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印刷2018/01/17 00:00

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[CES 2018]LG,「FreeSync 2」&「HDR10」対応モデルや「DisplayHDR」対応モデルなどを披露し,HDRディスプレイへの本気度をアピール

LGの液晶ディスプレイコーナー入り口では,ゲーム機を接続した液晶ディスプレイ新製品を用意して,ゲームの体験プレイを行っていた
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 CES 2018でLG Electronics(以下,LG)は,PC用液晶ディスプレイの新製品を複数披露した。

 その中で,4Gamer的に最も注目すべきと言えるのが,ひっそりと展示されていた32インチワイドディスプレイ「32GK850F」だ。
 ざっくりとした製品概要の書いてあるポップ以外に情報がなく,発売時期や想定売価も不明だが,HDR10に対応したうえで,AMDのディスプレイ関連技術「FreeSync 2」にも対応するという点において,注目すべき製品と言えるだろう。

32GK850F。スペックを記したポップ以外の説明書きもないという地味な扱いだったが,その仕様は注目すべき点がある
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 「FreeSync 2とは何か」は西川善司氏が詳しく解説しているので,そちらを参照してもらえればと思うが,大雑把に言えば,HDR表示におけるディスプレイ内部での処理遅延や,HDR対応ディスプレイのスペックをPC側で把握できるようにする機能といった,HDR関連の技術をまとめたものだ。
 「FreeSync 2対応のPC用ディスプレイ」自体はすでにSamsung Electronics(以下,Samsung)が製品化済みだが,Samsungのディスプレイ事業は日本市場から撤退して久しい。一方,LGは多くのディスプレイ製品を日本でも販売しているので,場合によっては,32GK850Fが国内初のFreeSync 2対応ディスプレイとなる可能性があるだろう。

 FreeSync 2以外の仕様も見ておくと,31.5インチサイズで解像度2560×1440ドットのVA液晶パネルを採用し,最大垂直リフレッシュレートは144Hzに対応となっている。また,残像感低減機能の「1ms Motion Blur Reduction」や,暗部の表現力を向上させる「Black Stabilizer」といった具合に,LG製ゲーマー向けディスプレイでは定番の機能も装備しているようだ。

 ゲーマー向け液晶ディスプレイの新製品としてはもう1つ,「34GK950G」にも注目しておきたい。

34GK950G
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 34GK950Gは,LGが「Nano IPS」と呼ぶIPS方式液晶パネルを採用するのが特徴の液晶ディスプレイだ。LGによると,Nano IPSは,不必要な波長の光を吸収する特性を備えたnm(ナノメートル)サイズの粒子を素材に含めることで,輝度や色純度を向上させた液晶パネルとのこと。実際,34GK950Gの色域は,デジタルシネマ向けの色空間規格「DCI-P3」のカバー率にして98%に達しているそうだ。

 液晶パネルサイズは34インチで,解像度は3440×1440ドット,アスペクト比は,LGのお家芸とも言える21:9といった仕様となっている。
 最大垂直リフレッシュレートは100Hz,オーバークロック動作を有効にすると最大120Hzに対応し,NVIDIA独自のディスプレイ同期技術である「G-SYNC」にも対応するという。
 こちらも,価格や発売時期は公表されていないが,日本市場にも積極的にディスプレイ製品を投入するLGだけに,国内販売の可能性は高そうだ。


DisplayHDR 600の液晶ディスプレイが早くも披露

FreeSync対応でゲーム用途にも使えそう


 一方,ゲーマー向けに特化していない液晶ディスプレイでは,DisplayHDR対応を謳う2製品が見どころと言えよう。とくにLGが力を入れて展示していたのが,32インチサイズで解像度3840×2160ドット(以下,4K解像度)のNano IPS液晶パネルを採用する「32UK950-W」である。

32UK950-W
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 32UK950-Wは,最大輝度が600cd/m2(=600nit)に達し,DisplayHDR規格の「DisplayHDR 600」(関連記事)に準拠するのが大きな特徴となっている。色域は34GK950Gと同じくDCI-P3のカバー率98%で,これはDisplayHDR規格のハイエンド仕様である「DisplayHDR 1000」が求める「DCI-P3カバー率90%」をも上回るスペックだ。

Xbox One Xをつないだ状態の32UK950-W。HDR表示の状態かどうかは分からなかった
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32UK950-Wのスタンドには縦回転(ピボット)機能があり,会場では,縦位置にした3枚を並べて6480×3840ドットの画面を構成したデモも見ることができた
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 ディスプレイ同期技術としては,AMD独自の「FreeSync」に対応。ビデオ入力インタフェースとしては,世代不明ながらDisplayPortおよびHDMIに対応し,さらにThunderbolt 3接続もサポートするとのこと。Thunderbolt 3接続したノートPCに対して,最大出力60Wの電力を供給する機能もあるそうだ。

 メーカー想定売価や発売時期は未公表であるが,4K解像度+DisplayHDR 600対応ということで,HDR対応のPC用液晶ディスプレイを欲していた人にとっては,魅力的な選択肢となるかもしれない。

 DisplayHDR 600対応の製品としては,「34WK95U-W」という液晶ディスプレイも展示されていた。34インチサイズで解像度5120×2160ドットと,4K解像度並みの縦方向解像度を備えつつ,横方向の解像度はさらに広いという,アスペクト比21:9の液晶ディスプレイである。
 DCI-P3カバー率が98%である点や,Thunderbolt 3対応などは32UK950-Wと同様だ。ただ,FreeSyncへの対応に関する情報は見当たらなかった。

34WK95U-W。34インチサイズで横解像度は4Kを超える高解像度が魅力だ
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 そのほかに,DisplayHDRには対応していないが,HDR10とFreeSyncに対応する液晶ディスプレイ新製品として,37.5インチサイズで解像度3840×1600ドット,アスペクト比21:9(※正確には21.6:9程度)の湾曲型液晶ディスプレイ「38WK95C」や,27インチサイズで4K解像度の「27UK650-W」といった製品もブースでは確認できた。
 なお,27UK650-Wは国内発売も発表されたので,興味のある人はそちらも参照してほしい。

38WK95C。サイズが大きいのでものすごく横長に見えるが,解像度は3840×1600ドットと,4K解像度よりも縦方向が短い
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27UK650-W。会場ではゲームのデモを披露していた
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まったくゲーム用途向けではないが,27インチサイズで解像度5120×2880ドットという高解像度が特徴の「27MD5KA-B」という製品も展示されていた。コンテンツ制作用途向けの液晶ディスプレイで,Thunderbolt 3接続にも対応する
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 ディスプレイ市場におけるLGのライバルと言って差し支えないSamsungは,少なくともCES 2018のメイン会場にディスプレイを出展していなかった。それもあり,よけいに「HDR推しのLG」が目を惹くCES 2018だったとまとめることができそうだ。

LGのゲーマー向け液晶ディスプレイ製品情報ページ(英語)

LGの液晶ディスプレイ製品情報ページ

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