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持ち歩けるサイズ&高スペック&充実したゲーム機能を備えたAndroidタブレットなら「LAVIE Tab T9」が決定版だ
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印刷2024/03/06 12:00

テストレポート

持ち歩けるサイズ&高スペック&充実したゲーム機能を備えたAndroidタブレットなら「LAVIE Tab T9」が決定版だ

 「持ち運びに適したサイズのタブレット端末で,出先や移動中のちょっとした時間にもゲームを楽しみたい」と考える人は少なくないだろうが,そのニーズに適した製品は,残念なことに少ない。とくに,持ち歩きやすい8インチ級のサイズで,どんなゲームも軽快に動くハイエンドなスペックのタブレットとなると,2021年登場の第6世代「iPad mini」(以下,iPad mini 6)くらいしか選択肢がないのだ。

 そんな状況で登場したNECパーソナルコンピュータ(以下,NEC PC)のAndroidタブレット「LAVIE Tab T9」の2024年モデルは,8.8インチサイズのディスプレイを搭載して約365gという持ち歩きに適したサイズ,重量でありながら,Qualcomm製のハイエンド市場向けSoC(System-on-a-Chip)「Snapdragon 8+ Gen 1」を搭載する高いスペックを備えたタブレット端末だ。

LAVIE Tab T9(PC-TAB09Q01)
メーカー:NECパーソナルコンピュータ
税込価格:10万9780円(※2024年3月6日現在)
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 LAVIE Tab T9は,NEC PCの親会社であるLenovoが海外で販売しているゲーマー向けタブレット「Legion Y700」をベースにしたNEC PCモデルというべき製品で,Legion由来のゲーマー向け機能「ゲームアシスタント」も備えていることで,発表以来注目を集めている。
 本稿では,4Gamerの編集長が私物で購入したLAVIE Tab T9の直販向け「NEC Direct限定モデル」(型番:PC-TAB09Q01)を使って,その性能とゲーマー向け機能の使い勝手を検証してみたい。


iPad miniよりやや大きいが,手に持った印象は変わらない


 それでは,LAVIE Tab T9の外観から見ていこう。

LAVIE Tab T9の前面。フロントカメラは短辺側にあるが,端末としての正位置は横置きだ
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 冒頭でも触れたとおり,LAVIE Tab T9は8.8インチサイズの液晶パネルを備えたタブレット端末だ。ハイエンドクラスのタブレットで競合と言えるiPad mini 6は,8.3インチサイズなので,ディスプレイの対角サイズは0.5インチ(約1.27cm)しか変わらない。
 ただ,LAVIE Tab T9は,ディスプレイ解像度が2560×1600ドット(横置き時,以下同)でアスペクト比16:10であるのに対して,iPad mini 6は,2266×1488ドットでアスペクト比3:2と,縦方向のサイズがだいぶ違う。並べて見ると,その違いは一目瞭然だ。

実測した横幅は約210mm。公称本体サイズは208.5(W)×129.5(D)×7.6(H)mmである
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LAVIE Tab T9(左)と筆者所有のiPad mini 6(右)を並べて。横幅はややLAVIE Tab T9が,縦幅はiPad mini 6のほうが長い
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 たとえば,電子書籍やマンガを読むときは,iPad mini 6のほうが無駄な余白が少ないので適するだろう。一方,スマートフォン向けのゲームは,アスペクト比16:9程度の横長画面を想定して作られたものが多いので,iPad mini 6では上下に余白が生じてしまうようなゲームでも,LAVIE Tab T9なら画面ほぼ全体を使って表示できるはずだ。

縦置きにして,Webブラウザ「Chrome」で4Gamer.netのトップページを表示した状態。縦方向の解像度は300ドットほど差があるはずだが,情報量はあまり変わらない
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 とはいえ,手にしたときのサイズ感は,iPad mini 6とほとんど変わらない。実測の本体重量は約352gで,iPad mini 6の約297gとは60g弱しか差がないので,手に持ったときに違いを感じにくいのも当然といったところか。

実測重量は約352g。iPad mini 6よりは重いが,電車の中で使うのも苦にならない
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背面。アウトカメラ部分が1mm弱ほど出っ張っている
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2基のアウトカメラ(左)は,写真左側が有効画素数約1300万画素,オートフォーカス付きの標準カメラで,右側が有効画素数約200万画素,固定フォーカスの光学2倍カメラだ。横置き時のディスプレイ左側のベゼルには,インカメラとセンサーがある(右)
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 LAVIE Tab T9は,インタフェース部分にも使い勝手を良くする工夫が盛り込まれている。充電や機器接続に使えるUSB Type-Cポートが2つあるのだ。

 筐体の下側面にあるポートは,USB 3.2 Gen 2 Type-Cポートで,DisplayPort Alternate Mode(以下,DP Altモード)にも対応しているので,USB Type-Cハブを接続したり,「XREAL Air」シリーズや「VITURE One」といったサングラス型ディスプレイを接続したりするのにも使える。
 一方,右側面にあるUSB Type-Cポートは,USB 2.0までの対応で,基本的には充電用だ。USB 2.0 Type-Cポートで充電,電力供給しながら,USB 3.2 Gen 2 Type-Cポート経由でテレビやディスプレイにつなぐなんてことが,LAVIE Tab T9なら簡単にできるわけだ。

下側面のUSB Type-Cポート(左)は,DP Altモード対応のUSB 3.2 Gen 2ポートなので,さまざまな周辺機器をつなぐのに適する。もちろん充電も可能だ。右側面のUSB Type-Cポート(右)は,基本的には充電用だ
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 左右側面には,Dolby Atmos対応を謳うステレオスピーカーも内蔵しており,ゲームサウンドをきちんとステレオで再生できる。ちなみに,ヘッドセット接続用の3.5mmミニピンアナログ端子はない。

LAVIE Tab T9の上側面。写真上側がディスプレイ面だ。斜めになっているのは,アウトカメラが出っ張っているため。中央にマイク孔が2つあり,写真右側に「電源/スリープ」ボタンと音量調整ボタンが並ぶ。
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LAVIE Tab T9の下側面。こちらも写真上側がディスプレイ面である。写真左側にmicroSDカードスロットが,中央にUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートがある。スタンド型のUSB Type-Cドックを組み合わせるのもよさそうだ
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LAVIE Tab T9の左側面には,スピーカーの孔が並ぶだけだ
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LAVIE Tab T9の右側面。スピーカー孔とUSB 2.0 Type-Cポートがある
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2022年のハイエンドスマホ並みのスペック。5Gや4G LTEには非対応


 LAVIE Tab T9のスペックも確認しておこう。
 性能面で最も重要なSoCは,冒頭で触れたとおり,QualcommのSnapdragon 8+ Gen 1(型番:SM8475P)を採用する。簡単に言えば,2022年のハイエンド市場向けSoCであり,当時のハイエンドスマートフォン,たとえば「Galaxy S22 Ultra」と,ほぼ同程度か,やや高い程度の性能を有すると考えていいだろう。

 メインメモリ容量は,店頭販売モデルと直販限定モデルで異なり,前者は8GB,後者は12GBとなっている。ゲーム用途前提なら,メインメモリは多い方が望ましい。
 また,内蔵ストレージ容量も,店頭販売モデルは128GB,直販限定モデルは256GBと異なっている。今どきのスマートフォン向けゲームは,10〜20GBくらいのデータサイズは当たり前となっているので,やはりゲーム用タブレットとして使うなら,容量の多い直販限定モデルを選びたいところだ。

SIMカードスロットのように見えるが,microSDカードスロットである
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 なお,LAVIE Tab T9はmicroSDカードスロットを備えており,最大容量128GBまでのmicroSDカードを使ったストレージ容量の拡張も可能である。とはいえ,ゲームは内蔵ストレージにインストールしたほうがロード時間を短くできるので,microSDカードはゲーム以外のデータ,たとえばスクリーンショットの保存先などに使うのがいいだろう。

 先にも触れた8.8インチディスプレイは,解像度2560×1600ドット,アスペクト比16:10の液晶パネルを採用しており,デジタルシネマ向け色空間規格「DCI-P3」のカバー率98%,表示可能な色域も広い。最大リフレッシュレートは144Hz(=144fps)だ。スマートフォン向けゲームで,120〜144Hz表示が可能なゲームはあまりないが,ゲームだけでなくWebブラウザやメッセンジャーアプリのスクロール時にも滑らかな表示が期待できるので,あって損はない。
 また,別売りにはなるが,専用スタイラスを使ったペン入力にも対応している。

専用スタイラスによるペン入力にも対応。写真は別売りの専用本体カバーを取り付けた状態だ
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 ワイヤレス通信機能は,Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)とBluetooth 5.3に対応する。5Gや4G LTEといった携帯電話系の通信機能には対応しない。持ち歩いて使うことを考えると,5G/4G LTE非対応は残念なところ。iPad mini Gen 6の場合,Wi-FiモデルとCellar(4G LTE対応)モデルの価格差が2万4000円なので,最終的な製品価格を考慮すると,致し方ないところか。

 内蔵バッテリー容量は6550mAhで,バッテリー駆動時間は,Webブラウジング時に約10時間である。急速充電も可能で,約60分で満充電が可能であるという。
 充電に関して面白い特徴は,「バイパス給電」という機能を備えていることだ。ゲームはバッテリー消費の激しいアプリなので,プレイ中はスマートフォンやタブレットを充電器につないでいるという人もいるだろう。ただ,バッテリーに使われているリチウムイオン充電池は,充電しながら放電(使用)すると,バッテリーそのものの寿命を縮めてしまう傾向にある。そのためLAVIE Tab T9では,充電器をつないだ状態で使っているときは,あえて充電を行わずに充電器からの電力でタブレットを動作させる機能があるのだ。それがバイパス給電である。
 充電器をつないだままゲームをプレイしていても,バッテリーの劣化を気にする必要がないのは,ささやかだが重要な利点と言えよう。

 LAVIE Tab T9の主なスペックをにまとめておこう。

表 LAVIE Tab T9の主なスペック
メーカー NEC PC
OS Android 13
ディスプレイパネル 8.8インチ液晶解像度2560×1600ドット最大リフレッシュレート144Hz
プロセッサ Qualcomm製「Snapdragon 8+ Gen 1」
・CPUコア:Kyro(最大3.2GHz)
・GPUコア:Adreno
メインメモリ容量 8GB,12GB
ストレージ 128GB+microSD(最大128GB)256GB+microSD(最大128GB)
アウトカメラ 約1300万画素,200万画素
インカメラ 約800万画素
無線LAN対応 Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)
Bluetooth対応 5.3
バッテリー容量 6550mAh
連続駆動時間 最大10時間
USBポート USB 3.2 Gen 2 Type-C×1, USB 2.0 Type-C×1
公称本体サイズ 208.5(W)×129.5(D)×7.6(H)mm
公称本体重量 約365g


ゲームパッドの割り当て機能もあるゲーマー向け機能の充実ぶり


 サイズやスペックも魅力的なLAVIE Tab T9だが,本機をゲーマー向け製品たらしめているのは,充実したゲーマー向け機能の数々を備えることだ。
 LAVIE Tab T9のゲーマー向け機能は,「ゲームアシスタント」にほぼまとめられている。ゲームアシスタントは,ゲームをプレイ中に画面左側から呼び出せるもので,ゲーム中だけの動作モード切り替えや,通知の抑制といったよくある機能だけでなく,スクリーンショットや動画の撮影,バイパス充電のオン/オフなども行える。

「原神」の画面上にゲームアシスタントを表示している様子。アイコンをタップするだけで,通知設定を変えたり,スクリーンショット撮影や動画の録画を行える。アイコンとして表示する機能はカスタマイズ可能だ
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 ゲームアシスタントの対象にするアプリは,Androidの「設定」にあるゲームアシスタントの項目で追加,削除できる。また,ディスプレイのフレームレートもここで変更可能だ。

ゲームアシスタントの対象にするアプリは,ユーザーが選択できる(左)。ゲーム以外のアプリを対象にすることも可能だ。ゲーム実行中のフレームレートも設定アプリで指定できる。ただ,フレームレートを上げるとバッテリー消費も増えるので注意
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録画する動画の画質も,ゲームアシスタントで設定可能だ
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 CPU使用率やフレームレートを,画面上に常時表示しておく「フローティングディスプレイ」という機能もある。グラフィックス設定を調整できるゲームでは,画質とフレームレートのバランスを見るのに役立つだろう。

フローティングディスプレイ。左からCPU使用率,GPU使用率,フレームレート,SoCの温度,バッテリー残量,時計を表示している。フローティングディスプレイの位置は自由に動かせて,邪魔な場合はタップするとFPSの数値だけを表示する簡易モードに切り替えられる
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 なかなか優秀なLAVIE Tab T9のゲームアシスタントであるが,本製品のゲーマー向け機能で,とくに評価したいのは,画面上の仮想ゲームパッドに,ゲームパッドのボタンやスティック操作を割り当てる「キーマッピング」機能を有する点だ。これまでは,一部のゲーマー向けAndroidスマートフォンや,これまた一部のAndroid向けゲームパッドくらいしか備えていない機能である。
 国内の人気スマートフォン向けゲームは,ゲームパッド操作に対応していないものが多いが,LAVIE Tab T9であれば,そうしたゲームでもゲームパッドで操作できるのだ。割り当てられるのはゲームパッドだけでなく,キーボードやマウスを割り当てることも可能であるという。

キーマッピングを有効化する設定画面
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 使いかたは簡単。LAVIE Tab T9にBluetooth接続またはUSB Type-C経由での有線でゲームパッドを接続した状態で,Androidの設定アプリから,「高度な機能」→周辺機器モードを選ぶと,キーマッピングを有効にできる。ここでゲームパッドで操作したいアプリを一覧から選んでスイッチをオンにすれば,該当するアプリを実行しているときだけ,キーマッピングを使えるようになる仕組みだ。

 キーマッピングの設定自体は,仮想ゲームパッドへのボタン割り当て機能としては,ごく普通のものだ。ゲームパッドのボタンで押したい仮想ボタンの上に「通常のキー」を,スティックやD-Padで操作したい仮想ボタンの上には「ステアリングホイール」を置いて,入力に使いたいボタンやスティックを押すだけである。もちろん,ゲームごとに異なる設定を割り当て可能だ。

キーマッピングを使って,原神にゲームパッドの操作を割り当てている様子。ちなみに,Xboxレイアウトのゲームパッドだと,ボタンは「A/B/X/Y」になるが,PlayStation 4純正の「DUALSHOCK 4」を接続すると,自動で「△/○/×/□」に変わる
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 ちなみに,ステアリングホイールは画面上に1つしか置けないのだが,「アンカーを表示」という機能を画面上に置くと,これが右アナログスティックの操作として認識されるので,「左アナログスティックで移動,右アナログスティックでカメラ操作」という設定も問題なく行える。

 「ゲームパッドでプレイしたいスマホゲームがあるのに,ゲーム側が対応していない……」というもどかしい思いを感じたことのある人なら,LAVIE Tab T9の利点を理解できるだろう。


高画質の設定の「原神」や「PUBG MOBILE」も快適プレイ


 さて,LAVIE Tab T9の仕様やゲーマー向け機能を一通り紹介したところで,実際の性能を簡単にテストしてみよう。まずは,筆者が所有しているiPad mini 6も使って,「3DMark」でグラフィックス性能テストを行った。テストに用いたのは,3DMarkのマルチプラットフォーム対応テストである「Wild Life Extreme」だ。

 グラフ1は,LAVIE Tab T9およびiPad mini 6で計測したWild Life Extremeの測定結果だ。バッテリー残量は,どちらも90%以上ある状態で実行した。

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 見てのとおり,両製品のスコア差は1%もなく,ほぼ同じと言えよう。2021年モデルのiPad mini 6に対して,2023年のハイエンドモデルであるLAVIE Tab T9が同じスコアというのは,正直,少し物足りなく思える。ただ,見方を変えると,「iPad mini 6と同じくらいの性能を有する,携帯性に優れたAndroidタブレット」という点に価値があると言えなくもない。

 次に,3DMarkの「Wild Life Extreme Stress Test」で,高負荷時動作の性能変動を確認してみた。
 スマートフォンやタブレット端末では,高負荷で動作させ続けるとSoCが高温になってしまうので,それ以上温度が上がらないように,冷えるまでは性能に制限をかけて最高性能を引き出せなくなる「サーマルスロットリング」が発生することが珍しくない。Wild Life Extreme Stress Testは,Wild Life Extremeを20分間連続で実行することで,熱の影響によるスコアの変動がどれくらい生じるかを調べるものだ。変動が少ないほど,高い性能のままゲームをプレイできることを意味する。

 その結果がグラフ2グラフ3だ。まずグラフ2は,Wild Life Extreme Stress Test中の最大および最小スコアを示している。

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 スコアの最大値は,iPad mini 6のほうが高い。しかし,iPad mini 6は最小値も低い結果となった。それに比べると,LAVIE Tab T9のスコア最大値と最小値の差はかなり小さい。
 グラフ3は,最大値と最小値の差をパーセントで示したものだ。

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 一目瞭然で,LAVIE Tab T9のほうが高負荷状態でも動作が安定しており,ほとんど性能のブレがない。iPad mini 6も8割以上となっているので,決して悪い結果ではないが,少なくともLAVIE Tab T9よりは,ゲームプレイ中に放熱の影響で性能が低下しやすい可能性はありそうだ。

 ゲームでもLAVIE Tab T9の性能を確かめてみよう。まずはお馴染み「原神」を,グラフィックスの「画質」を「最高」に設定したうえで,「フレームレート」を「60」にした状態でプレイしてみた。

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 プレイの感触は,「実に快適」の一言。フローティングディスプレイでフレームレートを横目で見ながらプレイしていたが,ほとんどはゲーム側の上限である60fpsに貼り付いており,ボス戦のような比較的グラフィックス描画の重いシーンでも,50fpsを下回ることはなかった。
 Android版原神は,ゲーム側がゲームパッドに対応していないのだが,LAVIE Tab T9であれば,キーマッピングを使ってゲームパッドでプレイできるので,感覚的にはPC版をプレイするのと変わらない快適さだ。

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 Android版「PUBG Mobile」も,LAVIE Tab T9でプレイしてみた。こちらはグラフィックス品質の設定で,「クオリティ」を「HDR」,フレームレートを左右する「フレーム設定」を「極限」にしてプレイしてみた。この場合,マルチプレイでも,ほとんど60fpsを下回ることはなく,極めて快適であることは原神と同様だ。
 クオリティを「ウルトラHDR」(※エクストリームHDRは選択できなかった),フレーム設定を「ウルトラ」でプレイすると,おおむね40fps程度まで下がる。正直,タブレットの画面サイズでは見た目が顕著に変わるわけではないので,LAVIE Tab T9でPUBG Mobileをプレイするときは,フレームレート重視でクオリティはHDRを選ぶのが適切だろう。

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持ち歩けるゲーム用Androidタブレットの決定版


 長くなったがまとめに入ろう。LAVIE Tab T9は,持ち運びやすいサイズと重量,ハイエンドクラスのスペック,そして充実したゲーマー向け機能のすべてを備えたタブレットである。Androidゲームのプレイを目的としてタブレット端末を選ぶのであれば,本稿執筆時点では最も優れた選択肢と言って過言ではない。
 単純にスペックだけであれば,Samsung Electronics製の「Galaxy Tab S9」シリーズという,さらに高スペックのタブレット端末がある。ただ,こちらは最小サイズでも11インチ級なので,持ち歩いて使うという点では,いささか難がある。カバンに入れて持ち歩き,電車の中や休憩時間にサッと取り出してゲームをプレイする。そんな用途に適するのは,LAVIE Tab T9のほうだろう。

 キーマッピング機能で,ゲームパッド非対応のゲームもゲームパッドでプレイできるようになるのも実にいい。とくにアクション性の高いゲームは,LAVIE Tab T9とBluetoothゲームパッドの組み合わせで,仮想ゲームパッドよりも確実に快適なプレイができるはずだ。

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 USB Type-Cポートが2つあるのも評価できるポイントだ。一方で外部映像出力を使いながら,もう一方で充電できるため,据え置き型ゲーム機のように,LAVIE Tab T9にテレビやディスプレイとBluetoothゲームパッドをつないでゲームをプレイしていても,バッテリー切れの不安を感じることはないわけだ。
 個人的には,ディスプレイ代わりにXREALのサングラス型ディスプレイ「XREAL Air 2」をLAVIE Tab T9につないでゲームをプレイすると,目の前の大画面+ゲームパッドでプレイできるので,Android端末ということを忘れてしまいそうになるほどの体験を楽しめた。

 5Gや4G LTE非対応という点は残念であるが,それを除けば,LAVIE Tab T9は今手に入るゲーマー向けタブレットの決定版と言えるだろう。安価な製品ではないが,それだけの価値はあるはずだ。

NEC PCのLAVIE Tab T9製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    Android端末本体

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