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「ソニックウィングス」シリーズが,26年を経てよみがえる。新作「SONIC WINGS REUNION」発表会&ミニインタビューをお届け
26年ぶりの「ソニックウィングス」シリーズ最新作「SONIC WINGS REUNION」が2025年5月29日に発売へ。当時のスタッフが開発に参加
サクセスは本日(2024年11月8日),新作シューティングゲーム「SONIC WINGS REUNION」を発表し,2025年5月29日にリリースすると発表した。1998年に発売された「ソニックウィングスアサルト」から数えて26年ぶりの新作であり,当時のオリジナルスタッフが開発に参加しているとのこと。
●「ソニックウィングス 新作発表会」出演者一覧
・長友慎也氏(サクセス 開発プロデューサー)
・細井そうし氏(ホスプラグ サウンドディレクター)
・SUZUKAさん(真尾まお テーマソング歌唱)
・MariNaさん(バイオリン演奏)
・池田 稔氏(ゲーセンミカド 経営者兼社長)
「ソニックウィングス」シリーズが,26年を経てよみがえる
「ソニックウィングス」シリーズは1992年から展開するシューティングゲームだ。自機は戦闘機だが,搭乗するパイロットのキャラクター性も重視しているのが特徴で,中でも時を止める能力を買われて戦闘機に乗るアイドル・真尾まおはシングルCDも作られるなど大きなインパクトを与えた。
1998年の「ソニックウィングスアサルト」から長らく新作が作られていなかったが,今年10月にハムスターが配信した「第502回 アーケードアーカイバー スーパーバレー'91スペシャル!」の番組内にて,新作の制作が発表された。今回の発表会では,タイトルと対応機種,画面比率などの具体的な部分が明かされている。
続いては「SONIC WINGS REUNION」の詳細が明らかになった。2025年5月29日となり,対応機種はPC(Steam) / PS5 / Switch)で,PS5 / Switchはパッケージ版も発売され,Steamはダウンロード販売のみとなる。正式には決まってないが,PS4でもダウンロード販売の可能性があるとのこと。
そして,タイトル配信システム「ALL net P-ras MULTI バージョン3」(APM3)を私用してアーケードでの稼働も予定されている。プレイ人数はAPM3版が1人で,ほかは2人同時プレイが可能だ。これはAPM3が基本的に1人プレイ用のシステムであり,2人同時プレイだと通信によるラグが発生するためだという。
形式はもちろんシリーズの伝統を受け継ぐ縦スクロールとなる。シューティングファンとしては画面比率が気になるところだが,ほかのシリーズ作と同様の縦長画面であるという。
Switchといえば,先日後継機でも現Switchのソフトが動作するという発表がされたばかり(関連記事)。長友氏は「後日,後継機用にチューニングしたものも出せればいい」と語っていた。
参戦キャラクターと機体についても明かされた。登場するのは「キートン:F-22」「グリンダ:A-10A」「緋炎:F-2SKAI(F-2 スーパー改)」「真尾まお:F-15J」「コウフル:SAAB 39」「ホワイト卿:F-35」「ホワイティ:X-29A」「チャイカ&プーシカ:Il-102」。「2」以降でメカ化したはずのキートンが人間に近い姿になっているが,このあたりは「追々分かるかもしれない」とのことだ。
26年ぶりの新作だが,制作に至った1つのきっかけとして,4Gamerのこちらの記事に載った1枚の写真が挙げられた。細井氏は2020年にライブ「ゲームとテクノがスキ!」を主催し,SUZUKAさん(当時は中原 涼名義)が気合の入った真尾まおのコスプレで参加したのだが,この写真がSNSでバズったことから,シリーズの人気を再確認し,CDを制作するなどの活動がスタートした。
ここから「ソニックウィングス」界隈が盛り上がったことから,池田氏の仲介でサクセスの長友氏に新作制作の打診をしたところ,長友氏が二つ返事でOKを出したという。
当初細井氏は「ソニックウィングス」の名前を使わない形で真尾まおのシューティングを制作するつもりだったものの,シリーズが好きな長友氏が「「ソニックウィングス」はキャラクターが多くないと!」とこだわりを見せ,IPを管理するハムスターから許可を取ることになった。
こうして新作は「ソニックウィングス」の名を冠したシリーズ作になった。ハムスターは「IPを大切にしてくれるなら歓迎したい」という意向だったそうで,細井氏と長友氏の「ソニックウィングス」愛が実った形となる。
この日明かされたこだわりのポイントは「オリジナル開発スタッフの参加」「当時のプレイフィールに忠実に」「細井そうしのサウンド」の3つとなる。
●オリジナル開発スタッフの参加
アドバイザーとして初代「ソニックウィングス」を作った中村晋介氏が参加している。キャラクターデザインとシナリオは六鹿文彦氏が手掛け,横山浩子氏がこれに協力する。シリーズを愛するファンにとっては懐かしい名前が並んでおり,一安心した,というファンも多いのではないだろうか。
●当時のプレイフィールに忠実に
シリーズは気軽に遊べることが重視されているが,この姿勢は「SONIC WINGS REUNION」でも貫かれていくという。1ステージ当たりの長さは歴代作のそれぞれで異なっているものの,本作では初代「ソニックウィングス」のプレイ感がベースとなる。
なお,「SONIC WINGS REUNION」ではキャラクターに音声を入れない方針だが,これはプレイのテンポを良くするためだそうだ(細井氏の「声を待っている時間がもったいない」という言葉から察するに,ステージ間のデモシーンなどのことだろう)。オリジナル開発スタッフの全員が同じ意見であったそうで,いかにテンポ感が重視されているかが分かるだろう。
●細井そうしのサウンド
今回「SONIC WINGS REUNION」では「メインモード」「真尾まおモード」「アレンジBGMモード」という3つのサウンドが用意される。
メインモードは状況や場面に応じたインタラクティブミュージックとなっており,状況に応じて自然に曲調が変化するという。シューティングゲームは1ステージの尺が決まっており,これに合わせて曲を書くという手法もあるが,「ソニックウィングス」では真尾まおがボンバーを使うと時間を止めてしまうため難しいのだとか。
そして,真尾まおモードは「戦場+アイドルポップ」をキーワードに,ラジオや有線放送のように彼女の歌が流れ続ける。このモードにもインタラクティブ要素があり,パワーアップの段階ごとにBGMが盛り上がったり,戦況が不利になると歌のボリュームが小さくなるといった変化あるそうだ。
アレンジBGMモードでは,O.T.K.,Fantôme Iris,細江慎治氏,ヨナオケイシ氏,WASi303氏,谷口博史氏,藤野由佳氏と谷岡久美氏,たかぴぃ氏,EHAMIC氏,そして細井氏が「ソニックウィングス2」「ソニックウィングス3」「ソニックウィングス リミテッド(スペシャル)」の楽曲をアレンジ。好きな曲を好きなステージに設定できるという。
イベントの最後には「真尾まおスペシャルライブ」が行われ,SUZUKAさんが定番「音速娘2023」に加えて,新作のテーマソングとなる「REUNION」を披露。新たな始まりを歌う爽やかな楽曲で「SONIC WINGS REUNION」への期待を盛り上げた。
遊びやすい「ソニックウィングス」シリーズを復活させ,あと3本は新作を作りたい。開発プロデューサー&サウンドディレクターインタビュー
最後に会場で行った長友氏と細井氏へのミニインタビューをお届けしよう,「SONIC WINGS REUNION」について,気になるところを聞いている。
4Gamer:
今回「ソニックウィングス」が復活するということで,新作の企画を持ち込んだ細井さんと,持ち込まれた長友さんの気持ちを聞かせてください。
細井そうし氏(以下,細井氏):
僕はゲームが大好きで,ゲームが作りたくてこの業界に入った人間です。今回の「SONIC WINGS REUNION」では,自分が作りたいゲームやシリーズにかける思いを実現できるので,ありがたい気持ちですね。
長友慎也氏(以下,長友氏):
最初は「とあるシューティングIPの続演を作ってほしいという相談が来ている」とだけ聞いていました。企画書を見て「ソニックウィングス」であることが分かったら即決でした。制作については,もう有無を言わさず押し切った感じです。
4Gamer:
久しぶりの新作となりますが,おふたりの考える「ソニックウィングス」らしさはどういうものだと思いますか。
細井氏:
手軽に遊べることです。今のシューティングは難しくなっていて,初見の人はプレイに踏み出せないところがあります。「ソニックウィングス」シリーズはとっつきやすさがあり,ステージ1は必ずクリアできるくらいに遊びやすいんです。誰でも遊べるので,「ソニックウィングス」をきっかけに,ほかのシューティングもいろいろ遊んでほしいと思っています。
長友氏:
個人的には,「ソニックウィングス」シリーズは,キャラクターを選んでプレイを進める「ストリートファイターII」的な方法論を使った,“キャラクターシューティング”の始祖だと思っています。
当時は3種の機体から選ぶようなものが多かったところに,「ソニックウィングス」シリーズは8キャラクターから選べたのが新鮮でした。テーマも現代戦で,びっくりさせられる奇抜なメカも出てくる。
細井氏:
それでいて,ゲーム自体はガチなんですよね。六鹿さんのミリタリー好きが根底にあって,ミリタリーものとしてもしっかり作られていますから。
4Gamer:
今回はオリジナルスタッフが参加されているのも特徴ですよね。
細井氏:
中村さんのすごさはよく聞いていたんですが,当時は入れ違いのような形になってしまったので,いつかお仕事をしたいとは思っていました。彩京のシューティングも大好きなので,とても楽しみですね。
4Gamer:
先ほど「ソニックウィングス」シリーズの特徴は遊びやすさにあるというお話がありました。久しぶりにゲームを遊ぶ人や,初めてシリーズに触れる人がプレイしても問題ない難度になっているということでしょうか。
長友氏:
それは大丈夫だと思います。初めて触る方も3ステージまでは行けるでしょうし,あとは練習すれば腕を上げていける。初めてプレイされる方でも入りやすいと思います。
細井氏:
実際,過去作がゲームセンターで稼働している際も女性の方にプレイしてもらっていました。コツが分かれば意外とサクサク進められるシリーズですので,今後もSUZUKAさんやミカドさんに協力していただいてアピールしていきたいと思います。
僕も弾幕シューティングブームのときに難しさを感じた人間ですが,同じような方でも「ソニックウィングス」シリーズは遊びやすいですよ。
長友氏:
シューティングには,プレイして楽しい初心者向けの方向性と,ハイスコアを追求したいスコアラー向けの方向性があると思います。僕が作った「コットンロックンロール」では,誰でもワンコインクリアを目指せるよう,かなり難度を落としました。弾幕を入れた意識はないんですが,「弾幕シューティングである」と言われることもありましたね。
なので「SONIC WINGS REUNION」では,難度調整が一つの肝になると思います。「コットンロックンロール」では今もハイスコアを更新してくださる方がおられますし,初心者向けとスコアラー向け,2つの方向性をどう両立させるかを考えるのは重要です。
「ソニックウィングス」シリーズでも,「2」や「3」は序盤の難度が高いところがありますが,「SONIC WINGS REUNION」では初代「ソニックウィングス」準拠で下げていくイメージで考えています。
また,PC/家庭用ゲーム機版では難度調整ができるようにします。かつてゲームセンターで稼働していたシューティングは,短めの時間でプレイを終えていただく必要がありましたが,PCや家庭用ゲーム機だとそうした制限もありません。
4Gamer:
スコアラー向けの取り組みとして,ハイスコアランキングやリプレイ,プレイ中に内部データを参照できるガジェット的なものはありますか。
長友氏:
ハイスコアランキングはあります。リプレイのダウンロードとガジェットについては,現時点では考えていません。
4Gamer:
インタラクティブミュージックが取り入れられるというお話でしたが,どのようなものになるのでしょう。
細井氏:
音楽とプレイのモチベーションがつながるような組み合わせを考えていこうと思っています。フルパワーアップ状態だと一番気持ちいいリズムを聞けるので,この状態を維持するためにさらにパワーアップアイテムを取りに行く……というように,ゲーム性にも直結するインタラクティブミュージックをいろいろと試していきたいですね。
4Gamer:
音楽とシューティングの融合が,一歩先へ進んだものになるわけですね。では最後に,読者に向けてメッセージをお願いします。
細井氏:
時間が過ぎた状態からの再始動ですが,良い意味で「気軽に遊べる,いつもの「ソニックウィングス」」を最後までこだわって作っていきたいです。
長友氏:
僕的には「SONIC WINGS REUNION」の後に「ソニックウィングス」シリーズを3本は作りたいので,応援よろしくお願いします。
4Gamer:
期待しています。ありがとうございました。
通常版と限定版の予約はすでにスタートしており,限定版にはアクリルスタンド「真尾まお」とテーマソング「REUNION」のシングルCD,「プロジェクトブルー真尾まお1日司令官記念ワッペン」が付属する。アクリルスタンドは12〜14cmという大きめのサイズが予定されており,ワッペンはミリタリー系の服にも付けられるような本格的な刺繡の品であるという。ファンはぜひチェックしておきたいところだ。
「SONIC WINGS REUNION」公式サイト
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ⓒHAMSTER Corporation / ⓒSUCCESS
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