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印刷2018/04/19 12:00

イベント

Tokyo Sandbox出展タイトルの一部を紹介。対戦型STG「RIVAL MEGAGUN」やサイコメトラー少女が自身を探る「アンリアルライフ」など

 2018年4月14,15日,東京の浅草橋ヒューリックホールで“Tokyo Sandbox”が開催された。

 Tokyo Sandboxは,ゲームの展示やステージイベント,カンファレンス,チップチューンアーティストのパフォーマンスなどで構成された,インディーズゲームの複合イベントだ。本稿では,出展されていたタイトルから一部をピックアップして紹介する。


Tokyo Sandbox 公式サイト



あの名作のフォローイングタイトル「RIVAL MEGAGUN」


 デジカがパブリッシングを担当するSpacewave Software開発の「RIVAL MEGAGUN」(関連記事)は,画面左右分割式の対戦型縦スクロールシューティングだ。

 画面構成やシステムは,1996年にオリジナルのMVS版,2016年にPC向けのSteam版がリリースされたADKの「ティンクルスタースプライツ」とよく似ている。それもそのはず,製作者が「ティンクルスタースプライツ」の熱心なファンで,本作はフォローイング的なタイトルであるという。

 ただ,基本的には目の前の敵を倒すことに集中していれば良かった「ティンクルスタースプライツ」に対して,本作は敵フィールドに対する攻撃が手動となっており,自フィールドでの戦いと,敵フィールドの把握や戦術の組み立てが同時に要求される。敵フィールドへの攻撃は,自フィールドの敵機を倒すことで画面端のゲージを上昇させるほど強力なものが発動可能となる。なかなか忙しいゲームシステムだ。
 ゲージが上限まで溜まると,自機が巨大メカと合体して“メガガン”となり,敵フィールドに乱入するという攻撃も行えるようになる。このジャンルに通じた人に分かりやすく言えば,「ティンクルスタースプライツ」から「チェンジエアブレード」になるというわけだ。

 出展版はフレームレートが安定していないのが残念だったが,ベーシックな部分の完成度は非常に高いと感じられたので,製品版に期待したい。製品版は,今冬にPC/PS4/Xbox One/Nintendo Switchで発売と予定されている。

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「Rival Megagun」公式サイト



アナログ感覚のアクションパズル「カミオリ」


 Hanaji Gamesがパブリッシングを担当する「カミオリ」は,TeamOrigamiの制作による,折り紙やハンコといった日本文化的な要素をモチーフとしたタイトル。プレイヤーはフィールドに引いた“折り線”で紙製のフィールドを折ることで,赤いインクで記された足場を転写し,それを使ってキャラクターを目的地まで移動させる。文章にすると若干ややこしいが,画像を見てもらえば直感的に理解できるだろう。

 折り線は,緑の足場には重ねられないので,引ける箇所が限定される。どのような折り線をフィールドに引けて,それで折るとどこにハンコが転写されるかを考えるのが醍醐味の,思考系アクションパズルゲームだ。本作はiOS/Android向けに近日リリースと予定されている。

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 また,Hanaji Gamesは「Peko Peko Sushi」も出展していた。こちらのタイトルに関しては「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第1685回でも紹介しているが,付け加えると音楽の担当が「塊魂」シリーズや「リッジレーサー」シリーズなどでサウンドに携わった三宅 優氏なので,ゲームミュージック愛好家にも注目してほしい一作だ。

「カミオリ」公式サイト



ゲーム開発者のVTuberを主人公としたターン制アクションSTG「おあめどみねぃてぃんぐ!」


 サークル・つぐりやが開発している「おあめどみねぃてぃんぐ!」は,“ターン制アクションシューティング”を謳う,一見すると「ずいぶん欲張ったジャンルだな……」と思えるタイトル。どのような内容なのかというと,プレイヤーのターンでは典型的な横スクロール型のアクションシューティングよろしく敵を攻撃し,敵のターンでは左右移動やジャンプ,防御で攻撃をしのいでいくというものとなっている。現在,Unityroomで第一章が配信されている。

 本作の主人公“おあめ”レトロゲームクリエイター系バンパイアで,本作の開発者であると同時に,ゲームと同名のYouTubeチャンネル「おあめどみねぃてぃんぐ!」においてVTuber(バーチャルYouTuber)としても活動している。ゲーム主人公・ゲーム開発者・VTuberを兼ねるスタイルは,メディアミックスの形としては非常に先進的と言えるだろう。

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つぐりや 公式サイト



迫る弾幕に激烈な弾雨で応える「Rolling Gunner」


 元ケイブのスタッフが開発し,現在「KING OF PRISM プリズムラッシュ!LIVE」iOS/Android)や「戦国アクションパズル DJノブナガ」iOS/Android)のサウンドディレクションなどで活躍する元ZUNTATAのCOSIO氏がサウンドを担当,「スーパーロボット大戦OG」シリーズの戦闘アニメーションなどを手掛けた池田陽朗氏が一部演出を担当ということで注目を集めてきた,PC向け横スクロール弾幕シューティングゲーム「Rolling Gunner」は,いよいよリリースが目前。販売は6月に同人ショップなどで開始する予定で,さらに年末ごろにはSteamでの配信も開始する意向だという。

 本作の自機は,通常型,高機動&前方集中攻撃型,低機動&拡散攻撃型といった,オーソドックスな3種からの選択式。自機には“ローリングガン”というオプションが付随しており,それは入力方向と逆側に攻撃を行う。ショットボタンを長押しすれば,ローリングガンの攻撃方向を固定することも可能だ。

 特徴的なのが,撃破した敵機から出現するエネルギーを一定量集めたときにボムボタン押下で発動できる“パワーアップ”だ。これは画面内の弾消しを行うと同時に自機の攻撃力を強化するもので,既存のタイトルで言えば「デススマイルズ」のシステムと似ている。ただ本作のシステムは弾消しと一定時間のパワーアップに留まらず,パワーアップ中にエネルギーをさらに集めて“リミットゲージ”を上昇させてから,再びボムボタンを押すことで,リミッター解除状態となって強烈な攻撃を敵にお見舞いできる。熾烈な弾丸の応酬を味わいたい人にオススメしたいタイトルだ。

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「Rolling Gunner」公式サイト



トランス感バツグンのパズル的STG「C.C.S.B.」


 サークル・RebRankは,縦スクロールの全方位型シューティングゲーム「C.C.S.B.(シーツーエスビー)」を出展。本作は,Steamで配信されている「RefRain -prism memories-」などを含む“Project Blank(P.N.B)”シリーズの最新作にあたる。プラットフォームはPCで,正式なリリース時期は未定。

 本作のスコアシステムは,通常ショットによる敵の撃破で倍率を上げ,タメ撃ちのM.E.F.A2で敵を誘爆させていくというもの。M.E.F.A2は弾消しと接触した敵を爆発させる効果があり,爆風の範囲に他の敵が巻き込まれると,その敵がさらに爆発。「RIVAL MEGAGUN」の紹介で言及した「ティンクルスタースプライツ」の連爆システムにかなり近い。
 さらに,プレイヤーは画面左下にストック数が表示される“C.Rotation”を消費してフィールドを回転させられる。フィールドを回転しても爆風の位置は画面上で固定されているので,うまく別の敵編隊に爆風を重ねれば,爆発のコンボをさらに重ねられるというわけだ。

 敵には白/黒の属性があり,誘爆は同属性間でしか通じない。高倍率の維持,M.E.F.A2による敵の起爆と弾幕の突破,誘爆の管理,フィールドを回転させるリソースの確保,画面を回転させた後の自機の位置把握など,本作は極めて忙しいシステムになっている。正直言って難度も高いのだが,プレイ時のトランス感はかなりのものだ。

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RebRank 公式サイト



記憶喪失のサイコメトラー少女が主人公「アンリアルライフ」


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 hako 生活のhako氏が開発する「アンリアルライフ」は,サイドビュー形式のアドベンチャーゲーム。主人公はサイコメトリー能力を持った記憶喪失の少女で,その能力を使って先へ進む道を探っていく。能力の使い方は,例えば「絵画が描き換える前の姿」を読み取って,それが指し示していた電灯のスイッチを見つける……などという形だ。

 記憶を失った主人公に付き添い,シナリオ上の案内役となるのは,ワイヤレス通信型信号機の195(という名前)。信号機が喋る不思議な近未来世界で,少女が記憶を失った理由は何なのか,独特な色使いのグラフィックスと共に,完全版を味わってみたいところだ。2018年内のリリースを予定していて,プラットフォームはPC/iOS/Androidとのこと。

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hako 生活 公式サイト



宇宙ネコ


 いわゆる“ヘビゲーム”よろしく,ネズミを食べて伸び続ける猫を操作して,どれだけ伸ばせるかを競う対戦型アクションゲーム「宇宙ネコ」。カジュアルゲームゆえ,あまり述べることはないが,宇宙規模で伸びる猫がかわいい。iOS/Androidで配信中。

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「宇宙ネコ」公式サイト



 本稿で紹介したのは,Tokyo Sandboxに出展されていたタイトルのほんの一端。ピックアップタイトルがシューティングゲームやピクセルアートベースが多めなのは筆者の趣味が丸出しなだけなので,もちろん他のジャンルや3Dポリゴンのゲームも多数出展されていた。

 インディーズゲームらしい異様なタイトルもいくつかあり,例えばksym氏の「KARATE URANAI」はドット絵シェーダーのビジュアルでローポリゴンの空手家っぽいキャラクターが空手ではない動きでぶつかり合い,その結果で占いが行われるという怪作だ。基本的にプレイヤーは傍観するだけで,有料アンロックでどうにかアボカドを投げつけられるようになる。なお,アボカドを投げすぎると農家に怒られる。読者はわけが分からないと思うが,筆者にもどういうことなのか分からない。試合とは何なのか,課金とは何なのか,占いとは何なのかを狂気の淵から問いかける,そんなタイトルと言えるのではないだろうか。言えないかも知れないけど。

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KSYM 公式サイト


 幅広いタイトルのあるディープなインディーズゲームの世界に触れてみたい人は,こういったイベントに足を運んでみてはいかがだろうか。直近だと,来月5月12,13日に京都で“BitSummit Volume 6”が開催される。
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    ライバル・メガガン

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    Peko Peko Sushi

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