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[gamescom]“稼げる”Android用ゲームをテーマにした講演「Monetise Your Game With Google」をレポート
そのGDC Europe初日となる11日に,「Android用ゲームでいかに利益をあげるか」をテーマにした講演「Monetise Your Game With Google」が,GoogleのBruce Broadbent氏によって行われたので,その模様をレポートする。
さらに同氏は,できるだけアプリの容量を少なくすることも重要だと語る。容量が大きすぎると,ダウンロードやインストールの段階でやめてしまう人が出てきてしまい,機会損失につながるとのこと。
このほか,氏はアプリのパーミッション(アクセス権)についても強調していた。アプリが電話帳やカレンダーのデータにアクセスしようとしたり,システムログを読んだりすることは避けるべきだという。例え悪用していなくても,多くのプレイヤーは個人データをのぞかれていると感じ,そのゲームを遊ばなくなる可能性が高いそうだ。
こうした要素がゲームを作るうえでの最低条件で,次に重要となるのが,ゲームをプレイヤーに見つけてもらうことだと同氏は話す。
プロモーションの方法にはテレビCMやイベントなどさまざまなものがあるが,Broadbent氏は,低予算で展開できるものにスポットを当てて話を進めた。
1つめは,Google Playでの評価に気を使うということ。同氏は4.0以上を理想とし,低評価がつきやすいクリティカルなバグがある状態でのリリースは,絶対に避けるべきと語る。
加えて,プレイヤーのフィードバックに返信をつけるのも重要だという。Google Playでは,プレイヤーと開発者のやりとりがほかの人達にも見えるので,きちんと対応すれば,好印象を与えやすいとのことだ。
2つめは,ゲームのタイトルをなるべく短くし,ゲーム内容が伝わりやすいものにすること。それだけでプレイしてもらえる確率が上がり,さらに,ゲーム内容に関連するキーワードがタイトルに含まれていると,検索でも有利になるそうだ。
3つめに挙げられたのは,ゲームのスクリーンショットやムービーをGoogle Playに掲載すること。同氏は,新しいゲームを探している人達にスクリーンショットを見せず,イメージイラストだけで“釣って”ダウンロードさせるというのは論外だと話す。イラストなどの印象とゲームの中身がかけ離れていると「だまされた」と感じる人が多く,その時点でプレイをやめてしまう可能性が高いという。
一時的にダウンロード数は増えるかもしれないが,評価を下げる要因にもなり,長い目でみればマイナスになるそうだ。もちろん,イラストを使うことが良くないわけではなく,ダウンロードする前からゲームの画面をきちんと見せておくことが重要とのこと。
現状では,その一部のプレイヤーにさらにアイテムを購入させるような仕組みが増えつつあるとBroadbent氏は見ており,それはあまりよくない傾向だと話す。彼らも無尽蔵にお金を使えるわけではなく,やはりどこかで限界がくる。であれば,アイテムを購入したことがない37%の人達に1ドルでもいいから買ってもらう,ということが重要なのだと語る。前者の方が短期間で売上をアップさせられる可能性が高いが,長い目でみると後者の方が効果的だそうだ。
現在,Google Playで安定した収益をあげているゲームは,先述した要素がしっかりと盛り込まれており,プロモーションも積極的に行われているものばかりだ話すBroadbent氏。「小手先のテクニックに走らず基本に忠実に」というと,ある意味あたりまえの結論ではあったが,多くのアプリを管理し,それらの売上を把握しているGoogleによる見解となると,説得力があるといえるだろう。
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