単に紹介していこう。
daitai
daitai(代表作「じゃれ本」など)の作品は,有名なゲームのルールをちょっと変更してみよう,というもの。誰でも知っているリバーシを基本にして,「中央の4つのコマがひっくり返らない」「ゲームを進めるとゲームの勝利条件が変更される」「盤面が見えない状態でゲームを進める」の3つルールそれぞれでゲームが展示されていた。
ひとじゃらし
ひとじゃらし(代表作「集団面接」など)の作品「磁気力タッチ」は,大箱の中に入った小箱の順番や向きを当てるゲーム。小箱にはそれぞれ違う形で磁石が入っていて,指につけた磁石で上をなぞり,反発具合で中身を予想する。絶妙な反発具合によって,分かりそうで分からないという感じの,不思議なプレイ感になっている。
オインクゲームス
オインクゲームス(代表作「海底探検」など)の作品「横断歩道 CROSSWALK」は,子どもの頃に誰もがやったことがあるであろう,“横断歩道”の白いところだけを踏むというゲーム。会場内には横断歩道を模した白線入りのマットが設置され,その上で遊べるようになっている。
また限定販売される「VOID」には,とある秘密があり,SNS上で盛り上がっている。ここに書くのは無粋なので,気になる人は実際に会場へと足を運んで確認してほしい。
Xaquinel
Xaquinel(代表作「狩歌」)は,“あいまいさ”をテーマにしたトランプっぽいカード「NONO Playing Cards」を展示。「まあまあ」「結構」「かなり」という言葉が書かれており,それぞれがどのぐらいの数字なのかを曖昧に判断しつつゲームを進める。判断がしにくいときは,プレイヤーで話し合って決めるようになっているので,コミュニケーションゲームのようにもなっているし,話し合いの結果,新しいルールがその場で決定されたりもする,ゲームメイク的な要素もある。ゲームの終了条件もプレイヤー同士で決めるというのがポイントだ。
itten
itten(代表作「TOKYO HIGHWAY」など)は,縄文土器・貝塚・ストーンヘンジ・雪男といった古い時代に存在したようなものを題材にしたゲーム4作品を展示。
ストーンヘンジを題材にした「ストーンズ,そしてグラヴィティな太陽」は対戦ゲームになっており,ストーンをサークル状のボードに1つ置いたら,天井から吊るされた鉄球を振り子の要領で相手にパスする。この時,鉄球がストーンに当たったり,何かの拍子で崩れたりすると,そのストーンは除外されてしまうという感じだ。ゲームが終わると,本物のストーンヘンジが完成したように見えるのが面白い。ちなみに鉄球は太陽を表している。
するめデイズ
この展示会を主催するニルギリ氏(するめデイズ,代表作「曖昧フェイバリットシングス」)の作品「一年生ゲーム」は,1年単位でゲームを行ってしまおうという壮大な企画。1年間に特定の行動をしたら得点が取れる,という簡単なルールだが,その特定の行動はほかの参加プレイヤーが決めたものになる。来年5月に,誰が一番高い点を出せたか,そして誰がどの条件を書いたのかなどの答え合わせをするパーティを行うとのこと。
「これはゲームなのか?展」は,「ゲームの本質とはなんだろうか?」というのを,見つめ直せるような,ユニークな展示会になっている。ただ,難しいことを考えなくても,とにかくユニークなゲームを見てみたいという人にもオススメできる展示会だ。
6月1日(金)の19:00〜20:30にはレセプションパーティが開催される。これらのゲームを作った人と交流できる機会になっているので,興味のある人はぜひ会場に足を運んでみよう。
〇開催情報
日時:5月29日(火)〜6月3日(日)
時間:12:00〜21:00(6月2日のみ12:00〜18:00)
会場:3331アーツ千代田 http://www.3331.jp
入場料:無料
「これはゲームなのか?展」公式サイト
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