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ヘッドトラッキング技術を使った3Dサウンドシステム「Waves Nx」のKickstarterプロジェクトがスタート。出荷時期は2016年9月に
仮想空間においてスピーカーの位置は動かないため,ヘッドフォンやヘッドセットを装着したユーザーが正面を向いた状態から右を向けば,音は左から聞こえるようになる。仮想空間には5.1chや7.1chといったスピーカーを配置することもできるため,サラウンドサウンド出力時にも正確な定位を得られるという。
技術そのものは,すでにプロフェッショナル向けに展開中だが,そのコンシューマ向けバージョンをWavesが現在開発中であるというのが,GDC 2016までの話だった。
[GDC 2016]ヘッドフォンをしていても音が横からではなく前から聞こえる技術「Nx」,WavesがVRなどのゲーム用に展開
北米時間2016年6月22日,Wavesは,クラウドファウンディングサービス「Kickstarter」でコンシューマ向けNxのプロジェクトをスタートした。送料別で79ドル以上(※早期特典では59ドル/69ドル以上)を出資すれば,Nx Head Trackerと,音楽やムービー,ゲームでNxを利用するためのソフトウェア――プロ用のプラグインではなく,同じ技術を基にした単体のアプリケーション――を入手できるとのことだ。出荷は2016年9月に開始の予定だそうなので,GDC 2016の時点ではよく分からなかったNX Head Trackerの入手方法が明らかになったわけである。
プロジェクト期間は2016年8月1日までで,プロジェクトゴールは20万ドル。本稿執筆時点では,すでに4万6000ドルを超える出資を集めており,順調な滑り出しを見せている。本稿執筆時点で,500名限定の早期特典となる59ドルの「SUPER EARLY BIRD SPECIAL」は枠が一杯になる直前というほどだ。
Nx Head TrackerはBluetooth機器であるため,技術基準適合証明(いわゆる技適)を取得しないと,日本でそのまま使用するのは違法となる。そのため,Wavesが技適を取得するのか否かが分からない現状では,誰にでも勧められるものではないというのが正直なところだ。とはいえ,少なくともプロ向け市場では日本でも活動しているWavesだけに,今後の動向には注目しておきたい。前述のとおり,Nxの利用にあたってNX Head Trackerの利用は必須ではないため,9月に出るとされるソフトウェアがWebカメラもサポートしてくれれば,その時点からエンドユーザーもNxを利用できるようになるはずだからだ。
NxのKickstarterプロジェクトページ(英語)
Waves公式Webサイト
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