テストレポート
Motorolaの新SIMフリースマホ「Moto Z」&「Moto Z Play」をじっくりチェック。ベンチは不許可でもデレステはプレイしてきた
直販価格は順に8万5800円,5万3800円(いずれも税別)となっているので,単純計算した税込価格は順に9万2664円,5万8104円となる。予約開始は9月27日からで,10月中旬以降の販売予定とのことだが,本稿執筆時点では予約の開始を確認できていない。
Moto Z |
Moto Z Play |
背面にある独自インタフェースに,別売りのオプション機器「Moto Mods」を装着することで,機能を拡張できるというのがMoto Zシリーズ最大の特徴だ。Moto Modsには,光学10倍ズームレンズ付きカメラや拡張バッテリー,ステレオスピーカーやプロジェクタといったものが用意されている。そのほか,色と質感の異なる3種類の背面カバーも取り付けられる。
今回も発表会場でのテストレポートを行う予定だったのだが,残念なことに試用機はベンチマークテストのインストールは不可だったため,筆者定番のテストができなかった。そこで今回は,製品の外観や特徴,スペックなどを中心に,新製品をチェックしてみたい。
最薄部5.2mm! 持つと欲しくなるMoto Z
Moto Zは,まず極端に薄いボディに目が行く。サイズは75.3(W)×155(D)×5.2(H,最薄部)mm。背面上部のカメラユニットが出っ張っているものの,実に薄い。
重量は約134g。同じ5.5インチ級で見ると,「iPhone 7 Plus」が約188gで,「Xperia Z5 Premium」は約181gであるから,Moto Zは薄さだけでなく,軽さのインパクトも大きい。
実際に触れてみると,この薄さ軽さはやたらと物欲を刺激するものがある。筆者はもう,欲しくてたまらない。
2016年9月30日10:40頃追記 Moto Zの写真を掲載すべきところに,誤ってMoto Z Playの写真を掲載しているところがありましたので,修正いたしました。
実際に,ちょっと力を入れて曲げたりひねろうとしたりする程度では,変形はしない。フレームが内部にどう配置されているのかは不明だが,「熱処理にも役立っている」という説明から推測すると,両側面近くに1本ずつ,柱のように設置されているのではないだろうか。
持ちやすさも確認してみたが,見た目に反してグリップしやすいものだった。カーブを描いた側面の形状が効果的なようで,グッと挟んだ感じで持つのに適している。
スペックも充実している。ディスプレイには,5.5インチサイズで解像度1440×2560ドットの有機ELパネルを採用。搭載SoC(System-on-a-Chip)は,Qualcomm製のハイエンドSoCである「Snapdragon 820」(MSM8996)で,メインメモリ容量は4GB,内蔵ストレージ容量は64GBで最大128GBのmicroSDXCカードにも対応など,大手キャリアのハイエンド端末と同等以上のものを備えているのがポイントだ。
バッテリー容量は2600mAhと,5.5インチサイズとしてはやや少なめかもしれないが,薄い筐体ゆえにここは仕方ないだろう。15分程度で最大80%まで充電できる急速充電機能「TurboPower」を備えているので,こまめな充電で対応してくれというところか。
ハイエンドSoCを採用する薄型端末となると,放熱面が気になるところだが,冒頭でも触れたとおり,アプリケーションのインストールができないデモ機ばかりだったので,今回は検証できなかった。製品相当の実機に触れる機会があったら,改めてレポートしたいところだ。
ミドルクラス相応のスペックを備えるMoto Z Play
持ちやすさは既存のスマートフォン並み
続いては,Moto ZシリーズのミドルクラスであるMoto Z Playをチェックしてみた。
見た目はMoto Zの廉価版といった印象で,ディスプレイサイズは同じ5.5インチながら,本体のサイズが76.4(W)×156.4(D)×6.99(H)mmと,とくに厚みの部分が増している。当然ながら重さも増えており,Moto Zの約134gに対して,Moto Z Playは約165gと,30g以上も重い。
厚みが増したためか,Moto Z Playの持ち心地は,既存のスマートフォンと似たようなものだった。Moto Zを手にして,持ち心地に違和感を感じるのであれば,Moto Z Playのほうが好みに合うかもしれない。
スペック面も,ミドルクラス相応のものだ。
Moto Zと同じ5.5インチサイズの有機ELパネルを採用してはいるが,解像度は1080×1920ドットとMoto Zより低い。
搭載SoCは,Qualcomm製のミドルクラスSoCである「Snapdragon 625」(MSM8953)で,メインメモリ容量は3GB,内蔵ストレージ容量は32GBと,これらもMoto Zより低めだ。とはいえ,とくに不足を感じるものでもないだろう。
ただ,厚みが増したことによるものか,バッテリー容量は3510mAhと,Moto Zの約1.4倍も多い。また,DSDSにも対応している。
ビジュアルとスペックで選ぶならMoto Z,価格帯性能比であればMoto Z Playといった選択になるだろうか。
スマートフォンの機能を拡張する外付けオプションのMoto Mods
ゲーム用途に直接関わるものではないが,Moto Zシリーズの特徴であるMoto Modsについても,簡単に見ていこう。現時点では,カメラと拡張バッテリー,スピーカー,プロジェクタの4種類計5製品と,背面カバー3種類の計8製品がラインナップされる予定となっている。
製品名 | 種類 | 直販価格 |
Hasselbrad |
カメラ | 2万8800円 |
Incipio offGRID |
拡張バッテリー | 8800円 |
Incipio offGRID (ワイヤレス充電対応版) |
拡張バッテリー | 1万800円 |
JBL SoundBooster | スピーカー | 1万1800円 |
Moto Insta-Share |
プロジェクタ | 3万3800円 |
Moto Style Shell (スタイルキャップ) |
背面カバー | バリスティックナイロン:1980円 オーク:2980円 レザー:3480円 |
今回は,光学10倍ズームレンズを備えるオプションカメラ「Hasselbrad True Zoom」(以下,True Zoom)と,最大70インチサイズの映像を投影できる「Moto Insta-Share Projector」(以下,プロジェクタ)をチェックしてきた。
ただ,本体とオプション,どちらのバッテリーを使うのか任意に選択できるのか,それとも,本体側のバッテリー残量が一定値以下になったらオプション側から充電できるのかといった点を現場では確認しようとしたものの,回答は得られなかった。
まずはTrue Zoomだが,レンズを正面にして向かって左上にシャッターボタンやリング状のズームレバーがあり,右上にはキセノンフラッシュを装備するという,コンパクトデジタルカメラではよくあるレイアウトを採用している。
そのため,Moto Zシリーズに装着した状態をレンズ側から見ると,まさに「ただのコンパクトデジタルカメラ」といった見た目になるのがポイントだ。
冒頭でも述べたように,今回の試用機ではベンチマークテストが行えなかったのだが,Moto Z Playにゲームをインストールしてのテストだけは許可をもらえたので,プロジェクタのテストを兼ねて,軽く「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(iOS / Android,以下 デレステ)をプレイすることにした。
テスト中の筆者の側を通りがかったモトローラ・モビリティ・ジャパン社長のDanny Adamopoulos(ダニー・アダモポーロス)も,「またゲームかい?」といってくれたので,問題あるまい。
さて,そのプロジェクタだが,Moto Zシリーズに取り付けた状態で,自立させるための簡易スタンドを備えている。スタンドを立てた状態でも,ゲームのプレイはある程度可能だ。ただ,押下圧が強いとスタンドが動いてしまうため,映像を投影しながらゲームをプレイするには,ゲームパッドを用意するといった対策が必要だろう。もちろん,スマートフォンが動かないように支持台を用意してもいいが。
フォーカスの調整は,レンズの横に付いたダイヤルによる手動設定となるが,台形補正は自動的に行うとのこと。スマートフォンに搭載されたセンサーを利用しているようで,投影を始めて数秒ほど安定した状態が続くと,台形補正が実行される仕組みだった。
それではデレステのチェックを始めよう。
まず,チュートリアルの判定は「3D標準」。チュートリアルでのボタンの反応もよく,画面の切り替えもスムーズなものだった。ミドルクラスのSoCとはいえ,ハイエンド機と体感に明確な差はなく,なかなか快適だ。
タッチ&トライの時間が短く,会場の電波状況があまりよくなったこともあり,「お願い!シンデレラ」(難易度Pro)を3D標準でプレイするのが時間的に精一杯だったが,もたつきや取得もれはなく,プレイ自体はとても快適だった。
連続プレイした場合に起こりがちな熱の影響が気になるところだが,現在販売中の「Moto G4 Plus」と同様に,バッテリー消費とバランスを取るチューニングは施されているそうだが,Motorola Mobilityが製造を担当したGoogleの「Nexus 6」に近い作りとのことで,やたらに性能を落としたりはしない,安定感ある挙動を期待できそうだ。
今回はMoto Z Playでのプレイしか試せなかったものの,良好なプレイ感からすると,上位モデルであるMoto Zも,ゲーム用途で期待できるのではないだろうか。
●Moto Zの主なスペック
- メーカー:Motorola Mobility
- OS:Android 6.0.1(Marshmallow)
- ディスプレイパネル:5.5インチ有機EL,解像度1440×2560ドット
- プロセッサ:Snapdragon 820(MSM8996,CPUコア:Krait×4,GPU:Adreno 506,最大CPU動作クロック 1.8GHz)
- メインメモリ容量:4GB
- ストレージ:内蔵(容量64GB)+microSDXC(最大128GB)
- アウトカメラ:有効画素数約1300万画素
- インカメラ:有効画素数約500万画素
- バッテリー容量:2600mAh
- 待受時間:未公開
- 連続通話:未公開
- LTE通信周波数帯:Band 1
/2 /3 /4 /5 /7 /8 /12 /17 /19 /20 /25 /28 /38 /40 /41 - 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
- Bluetooth対応:4.2
- USB:USB Type-C
- 本体サイズ:75.3(W)
× 155(D) × 5.2(H)mm - 本体重量:約134g
●Moto Z Playの主なスペック
- メーカー:Motorola Mobility
- OS:Android 6.0.1(Marshmallow)
- ディスプレイパネル:5.5インチ有機EL,解像度1080×1920ドット
- プロセッサ:Snapdragon 625(MSM8953,CPUコア:Cortex-A53×8,GPU:Adreno 506,最大CPU動作クロック 2GHz)
- メインメモリ容量:3GB
- ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大128GB)
- アウトカメラ:有効画素数約1600万画素
- インカメラ:有効画素数約500万画素
- バッテリー容量:3510mAh
- 待受時間:未公開
- 連続通話:未公開
- LTE通信周波数帯:Band 1
/2 /3 /4 /5 /7 /8 /12 /17 /19 /20 /28 /38 /40 /41 - 無線LAN対応:IEEE 802.11a/n
- Bluetooth対応:4.0
- USB:USB Type-C
- 本体サイズ:76.4(W)
× 156.4(D) × 6.99(H)mm - 本体重量:約165g
モトローラ・モビリティ・ジャパン公式Webサイト
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