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[CJ2023]中国のコンシューマゲーム開発力はここまできた。SIE上海による「China Hero Project 第3期発表会」に登場した優秀な3作品を紹介
「China Hero Project」とは,2016年の発足以来「Boundary」「ANNO:Mutationem」「フィスト 紅蓮城の闇」などを輩出した,SIE肝いりのプロジェクトだ。とてもインディーデベロッパには見えない,ハイレベルなクオリティの作品を選抜するこのプロジェクトは,これで3期目となる。
発表会では,まずSIE上海プレジデントの江口達雄氏とChina Hero Projectの責任者の包波(Bao Bo)氏が挨拶。江口氏は「China Hero ProjectそしてPlayStationの影響力を利用して,優秀な中国ゲームをサポートし,グローバル市場へと持っていくこと」というChina Hero Projectの目標を,改めて強調した。SIEインディーズイニシアチブ代表の吉田修平氏もビデオメッセージを寄せ,中国デベロッパのポテンシャルや,「China Hero Project」のプラットフォームで中国デベロッパをグローバルへつなげていきたいという期待を語った。
今回発表されたのは,以下の3作品だ。
「逆神者(The God Slayer)」
Pathea Games
インディゲームパブリッシャの顔も持つ,中国・重慶のPathea Gamesが開発。「神を斬る人は,神になる」というキャッチコピーの,オープンワールドアクションRPGだ。まだ開発の初期段階で,今回はビジュアルアートのチラ見せにとどまった。
「从风行(The Winds Rising)」
TiGames
2021年10月に日本でも発売されたアクションゲーム「フィスト 紅蓮城の闇」に続き,TiGamesがこの作品で「China Hero Project」に選ばれた。
ストーリードリブンの作品のため,ネタバレできない部分が多いそうだが,“家族愛”が作品のテーマになるという。プロデューサーは2022年4,5月頃,上海でのロックダウンによって家族と共に長時間家に閉じ込められるという経験をしたという。かつてないほどの“共同時間”の中でトラブルもあったが,作品のインスピレーションにもつながった,とのこと。
「达巴:水痕之地」
DarkStar Games
「Sinner: Sacrifice for Redemption」を開発したDarkStar Gamesの作品で,かなり完成度の高いトレイラーを披露した。作品名にある「达巴」とは,チベット語で“泥”を意味している。主人公は感情を持たない土偶だが,ゲームを進めていくことで徐々に感情が生まれていくという,人間性や感情をテーマにするアクション作品となるようだ。
歴史の波に埋もれたアジア中部文明の雰囲気を,ゲームの中に再現するよう努力しているとのこと。
最後に,今回発表された新作のプロデューサーパネルトークが実施された。
コンシューマゲーム開発は,スマホやPC向けゲームとは異なる部分が多くあることや,まず自分の中のストーリーを自信を持ってプレイヤーに提供すること,表現したいテーマやプレイヤーの習慣に合う操作システムを採用し,クオリティの高いゲームを提供できるよう努めていること,などが語られた。
China Hero Projectでは,今年5月に「潜阈限界(Exiledge)」「觉醒异刃(Awaken - Astral Blade)」「空壳行动(Will-less)」の3作品が発表されており,今回の3作品を加えて,第3期のタイトルは6作品となった。そのうち4作品は,今回のChinaJoyのPlayStationブースでプレイアブル出展となる。
日本に負けじと暑い上海で,7月28日から始まるChinaJoyのPlayStationブースでは,China Hero Projectタイトルの試遊に長蛇の列ができる,そんな気がする。
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