業界動向
「CEDEC 2014」の基調講演者は作家の冲方 丁氏,ウェアラブルコンピューティング研究者の塚本昌彦教授,ゲームクリエイター 名越稔洋氏
今回は基調講演者として,作家の冲方 丁氏,ウェアラブルコンピューティングの研究者である神戸大学大学院 工学研究科の塚本昌彦教授,そしてゲームクリエイターのセガ 取締役CCOの名越稔洋氏が登壇する。それぞれ「物語の力」「ウェアラブルコンピューティングとゲームの展開」「これからのゲームクリエイターに求められるもの」といったテーマで講演が行われるという。そのほかのセッション情報も,公式サイトで随時公開される予定だ。
また,技術面から開発者の功績を称える「CEDEC AWARDS」の,2014年の優秀賞授賞者(最優秀賞ノミネート)も決定したようだ。「エンジニアリング」「ビジュアル・アーツ」「サウンド」「ネットワーク」「ゲームデザイン」の5部門,計25の個人とグループがノミネートされており,CEDEC 2014受講者、講演者およびCEDEC運営委員会の投票により,各部門の最優秀受賞者が決定される。各部門の最優秀賞の発表および「特別賞」「著述賞」の授賞式は,CEDEC 2014 2日目にあたる,9月3日夕刻より執り行われる予定となっている。
なお,CEDEC受講用パスの一つ「レギュラーパス」(会期の3日間有効)の受講料が5000円の割り引きとなる早期割引受付は7月31日までなので,申込予定の人はお忘れなく。
「CEDEC 2014」公式サイト
日本最大のコンピュータエンターテインメント
開発者向けカンファレンス
CEDEC 2014
基調講演の講演者、テーマを決定
「CEDEC AWARDS」 5部門の優秀賞発表、
最優秀賞投票受付を開始
2014年9月2日(火)から4日(木)までの3日間、パシフィコ横浜(横浜市・みなとみらい)において開催する、日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス 2014」(略称:CEDEC 2014、CEDEC=セデック:Computer Entertainment Developers Conference)は、このほど基調講演の講演者および講演テーマを決定しました。
コンピュータエンターテインメント業界内外の有識者の登壇が毎年注目を浴びるCEDECの基調講演。本年は、作家の冲方丁氏、神戸大学大学院 工学研究科の塚本昌彦教授、そして株式会社セガ 取締役CCOの名越 稔洋氏が登壇します。コンピュータエンターテインメントには欠かせない「物語の力」、ウェアラブルコンピューティングとゲームの展開、そして、これからのゲームクリエイターに求められるもの、といったテーマで講演が行われます。
このほかのセッション情報も、公式Webサイトにて順次公開しております。また、「レギュラーパス」の受講料が5,000円の割り引きとなる早期割引受付期間は、今月末の7月31日(木)までとなります。詳しくは公式Webサイトをご覧ください。
コンピュータエンターテインメント開発の進歩へ顕著な功績のあった技術にフォーカスし、技術面から開発者の功績を称える『CEDEC AWARDS』の2014年の優秀賞授賞者(最優秀賞ノミネート)を決定しました。授賞者は、「エンジニアリング」「ビジュアル・アーツ」「サウンド」「ネットワーク」「ゲームデザイン」の5部門・計25の個人とグループです。(別紙参照)
選考は、CEDEC 2013受講者アンケートで上位に選ばれた講演者の方々と、CEDEC 2014のセッションを選定するプログラムワーキンググループの各分野のプロデューサーとで組織する「CEDEC AWARDS 2014ノミネーション委員会」が行いました。
この25の個人とグループの中からCEDEC 2014受講者、講演者およびCEDEC運営委員会の投票により、栄えある各部門の最優秀賞授賞者各1組を決定します。また、CEDEC運営委員会では、コンピュータエンターテインメント開発全般に貢献した方を表彰する「特別賞」と、ゲーム関連書籍の著者に贈る「著述賞」も後日決定し、発表します。各部門の最優秀賞の発表・授賞式、および、「特別賞」「著述賞」の授賞式は、CEDEC 2014会期2日目の9月3日(水)夕刻より実施します。
※優秀賞授賞者(最優秀賞授賞ノミネート)一覧および実施概要は、CEDEC 2014公式Webサイトをご覧ください。
CEDEC 2014では、各セッション会場に、車いすなどで来場する受講者に向けて「優先席」を設けることとしました。これは、CEDECとしては、初めての試みとなります。詳細については後日公式サイトにてお知らせいたします。
【CEDEC 2014 基調講演】
http://cedec.cesa.or.jp/2014/program/KN/
9月2日(火)には、作家の冲方丁氏が、「物語の力」をテーマに講演します。なぜ人は物語を求めるのか、そもそも物語とはなんであるか、どんな時代にどのように求められてきたか、これから求められる物語はどんなものになると予想されるか、コンピュータエンターテインメントには欠かせない「物語」を掘り下げます。
9月3日(水)には、神戸大学大学院工学研究科・塚本昌彦教授が登壇し、「ウェアラブルコンピューティングの動向とウェアラブルゲームへの展開」をテーマに講演します。「グーグルグラス」や「オキュラスリフト」が注目される中で、コンピュータエンターテインメントがどう変わろうとするのか展望します。
そして、9月4日(木)には、「龍が如く」シリーズを手がけるゲーム業界のトップクリエイターである株式会社セガ 取締役CCO(Chief Creative Officer)名越稔洋氏が、これからのクリエイターの姿を語ります。
● 講演タイトル、講演者略歴(登壇順・敬称略)
9月2日(火)
タイトル:「物語の力」
冲方 丁 (うぶかた とう) / 作家
<略歴>
1977年岐阜県生まれ。96年、大学在学中に「黒い季節」で第1回スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。以後、小説を刊行しつつ、ゲーム、コミック原作、アニメ制作と活動の場を広げ、複数のメディアを横断するクリエイターとして独自の地位を確立する。03年「マルドゥック・スクランブル」で第24回日本SF大賞を受賞。10年に刊行した初の時代小説「天地明察」で2010年本屋大賞、11年大学読書人大賞、第31回吉川英治文学新人賞、第7回北東文芸賞、第4回舟橋聖一文学賞を受賞し5冠を達成。12年に「光國伝」で山田風太郎賞を受賞。他の著書に「ばいばい、アース」「シュピーゲル」シリーズなど多数。13年公開のアニメーション作品『攻殻機動隊ARISE』ではシリーズ構成と脚本を手がける。最新作は新聞七紙で連載され13年11月に刊行された『はなとゆめ』。
9月3日(水)
タイトル:ウェアラブルコンピューティングの動向とウェアラブルゲームへの展開
塚本 昌彦 (つかもと まさひこ) / 神戸大学大学院 工学研究科 教授
<略歴>
1987年 3月 京都大学工学部数理工学科卒業
1989年 3月 京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修士課程修了
1989年 4月 シャープ株式会社入社、研究開発に従事
1995年 3月 大阪大学工学部情報システム工学科講師
1996年 10月 大阪大学工学部情報システム工学科助教授
2002年 4月 大阪大学大学院情報科学研究科助教授
2004年 10月 神戸大学工学部電気電子工学科教授
2007年 4月 神戸大学大学院工学研究科教授(電気電子工学専攻)
現在に至る。
9月4日(木)
タイトル:これからのゲームとゲームクリエイター
名越 稔洋 (なごし としひろ) / 株式会社セガ 取締役CCO(Chief Creative Officer)
<略歴>
1989年セガ入社後、「バーチャファイター」シリーズの制作などに参加。2005年からは全世界で600万本以上のセールスを記録した「龍が如く」シリーズを手がけるゲーム業界のトップクリエイターのひとり。
CEDEC AWARDS 2014
優秀賞授賞者(最優秀賞授賞ノミネート)一覧(敬称略)
【エンジニアリング部門】
・開発者が力を発揮できるプラットフォームを構築
「PlayStation 4」 開発チーム
(株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)
・ゲームエンジンの民主化を更に推進
「Unreal Engine 4」 開発チーム
(Epic Games)
・HDリメイクの在り方を提示
ヘキサドライブ 開発チーム
(株式会社ヘキサドライブ)
・3Dリメイクの在り方を提示
「セガ3D復刻プロジェクト」開発チーム
(株式会社セガ)
・現世代コンソール機におけるグラフィックス技術の指標として君臨
「KILLZONE : SHADOW FALL」 開発チーム
(株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)
【ビジュアル・アーツ部門】
・3DCGゲーム開発黎明期から多くのアーティストを支え続けた陰の立役者
「SOFTIMAGE」 開発チーム
(Autodesk)
・原作の漫画表現をリアルタイムに表現、3Dならではの作品へと昇華
「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」 開発チーム
(株式会社サイバーコネクトツー)
・3DCGによる新たなアニメ表現に挑戦、進化を続ける先駆者
CG作画部スタッッフ一同
(株式会社サンジゲン)
・デジタル表現を次世代を担う若者たちへ分かりやすく啓蒙
「テクネ 映像の教室」 制作チーム
(日本放送協会)
・新世代ビジュアル表現の展覧会、開発者・アーティストへのクオリティ指標を提示
Unreal Engine 4 デモ 「Infiltrator」 開発チーム
(Epic Games)
【ゲームデザイン部門】
・擬人化・女性化という手法を艦船に応用したコンセプトワーク
「艦隊これくしょん」 開発チーム
(株式会社DMM.com/株式会社角川ゲームス)
・アーケードも基本無料としたスマートフォンとの巧みな連携
「ぷよぷよ!!クエスト」シリーズ開発チーム
(株式会社セガ)
・不可視キャラクターを操作する総合的なゲームデザイン
「rain」 開発チーム
(株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)
・地味な作業から政治的と人間的な問題を考えさせるゲーム
Papers, Please
(Lucas Pope)
・大衆にムーブメントを起こした新しいリアルなゲーム体験
リアル脱出ゲーム
(株式会社SCRAP)
【サウンド部門】
・TVスピーカーにおける音響表現の追求と再生環境の改善活動
「FINAL FANTASY XIII」 シリーズ サウンド開発チーム
(株式会社スクウェア・エニックス)
・ファンとの交流を通じてゲーム音楽を文化に昇格させるための積極的取組み
坂本 英城 氏
(株式会社ノイジークローク)
・CDなどのサウンドトラックでは味わえないゲームサウンドの新しい楽しみ方
「NAMCO Sound Player」 サウンド開発チーム
(株式会社バンダイナムコスタジオ)
・ハイレゾ音源を用いたゲームサウンドトラックの新たな可能性の提案
「Before Meteor : FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」
「A REALM REBORN: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」
制作チーム
(株式会社スクウェア・エニックス)
・ゲームオーディオを先駆するサラウンド技術普及と標準化への長期にわたる貢献
元ゲームオーディオ担当チーム
(Dolby Japan 株式会社)
【ネットワーク部門】
・PS4のユーザー自身による体験の配信と共有手段
「PS4 Share」 開発・運営チーム
(株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)
・Wii U GamePad の遅延無き映像音声転送
「Wii U」 開発チーム
(任天堂株式会社)
・オープンな標準化技術で設計されたXbox OneのP2Pネットワークアーキテクチャ
MSの設計部門
(日本マイクロソフト株式会社)
・電話、メールに替わるコミュニケーション手段のインフラ構築と提供
LINEインフラチーム
(LINE株式会社)
・Twitterハッシュタグの日本語対応
日本語ハッシュタグ担当者
(Twitter Japan 株式会社)
「CEDEC 2014」公式サイト
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