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NETGEAR,国内初と謳う11ad対応のゲーマー向け無線LANルーター「Nighthawk X10 R9000」を発表。11ac Wave2対応のエクステンダも
現在のところ(少なくとも日本では)11ad対応のクライアント製品はなく,またNETGEARとしてもUSB接続型子機のようなものを投入する計画もないが,「2017年の後半には,(ノートPCやスマートフォン,タブレット端末といった)11ad対応クライアントが出てくると考えている」(Lo氏)とのことだ。
IEEE 802.11ac(以下,11ac)は,2.4GHz帯を使うIEEE 802.11b/gや5GHz帯を使うIEEE 802.11aなど,いわゆるWi-Fiと総称される規格と互換性を保ちながら,理論値最大6.9Gbpsの通信速度を実現した。
それに対して11adは,もともとが,「ミリ波」と呼ばれる60GHz帯を使ってホストとデバイスを接続することを目的とした「WiGig」という仕様を基にしている。WiGigは,「高解像度ディスプレイやストレージといった,広い帯域幅が必要なデバイスを,PCと無線でつなごう」という目的で開発が進められていたもの。それがさまざまな経緯を経てIEEEの標準となった結果が11adという理解でいい。
11acをはじめとする従来のWi-Fiでは,複数のアンテナを束ねる「MIMO」(Multi-Input Multi-Output)を使って通信速度を向上させてきた。11acにはWave1とWave2,2つの世代があり,Wave1では1チャネルあたり80MHzの帯域を使ってMIMOにより1.3Gbpsの通信速度を,Wave2では160MHzの帯域を使って1.7Gbpsの通信速度をそれぞれ実現している(※11acの規格上は最大6.9Gbpsに対応可能だが,そこまで対応した製品はまだ登場していない)。
搭載するプロセッサは4コアモデルで,1.7GHz駆動。有線LANポートは10Gbit
ゲーマー向けエクステンダとして訴求されるもう1つの新製品,Nighthawk X4 EX7300は,5GHz帯で1.7Gbps,2.4GHz帯で450Mbpsの通信速度を確保。Nighthawk X10 R9000をはじめとする11ac Wave2対応のNETGEAR製ルーターだけでなく,他社の11ac Wave2対応ルーターでも利用できるという。
11acの特徴である「MU-MIMO」技術により,同時に最大4台のクライアント端末とアクセスできる機能はもちろん利用可能。また,中継用の電波と子機接続用の電波を分離して,子機の増加による中継速度の低下を低減できるという機能「Fast Lane」も利用可能だ。
「時速80マイルでの移動中でも1Gbps接続可能」なモバイルルーターも8月に投入
Lo氏が説明するところによると,Nighthawkブランド初となるモバイル無線LANルーターは,「時速80マイルでの移動中でも1Gbpsで通信できる,唯一の製品」「持ち運べる1Gbps」とのことだ。
1000BASE-TとUSB Type-CおよびType-Aを搭載 |
端子群とは反対の側面に電源ボタンがあった。底面は滑り止めのラバー付き |
クライアントとは11ac(2x2 MIMO)で接続できるほか,1000BASE-T LANポートも持っているため,ノートPCなどとはワイヤード接続も可能。内蔵バッテリーは5040mAhというスペックである。
ネットギアジャパンによると,現在のところ国内モデルにおける対応LTEバンドは未定。8月の発売に向けて調整を行っていくとのことである。
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ネットギアジャパン公式Webサイト
(記事本文&写真:佐々山薫郁,11ad解説:米田 聡)
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