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ゲームパッドやアーケードゲーム機の「触覚フィードバック」がもっとリアルになる新技術をCEATEC 2016で体験してきた
ちなみに,IoT(Internet of Things,モノのインターネット)という言葉は4Gamer読者も耳にしたことはあると思うが,CPSは初耳という人もいるだろう。CPSとは「Cyber Physical System」の略で,なんでも,実世界のデータをセンサーネットワークで収集して,それを産業や生活にフィードバックするという概念のことだそうだ。概念的にはIoTと被る部分があり,将来的にそれらはCPSへと集約されるであろうということで,現状ではCPS/IoTと表記しているとのこと。
そんなこんなで,ゲームとはますます関係のないイベントになってしまったのだが,会場を取材してみたところ,出展されている技術の中にはゲームにも関係のあるものがいくつかあったため,数回に分けて紹介したいと思う。
磁気粘性流体「SoftMRF」でゲームパッドが進化する?
SoftMRFは,オイルにナノサイズの鉄微粒子を加えたものがベースになっており,磁力がない状態では,安定性のある低粘性の液体となっている。そこに磁力を与えると,鉄微粒子のクラスターが形成されて粘性が高まるというものだ。
入力に対して,アナログなフィードバックを与えられる素材として使用でき,たとえば,スロットルレバーに用いた場合,電動モーターでは得られないような,滑らかなレバーの感覚を得られるという。
応答性にも優れるため,たとえば,ステアリングコントローラに使うと,コーナー進入角とスピードによって重さが変化するハンドルや,マニュアル車のように「コクッ」とした入力感のあるギアチェンジも再現可能となる。
また,特定の値になったらフィードバックをオフにするといった設定も可能だ。たとえば,0〜127という128段階のステアリングホイールがあると仮定して,64をセンターにした場合,ステアリングが64を示す位置にきたら,抵抗がなくなって,「センターだな」と感じられるといったことも実現できるのだ。
低粘度であるため,ゲームパッド程度の小さな筐体にも実装しやすい。ゲーム開発者側が,アナログスティックの入力に対して適度な重さを与えることもできそうだし,ユーザー側がアナログスティックに入力しやすい重さを設定するといったこともできそうだ。マウスやキーボードにも実装できるほどコンパクトな実装も可能ということなので,カスタマイズ性の高いゲーマー向け周辺機器の登場を期待したくなる。
ところが,栗本鐵工所の担当者に聞いてみたところ,「ゲーム関連企業のどこにアタックしていいのか分からない」とのことだった。取り急ぎ,PCや据え置きゲーム関連で思いついた企業をいくつか教えたのだが,SoftMRFが気になった機器メーカーの人は,ぜひアプローチしてほしい。
栗本鐵工所 公式Webサイト
ゲームパッドでの採用を狙うアルプス電子の「ハプティックリアクタ」
「ハプティックリアクタ」と称するこのデバイスは,共振を利用することで,単なる振動の大小では表現できない感触をユーザーに与えられるという。
ブースにあったデモは,2種類の共振モードが用意されており,周波数を重ねることで複数の感触を生み出し,大小のボールが弾む感触を体験できるというものだった。
アルプス電気 公式Webサイト
CEATEC JAPAN 公式Webサイト
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