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デッキ構築型ローグライク「Master Piece」。ハイパーカジュアルゲームの企画から進化した本格ストラテジー[BIC2024]
本作は,小さなグリッドマップにおける戦闘と,デッキ構築型ローグライクのような成長システムを組み合わせた1人用のタイトルだ。プレイヤーは1ターンに1度,自分の陣地にユニットを配置できる。ユニットは毎ターン自動で1マス前に進み,目の前に敵がいると攻撃する。また,相手の陣地まで到達したユニットは,相手の旗に攻撃できる。相手の旗のHPを0にするか,8ターン経過後に相手の旗よりも自分の旗のHPが上回っていれば勝利となる。
各ユニットはさまざまな効果を持っており,とくに自身の「配置時」や「破壊時」に発動する効果を持っているものが多い。配置されたユニットは前に進み続けることしかできないので,その後の展開を予測して,有利になるように配置する。試遊の範囲では相手の大型ユニットの前に「破壊時」効果を持ったユニットを置き,自分の旗への攻撃を阻止しつつ,「破壊時」効果の発動を狙うようなプレイがお得だと感じた。
また,「Slay the Spire」「Inscryption」などのデッキ構築型ローグライクから影響を受けているとのことで,道が分岐したマップを進んでいき,各マスでイベントや戦闘が発生するというおなじみの成長システムが採用されている。
そして,ユニットを強化するマスのバリエーションはかなり多く,今回の試遊では試し尽くせないほどだった。とくにユニットに特性を付与できるマスでは,「攻撃を受けた際に2ダメージを与える」効果である「カウンターアタック」の特性を高体力のユニットに付与する,というように相性を意識してユニットを選ぶ要素があり,本作の大きな魅力だと感じた。
Blacksmithは攻撃力1,体力4という防御的なステータス |
そのため,カウンターアタックを覚えさせる対象として優れているという |
このほか,各戦闘で1回だけ使用可能で,「対象に2ダメージを与える」効果を持ったリーダーアビリティもあるなど,使いこなさなければならない要素は多い。慣れるまでは大変だったが,慣れてくると段々と面白くなってくるタイプのゲームだと感じた。
しかし,本作はもともとハイパーカジュアルゲームとしてスタートしていたそうだ。インタラクティブメディア会社のI M fineを前身として別会社を作るという形で,2023年の2月に2人で開発を始め,同年7月にメンバーが7人に増え,現在に至るという。今のゲーム性がカジュアルではないことへの自覚はあるようで,開発メンバーによると「面白い要素を足していったらこうなった」とのこと。最初のコンセプトと違っていても,面白ければいいという柔軟さは,インディーゲームならではのメリットなのかもしれない。
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