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[TGS 2019]座りっぱなしのゲーマーは体験すべき! 床ずれもなく座骨にもやさしいジェルトロン×明成商会の展示がスゴイ
そもそも明成商会とは,化学品専門の商社で,家電向けの素材から,美容や医療用,LED用,太陽光発電関連製品まで,幅広い分野の製品を扱っている。そうした製品の1つに,パシフィックウエーブという企業のクッション素材である「ジェルトロン」というものがある。
ジェルトロンは,体圧の分散,ずれ。ねじれの吸収,高通気性といった特徴を有する素材だ。これを採用した枕やマット,クッションなどを製品化しているほかに,床ずれ防止にも適することから介護用品としても展開しているという。そんなクッション素材を,なぜゲーム業界,とくにeスポーツに注目して出展を決めたのかと,ブースの説明員に質問してみたところ,
「映像で見たプロ選手たちは,座りっぱなしであった。介護用品としても扱っているジェルトロンなら,(選手の健康維持に)貢献できるのではないか」
という回答が返ってきた。
よくよく思えば,我々ゲーマーは座りっぱなしである。そのため,腰への負担もあれば,座骨へのダメージも心配だ。数時間座っていると,おしりが痛くなってくる人もいるだろう。ジェルトロンを使用したマットレスは,スポーツ選手の間でも愛用者が多いそうで,ゲーマーやeスポーツ選手にとってもパフォーマンスの維持に役立つのでは,と考えて出展したということだった。
宇宙船内でも使われる衝撃緩衝材の研究から生まれたという単純立体構造ジェルを発展させて,立体格子型グミ状ジェルにしたものだ。写真を見ても分かるが,格子状の層が連なる構造をしており,なんとなく似たようなオブジェクトを,ゲーム内で見たことがある人もいるのではなかろうか。
ジェルトロンのメリットはというと,たとえば,指先をクッションに立ててみると,局所的に沈んで圧力を分散する点にある。イメージしてみるとなんとなく分かるかと思うが,格子型でかつ素材に弾力があるため,局所的にヘコむだけでなく,ひねっても圧力を分散する能力は落ちないのだ。加えて,格子状であるために通気性もいい。また耐久性も高く,10年ほどは性能を保てるとのこと。
ちなみに,ブースでは比較用として一般的なウレタンクッションも用意されていた。ウレタンクッションは,2年ほどで性能が劣化してしまうという。
ブースでは,実際にジェルトロンを使った製品によるデモを体験できる。
たとえば,ジェルトロンの上にゴルフボールを置いて。その上に座っても痛くないというデモがあった。
また,ジェルトロンを採用したマットレスと枕の上に寝ると,身体が浮いているというか,カカトなどの接触が気にならないといった不思議な感覚を味わえる。メガネを付けたまま横向きに寝転がっても違和感なく,メガネがズレることもないないといった体験もできた。スタッフ曰く「寝落ちしても大丈夫。VR HMDを付けたまま寝落ちする人がいることを知って,用意してみました」だそうだ。
マットレスはサイズも相応に大きいので,価格は16万円ほどと高い。高いのだが,10年は使えることを考えると,快眠を得られる年間コストとしては安いものだ。またクッションも,類似品と比べれば価格は高めなのだが,効能を考えると,逆に安いんじゃないかと思えてしまう。
また,参考出展として,ジェルトロンを使ったパームレストとリストレストがあった。ゲーマー諸氏においては,長時間プレイによる手首への負担を減らすためにあれやこれやと試したことがあると思うが,その問題を一気に解決する可能性のある仕上がりであり,早く発売してほしいレベルだ。
ジェルトロンのバッグ用ショルダーパッドを試す
ありとなしではまるで別物で疲れにくい
【2019年9月15日追記】 本稿を掲載後,ジェルトロン×明成商会ブースでジェルトロンを使ったショルダーパッドを入手した。TGS 2019の取材装備を詰め込んだバックパックが重量級であっため,早速導入してみたのだが,これが驚くほどいい。そこで実際に使用したインプレッションを追記したい。
今回入手したものは,ジェルトロン×明成商会ブースで販売していた「バッグ用ショルダーパッド」である。サイズはSS,S,M,Lの4種類があり,ショルダーベルトやハンドルなどにマジックテープを利用して後付けできるタイプだ。
サイズごとに,長さと対応可能なベルト幅が異なる。大半のバッグは,SかMで問題なさそうだ。なお,Amazon.co.jpでチェックしてみたところ,価格はSが2052円,Mは2484円だった。
- SS:長さ17cm,対応ベルト幅最大4cm(Amazonアソシエイト)
- S:長さ17.5cm,対応ベルト幅最大4.5cm(Amazonアソシエイト)
- M:長さ23.5cm,対応ベルト幅最大5.5cm(Amazonアソシエイト)
- L:長さ28cm,対応ベルト幅最大8.5cm(Amazonアソシエイト)
検証に使用したバックパックは,マンフロットの「Manhattan ムーバー50」。中身は,取材用としては中装備の扱いで,カメラボディとレンズが2本,ストロボ,小型LEDライトが2個,ノートPCの「MacBook Pro 13」,ケーブル類や予備バッテリー,ストレージを入れたポーチ,充電器が3台などである。
おおよその重量は以下のとおりで,肩にかかる総重量は約9.3kgになる。実際にはこのほかにも細かい物があるし,パックパックは乾燥重量が約1580gなので,実際の重量は10kg近い。
- Manhattan ムーバー50 バックパック:約1580g
- MacBook Pro 13:約1570g
- レンズ SEL70200GM:約1480g
- ストロボ一式(小型レフなど含む):約1200g
- レンズ SEL2470GM:約886g
- いろいろ入ったポーチ:約800g
- カメラ α7RIV:約580g
- バッテリー類:約500g
- 充電器×3:約500g
- 小型LEDライト×2:約300g
Manhattan ムーバー50は,優れたキャパシティがあるバックパックで,中身が重量6kgくらいまでならあまり重さも感じないものの,それ以上になると肩に食い込んで辛い。たとえば,幕張メッセから海浜幕張駅まで背負って歩く間に,肩が疲れるというよりも痛いレベルになる。姿勢も崩れてきて,足腰へのダメージも深刻だ。そのため,車両中心の移動やカートがあるときに限定していた。
では,ジェルトロンのショルダーパッドを付けた状態ではと言うと,TGS 2019の1〜2日目にバックパックを背負って,幕張メッセ〜海浜幕張駅間を往復していたときの感触と比べれば,まるで別モノだった。まず,肩に感じる重量が分散されるので,体感的な重量が減ったように感じる。もちろん,物理的な重量に変化はないのだが,姿勢が崩れず,足への負担もあまり感じないで済んだ。
テスト的に移動速度を速めた場合のフィールも変わらず,クッションが偏って部分的に重みを感じることもナシ。そのまま2kmほど歩いてみたが,時速4km/hをキープしても1時間は歩けそうだった。通気性も向上するため,肩部の蒸れ感も減ると思われる。
筆者の実感からすると,ゲーマー向けのノートPCとキーボード,マウス,人によってはディスプレイも肩がけタイプのカバンやバックパックに入れて持ち運ぶようなゲーマーにはお勧めできるアイテムだ。C4 LAN会場まで気合いで小型PCを含むゲーム用デバイス一式を運ぶ人にもいいだろう。ジェルトロン採用のアームレストやパームレストの登場が楽しみだ。
……クッションも買ってみようかしら。
ジェルトロン公式Webサイト
明成商会のジェルトロン販売サイト「Healthy Port」
4Gamerの東京ゲームショウ2019特設サイト
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