44年前のアニメを原作として手描きでコメディの世界を表現する「Danger Mouse: The Official Console Game」，Kickstarterの締め切りが迫る

44年前の原作をリスペクトし，AIを使わない手描きアニメでコメディの世界を表現する

44年前のアニメを原作としたゲーム「Danger Mouse: The Official Console Game」のKickstarterキャンペーンの締め切りが2025年12月14日の3時55分に迫っている。
　「Danger Mouse」は，主人公である白ネズミのエージェント「デンジャーマウス」が相棒のハムスター「アーネスト・ペンフォールド」とともに，世界征服を企む「サイラス・グリーンバック男爵」と戦うコメディアニメである。1981年からの11年間で10シリーズが放映され，2015年に新シリーズが作られた人気作品だ。


　今回のDanger Mouse: The Official Console Gameは，シリーズが2026年に45周年を迎えることを記念し，オーストラリアのメーカーであるArt Of Playが発売する。
　デジタル版はSteam（PC），Nintendo SwitchおよびSwitch 2，PS5およびPS4，Xboxに対応，物理版はNintendo Switch 2およびSwitch版と，PS5およびPS4版がリリースされる予定だ。



　Kickstarterキャンペーンについて，同社は「デンジャーマウスのファンを集めてゲームを作るのを支援していただくことで，制作チームがゲームを形作るのに参加する体験をしていただきたいし，その途上でデンジャーマウスの45歳の誕生日を祝いたい」とコメントしている。

　ゲームについては「TVアニメをプレイするように感じられる」ことがテーマとなっている。モットーとして「NO CHEAP 3D」「NO AI」「REAL PEOPLE, REAL ART」（安っぽい3Dなし，AIなし，本物の人間による，本当のアート）が掲げられ，キャラクターは1フレームごとの手描きアニメーションで表現される。
　ゲームは全15ステージで，デンジャーマウスとペンフォールドの2P協力プレイができるほか，全クリアすると1981年版のルックスも選べるようになる。


　こうした姿勢が支持されたのか，キャンペーンは48時間で目標額の1万オーストラリアドル（約103万円）の500％を達成，原稿執筆時点では800%となる8万2864オーストラリアドル（約860万円）を集めている。
　ピンバッジ，ゲームセンター用のトークン，メガドライブ，ジェネシス（海外版メガドライブ），スーパーファミコン，SNES（海外版スーパーファミコン）のフェイクカートリッジ，Tシャツ，スピンオフ番組の主人公である「ダキュラ伯爵」の登場といったストレッチゴールがすべてアンロックされた。


　プレッジ（支援）は32オーストラリアドル（約3300円）で各機種のデジタル版，69オーストラリアドル（約7200円）でSNESやメガドライブ，ジェネシスをイメージしたパッケージ，74オーストラリアドル（約7700円）で物理版，4740オーストラリアドル（約49万2000円）でアーケード筐体が手に入る。
　発売日は2026年11月が予定されており，FAQによると世界中に発送するとのことだ。


　1981年という昔のアニメがゲーム化され，これをファンたちが祝福するというのは心温まるものがある。手描きアニメーションが再評価され，これをゲーム内で表現できる現代ならではのできごとといえるだろう。
　また，スーパーファミコンやメガドライブ用のフェイクカートリッジが用意されるのも面白いところ。実機で動作するカートリッジを制作するよりも難度が低く，ノスタルジーも表現できる。現行機のゲームと組み合わせられるのもポイントで，今後もこうした特典が増えていきそうだ。