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CESAがスマホゲームのガチャに関するガイドライン「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」を発表
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印刷2016/04/27 21:10

ニュース

CESAがスマホゲームのガチャに関するガイドライン「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」を発表

 コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は本日(2016年4月27日),「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」を発表した。
 今回のガイドラインは,その適用範囲を「国内における、『スマートフォン』からインターネットを介してサービス提供会社が提供するゲーム全般」と,スマホゲームの“ガチャ”に絞ったものとなっている。ガイドラインの全文を記事末に引用してあるので,最後まで目を通してほしい。

一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会公式サイト


 順に説明していくと,まず,取得できるガチャアイテムの一覧を,重複の可能性の有無を含めて表示するとしている点がポイントだろう。現在,いわゆる“当たり以外”でどのようなアイテムが排出されるのかという記載を省略しているケースも多く見られるが,ガイドラインを遵守する場合は,それが明確になるわけだ。

 確率については4 -(2)で,全ガチャアイテムの提供割合が分かる表示を遵守するように,と記載されているが,但し書きがある点に注意が必要だ。というのも,代替の表示の選択もできるとされているからだ。中には,「ガチャレアアイテムの提供割合の上限と下限を表示する」「ガチャアイテムの種別毎に、その提供割合を表示する」といった,個別の割合表記を避けることも可能な表示方法もある。
 この項目の前置きに,「全ガチャアイテム提供割合表示に十分に相当するユーザーの分かりやすさを維持し、加えてそれをユーザーに具体的にかつ分かりやすく説明する」とはあるが,こちらもサービス提供会社の自己判断に委ねられるため,全アイテムの提供割合が表示されるかどうかは,ガイドラインに賛同する会社次第ということになる。

 確率についても,取得するための推定金額は,ガチャ1回の課金額の100倍以内,または上限は5万円以内とされているが,「当該上限を超える場合、ガチャページにその推定金額または倍率を表示する」「当該上限を超える場合、ガチャページにその推定金額を表示する」とも記載されている。
 つまり,倍率か推定金額を表示すれば,倍率が1%未満であったり,推定金額が5万円以上に設定されたりする可能性もあると言えるわけだ。

 そのほかガイドラインには,ガチャアイテムの提供割合を変更する場合は変更条件や度合いを表示すること,有料ガチャの運営を担当する部門とは別の部門で検証を行うこと,賛同する協会員の会社は3か月以内に賛同表明を出すこと,賛同表明から1年以内に遵守を開始することなどが記載されている。
 なお,本ガイドラインは“賛同する”サービス提供会社が遵守することになるわけで,強制力があるわけではない点にも留意しておいたほうがいいだろう。

参考:賛同表明の発表を確認できた企業一覧(五十音順)※4月28日22:00更新

エニッシュ
http://www.enish.com/news/2016/14524
カプコン
http://www.capcom.co.jp/ir/news/html/160427.html
gloops
http://gloops.com/news/2016/04/p20160428003/
コーエーテクモゲームス
https://www.koeitecmo.co.jp/news/2016/04/cesa.html
コナミデジタルエンタテインメント
https://www.konami.com/games/corporate/ja/news/release/20160427/?cm_sp=01-_-release-_-20160427
スクウェア・エニックス
http://www.jp.square-enix.com/info/20160427_attention.html
セガゲームス(※PDF)
http://sega.co.jp/wp-content/uploads/2016/04/SHD_SGC_160427_01.pdf
DeNA
http://dena.com/jp/press/2016/04/27/2/
バンダイナムコエンターテインメント(※PDF)
http://bandainamcoent.co.jp/corporate/press/release/62/pdf/20160427-2.pdf


 ちなみに,日本オンラインゲーム協会(JOGA)が,4月1日から改訂版「ランダム型アイテム提供方式を利用したアイテム販売における表示および運営ガイドライン」を施行している(公式サイトの告知ページ ※PDF)が,CESAによる今回のガイドラインも,そちらと類似した内容だと言っていい。
 なお,本稿末尾にJOGAからのリリースも掲載しておくが,今後はこれら3団体が協力して,共通の問題の解決に取り組んでいくとされている。

 いち消費者として見ると,リリースで「有料ガチャによって取得できる全てのアイテムとそれらの提供割合(確率)を表示することを原則といたしました」と記載しつつも抜け道はあるようで,あやふやな対応という印象を受けるところがある。とはいえ,4月27日の段階ではまだ制定・施行されたばかりであり,随時見直しと更新を継続していくとのことなので,今後の動きに注目したい。


<以下,発表文の内容をそのまま掲載しています>



「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」制定に関するお知らせ

 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(以下、当協会)においては、あらゆる年齢層のお客様が安心で安全な環境でゲームを遊べるよう、これまで、様々な施策に取り組んでまいりました。その一環として、倫理に関する自主規制や、「オンラインゲーム運営ガイドライン」の制定を行ったほか、これらの普及啓発活動に積極的に取り組んできたところであります。
 こうした中、昨今のインターネットやスマートフォンの普及に伴うゲーム市場環境の変化や参入企業の多様化により、スマートフォンからインターネットを介して提供されるゲーム(以下、対象ゲーム)の分野において、安心、安全なゲームの利用環境の整備を一層強化する必要性が高まっております。このような環境変化に鑑み、当協会では、お客様の様々なご意見をお聴きし、業界の動向を注視しつつ、「オンラインゲーム運営ガイドライン」の拡充に向けて、関係各所と協議を重ねてまいりました。

 その結果、より安心・安全に対象ゲームをお客様に楽しんでいただく環境整備を強化し、健全な市場発展を目指すための取り組みの一環として、「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」(以下「本ガイドライン」)を本日付で制定することといたしました。

 当協会は、対象ゲームで広く用いられている有料ランダム型アイテム提供方式(以下、有料ガチャ)について、お客様が容易に理解できる環境をご提供することが最重要であると捉え、本ガイドラインにおいて、有料ガチャによって取得できる全てのアイテムとそれらの提供割合(確率)を表示することを原則といたしました。また、他の業界団体様の動向にも鑑み、業界全体で協調して市場の健全発展に取り組む姿勢を明確にしております。これらにより、お客様が必要とする情報を分かりやすい形でご提供することとなり、お客様それぞれの選好に合った購入判断をしていただくことが可能になるものと考えております。

 本ガイドラインは、一定の移行期間を設定しており、その間に対応可能な会員会社から順次速やかに本ガイドラインを遵守した対象ゲームの運営を実施していくことになります。会員会社の対応を加速するため、当協会は、会員会社に対する本ガイドラインの理解活動を進めてまいります。

 また、お客様に対しても、有料ガチャによるアイテムの提供割合(確率)に関するご理解を促進する普及啓発活動を積極的に行っていく所存です。併せて、従前から実施している未成年者に対する課金の自主規制の啓発活動も一層強化して取り組んでまいります。

 当協会は、今後ともお客様や業界内外からのご意見ご要望に耳を傾け、ゲーム業界を取り巻く環境変化を適時に踏まえ、必要に応じ、本ガイドラインの内容および運用方法の見直しを継続的に図ってまいります。

 さらに、一般社団法人日本オンラインゲーム協会(JOGA)様、一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)様、および当協会の 3 団体による連絡会を設け、他の業界団体様と緊密に連携してまいります。このような取り組みを通じて、業界全体として、お客様に、より一層安心・安全にゲームを遊んでいただく環境を整備し、今後ともゲーム業界の健全な成長に貢献していく所存です。

 お客様、関係者のみなさまの本ガイドラインに対するご理解とご支援をお願い申し上げます。

以上

ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン

一般社団法人 コンピュータエンターテインメント協会

1. 基本理念・目的
・ 本ガイドラインは、当協会に加盟するネットワークゲームサービス提供会社(以下、「サービス提供会社」という。)がそれぞれのネットワークゲームを適正に円滑に運営することにより、ユーザーに安心、安全にゲームを楽しんでもらい、健全な市場成長や充実したユーザープレイ環境構築のベースになることを目的とする。
・ 本ガイドラインに賛同する当協会のサービス提供会社は、自己が提供するネットワークゲームにおいて、本ガイドラインに定める事項並にに不当景品類及び不当表示防止法(いわゆる景品表示法)、その他の関係法令を遵守する。
・ 本ガイドラインは、業界や市場の変化に応じて、随時の見直しと更新を継続していく。
・ 当協会及びサービス提供会社は、本ガイドラインの業界内外の理解を深めるための啓発活動を積極的に行っていく。

2. 本ガイドラインの適用範囲
 本ガイドラインの適用範囲は、国内における、『スマートフォン』からインターネットを介してサービス提供会社が提供するゲーム全般、とする。

3. 本ガイドラインの各種用語の定義
A) ランダム型アイテム提供方式
文字、絵、符号等を電磁的に表示した、ネットワークゲーム上で使用できるキャラクター、アイテム等(以下、アイテム等)を、偶然性を利用してアイテム等の種類が決まる方法によって提供する方式をいう。
B) 有料ガチャ
・金銭 ・金銭で購入できる仮想通貨(プラットフォーム又はネットワークゲーム等内において流通するもの) これらを直接の対価として行なうことができるランダム型アイテム提供方式をいう。
C) ガチャアイテム
ランダム型アイテム提供方式により利用者に提供されるアイテム等をいう。
D) ガチャレアアイテム
有料ガチャにより提供されるガチャアイテムであって、同一の有料ガチャにより提供される他のガチャアイテムと比較して、顕著な特徴を有するもの、提供割合が低いもの、または提供数や期間が限定されたもの等、顧 客を誘引する目的で提供されるものをいう。
E) ガチャページ
有料ガチャに関する情報が記載された、各オンラインゲームタイトルの公式サイトのトップページもしくは有料ガチャを提供する各種画面またはこれらのページからリンクされたページ

4. 仕様に関する事項
(1) 有料ガチャにおいては、以下の各号に示す事項を、ユーザーが容易に認識できる場所または方法により表示するものとする。
A) 有料ガチャにより取得できるガチャアイテムの一覧
B) 特定の有料ガチャにおいて、重複するガチャアイテムを入手する可能性がある場合、その旨

(2) 有料ガチャにおいて、サービス提供会社は下記を遵守する。
【全ガチャアイテム提供割合表示】:提供されるすべてのガチャアイテムの提供割合が分かる表示。
また、その表示はユーザーが容易に認識できる場所または方法により表示するものとする。

ただし、サービス提供会社は自己の判断において、全ガチャアイテム提供割合表示に十分に相当するユーザーの分かりやすさを維持し、加えてそれをユーザーに具体的にかつ分かりやすく説明する場合には、全ガチャアイテム提供割合表示に代えて、以下のいずれかを選択することができる。
― いずれかのガチャレアアイテムを取得するまでの推定金額(その設定された提供割合から期待値として 算定される金額をいう)の上限は、有料ガチャ1回あたりの課金額の100 倍以内とし、当該上限を 超える場合、ガチャページにその推定金額または倍率を表示する。
― いずれかのガチャレアアイテムを取得するまでの推定金額の上限は50,000 円以内とし、当該上限を 超える場合、ガチャページにその推定金額を表示する。
― ガチャレアアイテムの提供割合の上限と下限を表示する。
― ガチャアイテムの種別毎に、その提供割合を表示する。

5. 運営に関する事項
(1) 有料ガチャにおいて、キャンペーン企画等の一時的な変更も含め、ガチャアイテムの提供割合を変更する場合、当該変更の条件、変更の度合いを表示するものとする。
(2) 前号に定める表示は、ユーザーが容易に認識できる場所または方法により表示する。

6. 検証に関する事項
(1) 有料ガチャの運営を担当する部門から独立した部門によって、ガチャの仕様の検証を行う
(2) 不適切な事実や不具合が発見された場合、速やかにその事実を表示し、改善策と防止策を実施する。

7. ユーザーからの問い合わせに関する事項
(1) サービス提供会社は、ユーザーから問い合わせを受け付ける窓口を設置する。
(2) 当協会は、サービス提供会社が運営するネットワークゲームに関し、ユーザー又は消費者センター等からの問い合わせを受け付ける窓口を設置する。
(3) 当協会に対するユーザー又は消費者センター等からの問い合わせがある等の場合であって、当協会において対応が必要と判断したときは、当協会はサービス提供会社に対し当該問い合わせの対応に必要な事項の 報告を求めることができるものとし、サービス提供会社は当該求めにすみやかに応じるものとする。

8. 賛同表明
(1) 本ガイドライン制定日現在に当協会の会員であって、本ガイドラインに賛同するサービス提供会社については、制定日から3か月以内を目途にユーザーに分かりやすく賛同表明することとする。
(2) 本ガイドライン制定日以降に当協会に加入した会員であって、本ガイドラインに賛同するサービス提供会社については、加入日から3か月以内を目途にユーザーに分かりやすく賛同表明することとする。
(3) サービス提供会社は、賛同表明から1年以内に、サービス提供会社が提供するネットワークゲームにおいて、遵守を開始するものとする。

以上

2016年4月27日 制定
2016年4月27日 施行



JOGA、CESA、MCF3団体の連携について

一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム
一般社団法人日本オンラインゲーム協会

 一般社団法人日本オンラインゲーム協会(東京都渋谷区、共同代表理事:植田修平、越智政 人、以下 JOGA)と一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム(東京都渋谷区、代表理事:泉 博史、千葉 功太郎、以下 MCF)は、4 月 15 日に会員及び非会員の業界関係者約 200 名が参加 して JOGA ガイドライン解説セミナーを共同開催しました。

 両団体は、多数の業界関係者に参加いただいたセミナーに関して、今後も不当景品類及び不当表示防止法(以下、「景品表示法」)を含むオンラインゲーム関連法規の順守とコンプライアンスの啓発に努めるため、継続的に共同でセミナーを開催していくことにしております。

 また、本日ガイドラインを発表された一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(東京 都新宿区 会長 岡村秀樹、以下 CESA)とも連携してオンラインゲームのコンプライアンスに関する連絡会を作り、団体の枠を超えて共通の問題の解決に取り組んで参ります。

 このような団体間の連携を通じて、業界全体で、お客様に、より一層安心・安全にゲームを楽しんでいただく環境を整備し、今後ともゲーム業界の健全な成長に貢献していく所存です。

2016年4月27日


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