ニュース
[E3 2019]Bethesda Softworksがクラウドゲーム向けストリーミング技術「Orion」をアナウンス
id Softwareが長年にわたり研究を続けていた「Orion」は,クラウド環境におけるゲームエンジンのパフォーマンスを最適化することを目的にしているという。同社の「id Tech 6」だけでなく,サードパーティのいかなるゲームエンジンもサポートするとのことで,一種のミドルウェアに近いテクノロジーであるようだ。ほぼすべてのゲームやゲームエンジン,ストリーミングプロバイダが利用でき,データセンターのサーバーテクノロジーやハードウェアを補完することになるという。
具体的な技術の詳細に関する説明はなかったものの,ストリーミング時のフレームあたり最大20%の遅延低減や,必要帯域の最大40%削減を実現すると謳っている。こうしてレイテンシを劇的に改善することによって,データセンターから遠く離れた場所であっても高品質のゲーム体験が可能になるとのことだ。
海外メディア PC Gamerの記事によると,4K解像度のゲームを60fpsでストリーミングした場合,65時間ほどで1TBものデータ通信量になるという。1TBとはアメリカの一般的なインターネットプロバイダの利用上限だ。例えば,毎日5時間近くゲームを楽しむと,2週間もすれば利用上限に達するという計算になる。
こうした一般ユーザーのストリーミングコストの削減にも,「Orion」は一役買うというわけだ。
会場では,2016年にリリースされた「DOOM」のデモプレイが披露された。スマートフォンにストリーミングされたゲーム画面はPCのハイエンドマシンと比較しても遜色がなく,4K解像度/60fpsのゲームプレイを実現できるとのことだ。
「Orion」はゲームデベロッパやストリーミングプロバイダへのライセンス製品としてリリースされると思われるが,「DOOM」シリーズの公式ファンクラブ「Slayers Club」にサインアップすれば,「DOOM」のパブリックトライアルに参加できるという。日本からの参加については言及されていないが,気になる人はファンクラブのメンバー登録を検討してみるといいだろう。
ベセスダ・ソフトワークス公式サイトの「Orion」アナウンスページ
4GamerのE3 2019記事一覧
- この記事のURL: