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TGSで人魚と話そう。人魚育成ゲーム「マイメード」プロジェクトの第2弾「しゃべりマ!〜おしゃべりマイメード〜(仮)」[TGS2024]
[TGS2022]“かわいいシーマン”とプチ注目? 人魚育成アクアリウム「マイメード -my Mermaid-」の展望を聞いてみた
TGS 2022のスタジオ スレッジハンマーブースに,新作タイトル「マイメード -my Mermaid-」のデモ映像が展示されていた。本作はTGS会期前に発表され,人魚をめでて,アクアリウムを作る,“かわいいシーマン”なる注目をされていたタイトル。さっそくブースを訪ね,同社代表取締役社長/CEOの澁谷康宏氏に話を聞いてみた。
[TGS2023]かわいいシーマンこと,人魚育成ゲーム「マイメード」はどうなった? ブースを訪ねたら“プロジェクト化”してた
TGS 2023に,スタジオ スレッジハンマーが新作ゲーム「マイメード -my Mermaid-」を出展していた。本作は,昨年のタイトル発表時に“かわいいシーマン”として話題を博したが,さて,今年はイイ感じになっているだろうか。
人魚の土佐錦と遊べる「マイメードのえむすび」配信中。絵+しりとり+ASMRを組み合わせた,プロジェクト第1弾アプリ
スタジオスレッジハンマーが2024年4月6日に配信した,スマホゲーム「マイメードのえむすび」のアップデート版が,4月30日から提供中だ。本作は“絵を使ったしりとりゲーム”と,山田麻莉奈さんの声で誘われるASMR体験がウリとなる。
本作は,同社の大型企画“マイメードプロジェクト”のフラッグシップタイトルで,アクアリウムフォーミング人魚育成ゲームとされる作品だ。2022年の発表時には“かわいいシーマン”として話題となった。
本作のTGS出展は今年で3回目だが,新たな動向に関してはとくに聞こえてこない。今春にはプロジェクト第1弾アプリ「マイメードのえむすび」(iOS/Android)が送り出されたものの,飛び道具的な感触だったのは否めない。
とはいえ,毎年ブースにうかがってしまっているものだから,今年も「はてさてどうかな」と恒例行事のごとく足を運んでみた。
すると,「しゃべりマ!〜おしゃべりマイメード〜(仮)」なるものが出展されていた。こちらは同社代表の澁谷康宏氏いわく,えむすびに続くプロジェクト第2弾タイトルで,マイメードの世界観をベースにした“スマホ向け音声会話アプリ”だという。
音声会話にBlendAI社のAI技術「CotoVerse」を採用した同作は,プレイヤーが人魚のキャラクター“マイメード”に話しかけることで,自然な会話を楽しめるとのこと。人魚たちに人の言葉を教える作りは前作と似た楽しみを想起させられるが,今回は彼女たちが不思議な水中生活を教えてくれたり,「人魚占い」もしてくれたりるんだとか。
現地でおしゃべりしてくれるのは,プロジェクトの看板娘で土佐弁の箱入り娘「土佐錦」(CV:山田麻莉奈)。小さい身体でも勝気な性格「ラビドクロミス・カエルレウス」(CV:日向 葵)。おっとり優しい本好きのお姉さん「青文魚」(CV:朝ノ瑠璃)の3人だ。
遊び方は簡単だ。大型ディスプレイの前でマイクをオンにしたあと,マイクに向かって話しかけるだけ。「いきなりなにを話せばいいのか」と悩んだら,試遊台に置いてある遊び方表を見ればいい。気軽にできそうな質問が1つは見つかるだろう。
一点,応答には若干の音声ラグが発生することもあったので,そこはせかさず気長に数秒ほど待ってあげるジェントルマンになろう。
一応,3人のマイメードたちの雰囲気をお伝えしておくと。
土佐錦「おんし、疲れ取るが? 話聞くぜよ〜?」
ラビドクロミス・カエルレウス「あたしがいるから大丈夫よ!」
青文魚「なぁに? お姉さんに聞かせて?」
実際,遊び方表に書いてあることはスラスラと答えてくれた。表にない質問,例えば「東京ゲームショウってなんですか」と尋ねてみても,ちゃんとした答えを返してくれる。基本的には大規模言語モデルを参照して応答してくれているとのことなので,話せば話すほど記憶が積み重ねられ,自分だけのマイメードに染まっていくらしい。
ただ,開発段階の現状は「会話慣れしすぎる」と,それはそれで問題が起こるようで。例えば「AIってなに」と尋ねると,土佐錦は土佐弁も忘れて怒涛の早口で理知的な正答を返してくれた。また,開発陣がデータの成熟した状態で「このプログラムはなに」と聞いたところ,彼女はかわいらしい声で急に正確無比のソースコードを語り連ねていったという。
これというのはAIに関する専門的な話になりそうだが,端的に教えられたのは「参照するビッグデータが膨大すぎるがために,無制限で記憶させると,機械のように最適解しか返してこなくなる」「ゆえに,キャラクターごとに“人格に合わせた制限”をかけるのが大切」とのこと。言語モデルではこうした制約をかけるのが基礎テクニックとされている。
通常は,無から有へと形作っていくのがモノ作りというものだったが。AIが関わるとこうした「海を切り取る作業」に逆転しがちだ。
私にせよ,従来はこうした口頭の話を録音し,ゼロから聞いて書き起こしていた。けれど今はAI文字起こしの進化により,200で出力された文章を,100まで削って整える作業に逆転しているし。
このほか,リリースに向けた課題はいくつかあるとのこと。まずは「プレイヤー側から話しかけないといけないこと」だ。マイメードたちは現状,話しかけられれば応答してくれるが,自分から話しかける,もっと言えば自然な会話を投げかけてくれることはないという。プレイヤー側がホストとして積極的に話し続けるのは,相当の根気がないと厳しい。
これについては,AI界隈でよく耳にする話である。
ただ,これが成立するようになると本作のみならず,街中でAI搭載機器が合成音声で「どうなされましたか?」と自らアテンドしてくれる未来がやってくるわけだから,研究者らは逃したくない課題だろう。
また,遊びも難しいらしい。例えば「じゃんけん」くらいならできそうだが,それ以上の複雑な遊びとなるとハードルが上がるという。
なんてことばかり書いていると水中の楽園には似合わないので,地上の技術がまだまだ未熟なだけとしておこう。
同作が目標として掲げているのは「“人の温度を感じる”会話を楽しんでもらうこと」だ。最終的には,いつでもそばに持ち運べるパートナーになってもらいたいと澁谷氏は語っていた。
そもそも,本アプリは当初の想定では「えむすびよりも先にリリースしたかったもの」で,いろいろな障壁が立ちふさがったことで,結果的にプロジェクト第2弾として出すことになったという。
実際問題,同作は「マイメード -my Mermaid-」におけるコミュニケーション機能の基幹になり得るものだ。それをここだけ切り取って別アプリとして開発し,ノウハウを培い,よろしければ商流に乗っけちゃう。そうした“次につなげるための作品”としてしっくりくる。
詳細なリリース日は未定だが,現在は土佐錦,ラビドクロミス・カエルレウス,青文魚の3体実装での年内配信が目標とされている。
現地では試遊,あるいはマイメード各種SNSのフォロー画面を見せると「オリジナル缶バッジ」がもらえるので,興味があれば彼女たちにフラッと声をかけてみよう。当然,ソースコードは要求しないように。
最後に本命の「マイメード -my Mermaid-」に関しては,最大の課題として“ストーリーをどうするか”で悩んでいる最中だという。
本作はようするに,かわいいシーマン。これが伝わる世代もせばまってきていそうだが,つまるところ「自分だけの交流体験をストーリーとして受け取ってもらうか(=ナラティブ的な)」「それとはべつに,本筋の物語を用意するべきか」。どちらを取っても変化幅が大きいため,そこをどうするか。これも年内には決めていきたいと言われた。ついでに,協力会社やパブリッシャも引き続き募集中だと苦笑された。
そして,今年も最後に一言…………。
は聞き忘れたので,また次の機会にでも尋ねるとしよう。
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(C)STUDIO SLEDGEHAMMER Inc.
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