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ボルテージ主催「第4回 恋愛ドラマアプリ シナリオ・イラスト大賞」の授賞式をレポート。シナリオ部門最優秀賞は森原すみれさんに
女性向け恋愛シュミレーション「恋愛ドラマアプリ」シリーズを手がけるボルテージが主催する「第4回 恋愛ドラマアプリ シナリオ・イラスト大賞」の授賞式が2016年4月14日に都内で開催された。恋愛ドラマアプリ シナリオ・イラスト大賞は,次世代の優秀なシナリオライター・イラストレーターの発掘と応援を目的にした新人発掘プロジェクトだ。毎年テーマに沿った作品を一般公募で募集し,応募作品の中からシナリオとイラストの各部門で最優秀賞と優秀賞が選出される。また,第2回からはインターナショナル部門も設けられており,北米向けイラストや,英語版シナリオを国内に限らず,世界中から広く募集しているのも特徴だ。2012年にスタートし,4回目の開催となった今回は,インターナショナル部門も含めて応募総数は過去最多だったとのこと。
授賞式には,シナリオ部門・最優秀賞の森原すみれさん,同じく優秀賞のあずきさん,望月碧唯さん,柳田知雪さん,三花さん,イラスト部門・優秀賞のすずさんの6名が出席し,プレゼンターとして登壇した代表取締役社長の横田晃洋氏からトロフィーと賞金(最優秀賞50万円,優秀賞10万円)が手渡された。
続いて登壇した取締役副社長の北島健太郎氏は,コンテストの総評として以下のようにコメントしている。
「今回で4回目の開催となり,また,応募作品数も過去最多となりました。受賞された方だけでなく,ご応募いただいた,この場にいない方々にも大変感謝しております。
イラスト部門では最優秀賞は選出できませんでしたが,全体を,とくに最終審査まで残った作品を見ると,初期のころに比べ非常にレベルが上がっていると感じます。シナリオ部門については,どの作品もベースがしっかりしていて,恋愛ドラマを面白く描いているものが多いと思いました。
最優秀賞の作品は,学生寮が舞台となっていて,相手役がバスケ部のコーチ,という個性的な設定であり,それがストーリーにもうまく活かされていたと思います。また,登場する2人のコーチもそれぞれ人物像が際立っていて,非常に魅力的でした。
これまで受賞された方は,今もボルテージで活躍しておられます。今回,このコンテストを通して皆様とご縁を持てましたので,ぜひこれからも一緒に恋愛ドラマアプリを盛り上げていきたいと考えています。」
また,受賞者と,受賞者コメントを以下にまとめてお伝えしよう。
■シナリオ部門
テーマ:仕事を頑張るアラサー女性に訪れた、最後のモテ期!?
【最優秀賞】
森原すみれさん
「学生寮食堂のお姉さんになりました。」
<コメント>
私は小さいころから物語を考えるのが大好きな子供でした。学生の時も時間さえあれば自分で漫画を描いてみたり、小説をつづったりして過ごしてきました。
そして現在では、ありがたくもシナリオライターとしてお仕事をいただき、日々物語をつづっております。
まだまだ未熟な私ではございますが、受賞する機会をいただき、シナリオライターとしての大きな自信をいただくことができました。この自信を胸に、今後も読み手の方に心ときめくラブストーリーをお届けできるよう日々努力していきたいと思います。
<作品のあらすじ>
木下蛍は、シェフをクビになり、社宅も出ることになった崖っぷちアラサー女子。そんな中開催された同窓会で、高校生当時バスケ部のエースだった日向大地と鳴海遥と再会する。酔いで自分の身の上を話した蛍が目覚めた場所は、2人が指導するN高バスケ部の学生寮だった。蛍の料理の腕を見込んだ日向は、「お前に住まいと職を提供してやる」と言って学生寮の食堂調理師になるよう指名する。
横暴な日向のやり方に反発するものの、部員たちの感謝と笑顔に触れることで自分の調理師としての夢を再確認する蛍。そして言葉少なながらも気にかけてくれる鳴海に徐々に惹かれていく。
そんな中、蛍は部員たちの前で日向に堂々と口説かれ、部屋を訪れた鳴海からも「大地なら木下を幸せに出来る」と告げられてしまう。
鳴海に対する想いを確認した蛍は日向の告白を断ろうとするが、実はその告白は日向が鳴海をたき付けるための嘘だったことが分かる。その後改めて想いを伝え合った2人は、気持ちも新たに寮生活をスタートさせる。
【優秀賞】
あずきさん
「青春のリスタート」
<コメント>
私はボルテージさんの恋愛アプリが大好きで、いつかは自分でもシナリオを書いてみたいという想いを持ったのが、今回の応募のきっかけです。
シナリオ初挑戦ということもあり、最初はセリフや展開を何度も変えたりと、試行錯誤を繰り返しました。特に作品にでてくる“早瀬”というキャラクターはクールであまり感情を表に出すタイプではなかったので、いかに些細な行動や、ふとしたセリフで自分の感情の変化や主人公に対する想いを表していくかということを大切にしました。
私自身もドキドキわくわくしながら書くことができ、とても楽しかったです。今回シナリオ作品としては至らない点も多くあったと思いますが、「優秀賞」という素晴らしい評価をいただくことができ、とてもうれしく思っております。
<作品のあらすじ>
中村里保、28歳。働いている美容室(新店)のオープン準備に追われている中、高校時代にマネージャーとして所属していたサッカー部の同窓会に参加する。そこで再会したのは、当時から人気者だったキャプテンの千葉。そして、すれ違いから自然消滅となっていた、元恋人、早瀬。
千葉から「3年間ずっと好きだった」といきなり告白されるものの、里保はどこか早瀬のことが気になってしまう。2人のことで頭が混乱するあまりお酒に走ると、気がつけば記憶を失っていた。そして、目を覚ました場所はなんと、早瀬の部屋だった。そこで痛感した昔とは違う早瀬との距離、そしてたまたま女性と歩いている早瀬を見てしまった時の居たたまれない気持ち。里保は早瀬のことが好きだということに気付く。
後日、早瀬が里保の働く美容室へ取材に訪れたことをきっかけに、全ては里保の勘違いだったことや、お互いに想い合っていながらもすれ違っていたことが発覚する。想いが通じ合った2人は、共に新たな1歩を踏み出し直そうとしていた。
望月碧唯さん
「迷子の恋の行方」
<コメント>
私が初めて物語を書いたのは、小学校3年生の時でした。その時、周りで漫画を描くのが流行っていて、私もそれに便乗する形で描き始めたのですが、そこから物語を書くのが面白くなり、中学校3年生の時に小説を書き始めました。その時に初めて書いた小説が恋愛アプリにもありそうな、男の子ばかりのバンドの中に女の子が入っていて皆に好かれる、というお話だったのですが、それを読んでいた友達の一人が、朝登校してきて「今日続き書いてきた?最近これ読むために学校に来てるんだよね」って言ってくれて、それが凄く嬉しくて、物書きになろうと思いました。
それから10年以上経ってしまいましたが、ようやくスタートラインに立てたと思います。
今回の賞の受賞が無かったら夢を諦めていたかもしれないので、本当に嬉しく思います。また私自身、俺様の男の人を書くのが苦手だったので、そういった中でこの賞をいただけたのは自信につながりました。
これからも皆さまにドキドキきゅんきゅんしていただけるような、「これを読んだから仕事頑張ろう」「これ読んでテンション上げよう」と思っていただけるような作品を書いていけたらいいなと思っております。
<作品のあらすじ>
立花深雪は高校卒業後東京に出てデザイン会社で忙しく働いていた。
ある日地元で開かれた中学の同窓会で当時仲の良かった桜庭皇と再会する。
そしてその桜庭の呼びかけでやってきたのが当時目立たなかった篠田薫だった。
篠田と話をした深雪は会話の中に篠田からの好意を感じたが、上手く返せず落ち込み桜庭に励まされる。
一ヶ月後、東京に出てきている同級生の集まりに参加する事になった深雪は、駅まで迎えに来てくれた桜庭と共に店へ向かう。そこには篠田の姿もあった。
飲みすぎた深雪は酔いを醒ます為に外に出ると、辺りを見て回るうちに道に迷ってしまう。迎えにきた篠田は昔立花に救われた事があり、それからずっと気になっていたと告白する。そして、駆け付けた桜庭も自分の想いを告白するのだった。
自分の想いに答えを出せずにいた深雪だったが、友人の花絵や篠田からの話を聞き、ようやく自分の想いに気づく。
三週間後、そこには初めてのデートで新たな関係を始めた二人がいた。
柳田知雪さん
「あのキスの意味、教えて」
<コメント>
もともと物語を書くのが好きで小説や脚本は書いていたのですが、なかなかゲームシナリオの書き方が分からず四苦八苦しながら書きました。恋愛ゲームとして評価されるのかどうかとても不安でしたが、今回の受賞で、少し自信をいただき、今後の創作活動の励みにもなったので、嬉しく思います。
今後も私の物語を読んで「このシーンが心に残った」「あそこのセリフが良かったな」と思われるような作品を書いていきたいと思います。
<作品のあらすじ>
エッセイストとして働く木崎梨子(キザキリコ)は、高校生の時から付き合っていた五十嶺ユキト(イソミネユキト)と別れて以来、男性と付き合うことに抵抗を感じていた。そんな折、高校の同窓会で五十嶺と幼馴染である藤城馨(フジシロカオル)と再会する。五十嶺は無口ながらも強引にデートをしようと迫るが、一方的に彼との別れを切り出した梨子は未練を感じつつも迷っていた。
そんな同窓会の帰り道、ひょんなことから藤城の家へと行くことに。パティシエとして働く藤城が作ったケーキを食べ、藤城に心を開き始めた時、梨子は五十嶺と別れた経緯を話し始める。話し終わり、当時のことを思い出し涙する梨子。そんな梨子にふいにキスをしてしまう藤城。
キスのことがはっきりしないまま、五十嶺とのデートへ出かけてしまう梨子だが、その最中に体調を崩してしまい家へ帰ることに。病床で母親がもらってきたというプリンを食べると昔の記憶が蘇る。それは藤城が自分のことを想ってくれていたことの記憶。藤城の気持ちを知った梨子は藤城の気持ちに応えるのだった。
三花さん
「ずっと言いたくて」
<コメント>
5年ほど前、子供から私の子供のころの夢を尋ねられ、その時文章を書く仕事に深く憧れを抱いていたことを思い出しました。
それからしばらくして趣味で恋愛小説を書き始めました。昨年友人から教えてもらった恋愛ドラマアプリに夢中になり出した頃、偶然このコンテストの存在を知りました。私もこんなにも人をドキドキさせるような話を書いてみたい、そう思いコンテストに応募することを決意しました。
でもシナリオを書いたことがなく、書き方を知ることからのスタートでした。何度も無謀な挑戦だと諦めかけましたが、その度に友人たちに励まされ何とか応募することができました。私にとっては応募出来ただけでも凄いことなのに、まさか賞までいただけるなんて正直今でも信じられません。
夢を思い出させてくれた子供たち、励ましてくれた友人たち、そしてチャレンジする機会を与えて下さったボルテージ様には感謝の気持ちでいっぱいです。
<作品のあらすじ>
短大を卒業して銀行に就職した主人公、田島麻衣は、仕事に充実感を感じて頑張るあまり、気がつけば結婚の予定もないまま30歳になってしまっていた。
そんな彼女が高校の同窓会に行き、二人の男と再会する。
一人は恩師の孫で8歳下の石原翔太、もう一人は同級生の北原拓也。
ある日三人でランチをしていると、二人の男が昔のことで言い合いを始めた。
どうやらそれが自分のことらしいと気付き、主人公は戸惑いを隠せない。
だがその途中、石原翔太に祖父(主人公の恩師)が倒れたとの電話が入り、話はうやむやのまま終わってしまう。
それから数日後、主人公は北原拓也と恩師の見舞いへと向かう。
病院の中庭で石原翔太から告白され、また彼の意外な一面を知り、主人公は彼を守ってあげたいと思うようになる。
その気持ちを知った北原拓也は身を引き、主人公を石原翔太のいるホテルへと送り届ける。
主人公と石原翔太は、彼が泊まっているホテルでお互いの気持ちを確認し合うのだった。
■イラスト部門
テーマ1:以下に指定された男性キャラクター(モノクロ)
【1】30代、私服、オレ様、イケメン 全身、表情:微笑・驚く
【2】30代、スーツ、クール、イケメン 全身、表情:困る・怒る
テーマ2:カレがヒロインを顎クイする
【最優秀賞】
該当者なし
【優秀賞】
すずさん
<コメント>
昨年度も応募させていただいたのですが、その時は実力不足で落選してしまいました。しかし、今回このように「優秀賞」をいただけたことで、この一年で少しは成長できていたと自分でも感じることができ、とても嬉しく思っています。この賞に恥じないように、もっともっとイケメンを描けるように精進していきたいと思います。
<作品>
もんさん
※都合により授賞式を欠席されたため,コメントはありません。
<作品>
さらに,授賞式終了後に,シナリオ部門で最優秀賞を授賞した森原すみれさんと,ボルテージの代表取締役社長の横田晃洋氏に,短い時間ではあるが,インタビューする機会を得たので,以下に掲載しよう。
■森原すみれさん ショートインタビュー
4Gamer:
授賞おめでとうございます。最優秀賞という結果を聞いたときの感想をお聞かせください。
ありがとうございます。結果を知ったときは,信じられないという気持ちが大きかったです。最終選考に残ったという知らせを受け取ったときも,最初は疑ってしまったほどで,ネット検索などをして本当に残ったのかいろいろと調べました(笑)。そうやって調べてみて,どうやら間違いないということを確認してから,ようやく信じられましたね。
4Gamer:
どのようなきっかけで応募されたのでしょうか。
森原さん:
ボルテージさんが恋愛アプリの大手だということはもともと知っていたんですが,公式サイトを見ているときに,このコンテストの募集要項を発見して,コンテストのことを知りました。
4Gamer:
ご自身でも恋愛ドラマアプリをプレイするのでしょうか。何かお気に入りのタイトルはありますか。
森原さん:
いくつかプレイしたことがあります。お気に入りを挙げるとしたら「天下統一恋の乱 Love Ballad」ですね。押しキャラは「霧隠才蔵」です!
4Gamer:
今後の目標などはありますか。
森原さん:
そうですね,目標というよりは願望になってしまいますが,今回応募したシナリオは,実際にゲームになるとしたら,もっとああして,こうして,攻略キャラクターも増やして……というように,なんとなく妄想しながら書いていたので,もし本当にゲームになったら嬉しいですね。
4Gamer:
第5回コンテストへ参加を考えている人や,応募を迷っている人にメッセージをお願いします。
森原さん:
応募させていただいたときは,私もまさか授賞できるなんて思っていませんでした。執筆作業も,素敵なテーマと,文字数制限の間で,何回も何回も試行錯誤の繰り返しだったので,作品の提出も締切ギリギリでした。それがこんな結果に結びつくとは思いもよりませんでした。まずは最後まで書ききる,ということを目標に,自分の力を信じてやってみることが大事なのかなと思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
■ボルテージ代表取締役社長 横田晃洋氏 ショートインタビュー
4Gamer:
よろしくお願いします。まずは,今回のコンテストを振り返っての感想をお聞かせください。
コンテストとしてのクオリティは上がってきたなと感じます。特にシナリオに関して,小説やテレビドラマなど,それぞれに合った文章の形式があると思います。恋愛ドラマアプリにも恋愛ドラマアプリなりのコツというか,シナリオ構成の工夫点がいろいろとあるんです。審査では,あくまでドラマアプリにしたときにどうなるか,とういう視点で見ているのですが,その点ではすごくドラマアプリのポイントを押さえた作品が多くなっている印象です。
4Gamer:
第2回からスタートしたインターナショナル部門ですが,イラスト部門を「アニメイラスト」と「グラフィックスイラスト」に分けられたのは,どのような理由だったのでしょうか。
横田氏:
北米で配信しているタイトルでも,アメリカっぽいアニメ調のイラストというものに取り組み初めているんです。実際に「Astoria Fate's Kiss」といったタイトルで採用されていますが,割と需要があるみたいですね。そういった理由で今回部門を設けました。
4Gamer:
今回授賞された人達に今後期待することはなんですか。
横田氏:
ボルテージ作品でもぜひ活躍してほしいと思います。恋愛ドラマアプリのシナリオ自体が,まだ創世期の段階なので,今回授賞された方達は,いずれ創世期から活躍している「大御所」と呼ばれるような存在になっていってほしいですね。
4Gamer:
次回以降に応募を考えている人にアドバイスはありますか。
横田:
審査では恋愛ドラマアプリにしたらどうなるか,という点を見ているので,いろいろなエンターテインメントに触れつつ,ぜひ,配信されている恋愛ドラマアプリにも触れていただいて,ゲームになったらどういったセリフがどう活きてくるのかなど,シナリオ構成のコツなどを吸収していただくといいのかなと思います。
4Gamer:
最後に,ボルテージさんの2016年注目コンテンツはなんでしょうか。
横田氏:
そうですね,恋愛ドラマアプリでは,1月からテレビCMの放送も始まり,ご好評をいただいている「ダウト〜嘘つきオトコは誰?〜」ですね。5月には新ストーリーを追加配信します。それ以降も新たに“キャラ推し新シリーズ”を配信していく予定です。また,男性をターゲットにしたサスペンスアプリ「六本木サディスティックナイト」も,試行錯誤しながら内容を調整しているので注目してもらいたいですね。
4Gamer:
ボルテージさんといえば,東京ゲームショウでインパクトのある出展をされますが,今年も考えていますか。
横田さん:
そうですね(笑),まだ考え中ですが,去年よりもパワーアップして出展したいとは思ってます。
4Gamer:
楽しみにしております。ありがとうございました。
「第4回 恋愛ドラマアプリ シナリオ・イラスト大賞」特設サイト
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