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[CES 2015]いよいよ3月発売。プレイヤーが自分の足で移動できる巨大周辺機器「Omni」の製品候補版を見てきた
Virtuixという新興企業が開発したOmniについては,2014 International CESでもレポートしているが(関連記事),1年前は,小会場で地味に展示されていた。それが今年は,ブースの場所からして,より多くの来場者の目に留まりやすいメイン展示会場である。1年でずいぶんと状況も変わったものだ。
さて,そんなOmniは,Virtuixの用意したSDK(ソフトウェア開発キット)を使って作られたゲームにおいて,プレイヤーが自分の足で移動したりジャンプしたりするのをトラッキングして,それを入力へと変換するデバイスとなる。
そこにOculus VR製の仮想現実対応ヘッドマウントディスプレイ「Rift」や,Microsoft製「Kinect」のようなモーションセンサー,そしてPCと接続できる銃器型コントローラを併用すれば,プレイヤーはゲーム中の兵士や警官などとして,仮想的な空間を文字どおり“体感”できるようになるというのが,大きなポイントだ。
1年前と比べると,製品仕様は大なり小なり変わっているのだが,中でも目を引くのが,専用シューズの甲に用意されたセンサーである。
従来のOmniではでは,中央部が凹んだ床の部分に8個のセンサーが内蔵されており,それで体重の移動やその速度をスピードを感知するというものになっていた,それが最終的には,「センサーを靴に取り付けてしまったほうがいい」という結論になったのだという。このほうがジャンプを含めた認識性はよいらしく,結果として床とシューズは,滑性のみが重視されることになったとのことだ。ボウリング場の床とボウリングシューズみたいなイメージでいいだろう。
専用シューズの甲に装着されたセンサーユニット(とOmniの床) |
シューズの裏には,滑りやすい素材が使われている。シューズは1セットが製品に付属するが,予備を49.99ドルで追加購入することも可能だ |
腰の部分でプレイヤーを支えてくれるリングの支柱調整機構。ぐっと製品っぽくなった |
TraVR Shadow Opsのスクリーンショット |
デモ担当者によると,今回の会場で紹介されていたものは,最終製品版と同じ完成度のものだそうで,すでに,2015年3月とされる正式発売に向けて,量産の目処は立っているとのことだった。
発売時点における対応タイトルは,自社開発のFPS「TraVR Shadow Ops」だけでなく,「Call of Duty: Advanced Warfare」「Minecraft」「Battlefield 4」などといったメジャーなものもラインナップされているので,この手の周辺機器にありがちな「ハードウェアとしては画期的なのだが,プレイできるタイトルが全然ない」という悲しい事態は回避できそうである。
もっとも,その体験レベルを数段階引き上げてくれるはずのRiftが未発売で,この点はとても残念だが……。
価格は699ドルながら,2月1日までに公式Webサイトで予約すると499ドルとなる。一方,日本への送料は,150〜200ドル程度になるとのことで,重量,大きさ,コストのどれをとっても,ハードルはなかなか高い。もちろん,RiftもKinectも,コントローラも別売りだ。
ただ,日本から買えるのも確か。「自宅に一台」という挑戦者が,国内のゲーマーから出てきてくれることを期待したい。
Virtuix公式Webサイト(英語)
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