明日発売のPS5 Proは，PS5と何が同じで何が違う？　基本的な仕様＆いちいち調べるのが面倒な情報まとめ

　PlayStation 5の高性能上位モデル「PlayStation 5 Pro」が明日（2024年11月7日）発売される。SNSを中心に何かと話題になっているPS5 Proだが，“標準版”であるPS5と比べて何が違うのか，細かいところまでしっかり把握している人はそう多くないだろう。


　そこで本稿では，PS5 Proの基本的な仕様や，いちいち調べるのは面倒な情報をまとめてみた。今まで何となく「PS5 Pro買おうかな？　それともPS5でいいかな？」などと思っていた人は，こちらを参考に購入を検討してほしい。

　なお，本記事の制作にあたっては，ソニー・インタラクティブエンタテインメント（以下，SIE）から事前に提供されたPS5 Proを使用した。

目次

• PS5 Proの性能は，PS5とどう違う？
• サイズや重量の違いは？
• 価格は？　PS5との差額は？
• 日本以外の地域ではいくらで販売されている？
• ストレージ容量（空き容量）はどれくらい？
• ストレージの増設はできる？
• 現在使用しているPS5のM.2 SSDドライブや外付けUSBストレージを付け替えて使える？
• Blu-rayディスクドライブは増設できる？
• 現在使用しているPS5のBlu-rayディスクドライブを外して，PS5 Proに付け替えられる？
• 縦置きできる？
• PS5用の周辺機器はそのまま使える？
• PS5の本体カバーはそのまま使える？
• プリインストールタイトルはある？
• PS5 Pro専用タイトルはある？
• PS5タイトルはすべてグラフィックスやフレームレートが向上する？
• PS4タイトルはグラフィックスやフレームレートが向上する？
• PS VR2タイトルはグラフィックスやフレームレートが向上する？
• PS5 Proで新たに対応したIEEE 802.11beって何？
• 外箱はどんなデザイン？

PS5 Proの性能は，PS5とどう違う？

　PS5 Pro最大の特徴は，より進化したグラフィックス性能だ。
　PS5のリードアーキテクトを務めるMark Cerny氏は，PS5 Proのプレゼンテーション映像で，PS5から大きく進化しているポイントとして「Larger GPU」（より強力なGPU），「Advanced Ray Tracing」（より高度なレイトレーシング），「AI-Driven Upscaling」（AIによるアップスケーリング）を挙げ，これを「ビッグスリー」と呼んだ。

PS5 Proを解説するMark Cerny氏

　PS5 ProのGPUは，PS5のGPUと比べ，Compute Unitを67％増量。その結果，レンダリング性能は45％も高まったという。そして，レイトレーシングの処理についても大幅なアップグレードが行われ，性能としてはPS5の2〜3倍にもなるとのことだ。そしてこれに，AIを利用してゲーム画像をピクセルごとに分析する超解像技術「PlayStation Spectral Super Resolution」が加わる。

　PS5タイトルには，画質優先の「フィデリティモード」と，フレームレート優先の「パフォーマンスモード」の2つが用意され，どちらかを選ぶ形のものが多かったが，PS5 Proはそんなトレードオフがない映像体験を楽しめるものになるようだ。

　こういった技術の詳細について，西川善司氏が解説した記事を掲載しているので，そちらも確認してほしい。

サイズや重量の違いは？

　これまでのPS5と，PS5 Proのサイズと重量は以下の通り。ディスクドライブ非搭載のPS5 Proではあるが，現行のPS5と比べてしまうとさすがに大きく，重量もディスクドライブ搭載モデルとほぼ同じ。だが，初期型のデジタルエディションよりも小さく軽い本体となっており，4年間での技術の進歩がうかがえる。

モデル	サイズ（幅×高さ×奥行）	重量
PS5 Pro	約388×89×216mm	約3.1kg
現行型PS5	約358×96×216mm	約3.2kg
現行型PS5 デジタル・エディション	約358×80×216mm	約2.6kg
初期型PS5	約390×104×260mm	約4.5kg
初期型PS5 デジタル・エディション	約390×92×260mm	約3.9kg

右からPS5 Pro，現行PS5，初期型PS5

価格は？　PS5との差額は？

　PS5 Proの価格は11万9980円。現在販売されているPS5（CFI-2000A01）の価格は7万9980円，ディスクドライブ非搭載のPS5 デジタル・エディション（CFI-2000B01）は7万2980円なので，差額は順に4万円，4万7000円となる（価格はいずれも税込）。この差額分の価値を見いだせるかが購入の判断基準になるだろう。

日本以外の地域ではいくらで販売されている？

　円安が進んでいるだけに，海外での価格も気になるところ。北米では699.99ドル（税抜き），EUでは799.99ユーロ（税込），イギリスでは699.99ポンド（税込）となっており，11月5日時点のレートで換算すると，順に10万6118円，13万2566円，13万8395円となる。

　国内の税込価格から消費税分の10％を抜くと10万9072円となるので，北米価格は日本より若干割安。逆にEUやイギリスの価格は，日本より割高ということになる。

ストレージ容量（空き容量）はどれくらい？

　PS5 Proの本体ストレージ容量は2TB。現行のPS5は1TBなので，2倍ということになる。ただし，ストレージ画面に表示されるのは1.89TBで，初期状態での空き容量は1.86TBとなっている。

ストレージの増設はできる？

　PS5と同様に，PCI Express（NVM Express）接続のM.2 SSDドライブと，外付けのUSBストレージの増設が可能だ。

M.2 SSDドライブを接続するには，本体カバーを外してから＋ドライバーでSSDスロットのカバーを外す必要がある

現在使用しているPS5のM.2 SSDドライブや外付けUSBストレージを付け替えて使える？

　PS5で使用していたM.2 SSDドライブや外付けUSBストレージをPS5 Proに接続すれば，そこに記録されているゲームデータやセーブデータにアクセスできる。現在使用しているPS5からのデータ移行はネットワーク経由でも可能だが，こちらを使ったほうが手っ取り早そうだ。

Blu-rayディスクドライブは増設できる？

　PS5 デジタル・エディション用として販売されているUltra HD Blu-rayディスクドライブ（CFI-ZDD1J，税込1万1980円）を接続できる。

現在使用しているPS5のBlu-rayディスクドライブを外して，PS5 Proに付け替えられる？

　現行のPS5（CFI-2000A01）に搭載されているBlu-rayディスクドライブは，上で紹介した「CFI-ZDD1J」なので，これを取り外してPS5 Proに付け替えて使える。初期型PS5からの“移植”は残念ながらできない。

Blu-rayディスクドライブの付け替えにはプラスドライバーなどの工具は不要

縦置きできる？

　
　縦置きは可能だが，縦置き用のスタンドは別売り（税込3980円）。横置き用のフットは本体に同梱されている。フットについてはPS5 Proの開封記事で紹介しているので，そちらを確認してほしい。

縦置き用のスタンドは，現行PS5のものと同じ

PS5用の周辺機器はそのまま使える？

　DualSenseやDualSense Edge，Accessコントローラーに加えて，PULSE Elite ワイヤレスヘッドセットやワイヤレスイヤホンといったオーディオ機器，PS VR2などはPS5 Proでも使用できる。

PS5の本体カバーはそのまま使える？

　現在販売されているPS5用カバーをPS5 Proで使うことはできない。PS5 Pro発表時のPlayStation Blogの投稿（外部リンク）には「PS5 Pro用の本体カバーを発売した際には、カバーを交換することもできます」とあるので，そちらを待つことになりそうだ。

プリインストールタイトルはある？

　PS5と同じく「ASTRO's PLAYROOM」がプリインストールされている。プレイしながら本体やDual Senseコントローラの機能を学べるゲームなので，まずこれを触ってみるのもいいだろう。

「ASTRO's PLAYROOM」

PS5 Pro専用タイトルはある？

　現在のところ「PS5 Proでしかプレイできないタイトル」は発表されていない。PS4 Proにも専用タイトルはなかったので，今後も登場する可能性は低そうだ。

PS5タイトルはすべてグラフィックスやフレームレートが向上する？

　PS5 Proに搭載されている「ゲームブースト」機能で，一部PS5タイトルのパフォーマンスが安定したり向上したりする場合がある。
　それとは別に，PS5 Proに最適化されたタイトルは「PS5 Pro Enhanced」対応となるので，こちらでは確実なグラフィックスの向上が見込める。

　PlayStation.Blogに掲載されている情報（外部リンク）によると，11月5日時点でのPS5 Pro Enhanced対応タイトル数は53。「The Last of Us」や「Marvel’s Spider-Man」といったSIEの人気シリーズだけでなく，「バルダーズ・ゲート3」「ディアブロ IV」「ホグワーツ・レガシー」「Palworld」といったサードパーティタイトルも多数ラインナップされている。

PS4タイトルはグラフィックスやフレームレートが向上する？

　ゲームブースト機能はPS4タイトルも対象。加えて，PS5 Proの設定画面には「PS4ゲームの画質品質の向上」という項目がある。
　こちらも「向上する可能性がある」もので，2160pまたは1440p（60Hz）出力に対応したディスプレイを使っているときのみ有効になる機能だが，対応製品を使っているならオンにしておくといいだろう。

PS VR2タイトルはグラフィックスやフレームレートが向上する？

　発表済みのプレスリリースを確認した限りでは，PS VR2についての言及はなかったが，SIEに確認したところ，「開発者側の対応次第ですが、フレームレートが高くなることやレイトレーシングの効果が強化されることにより体験が向上する可能性があります」という回答があった。

PS5 Proで新たに対応したIEEE 802.11beって何？

　IEEE 802.11beは，2023年12月から国内での利用が可能になった無線LAN規格で，「Wi-Fi 7」のことだ。最大転送レートは，PS5が搭載していたIEEE802.11ax（Wi-Fi 6）の9.6Gbpsから46Gbpsへと，約4.8倍にアップ。遅延についても，前世代のWi-Fi 6/6Eがおおむね20ms以下となっていたのに対し10ms以下，最小1ms以下と大幅な低減が可能とされている。ただし，ルーター側もIEEE 802.11be対応製品でなければ利用できない点には注意が必要だ。

外箱はどんなデザイン？

　いざPS5 Proの購入を決めても，店頭でうっかりPS5の箱をレジに持って行ってしまっては意味がない。外箱のデザインはこちらの記事で確認してほしい。

PlayStation 5 Pro（PlayStation公式サイト）