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[プレイレポ]PS5「アストロボット」は王道プラットフォームアクションが楽しめる。プレイタイムは12〜15時間以上を想定
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印刷2024/06/13 01:00

プレイレポート

[プレイレポ]PS5「アストロボット」は王道プラットフォームアクションが楽しめる。プレイタイムは12〜15時間以上を想定

 Summer Game Fest 2024: Play Daysに併設されていたソニー・インタラクティブエンタテインメントのブースにて,9月6日の正式発表されたばかりのPS5専用プラットフォームアクション「アストロボット」のプレイアブルデモが公開されていた。

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 「アストロボット」はご存じのように,PlayStation 5の「ASTRO's PLAYROOM」やPlayStation VRの「ASTRO BOT: RESCUE MISSION」など,テクノロジーのショーケース的作品として無料バンドルされていたゲームシリーズだが,今作「アストロボット」はフルゲームとして開発されたものだ。
 マザーシップのPlayStation 5が襲われて難破してしまったことにより,銀河中にバラバラになってしまった仲間のボットたち。彼らを救出するために,主人公のアストロが,DualSense ワイヤレスコントローラそっくりの小型宇宙船“デュアルスピーダー”に乗り,さまざまな惑星ステージを冒険する。

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 今回のデモは,イベント用にかなりの部分がロックされたものと思われるが,6つの銀河はゴリラやオンドリ,ヘビなどイジワルそうな顔をした動物たちの姿を模した星雲として描かれている。その中の一番上にある,タコ星雲「Tentacle System」のみがアンロックされた状態でプレイがスタートした。

 一番近くにある「Sky Garden」と名付けられた惑星を選択すると,アストロがデュアルスピーダーでステージに乗り込んでいく。ジャイロセンサーに反応するのでコントローラを傾けることで宇宙船の操作もできるが,アストロが降り立つスタートポイントは決まっている様子だ。
 ピンクの草木で溢れる浮遊島の「Sky Garden」は,基本的なコントロールやゲームメカニックを学んでいくチュートリアルの役目を担っている。ジャンプしたり,ブーストしたり,敵のボットたちをヒットしたりといった,「PLAYROOM」でお馴染みのプレイフィールをここで習う,もしくは思い出しながら,仲間を救出したり,宝箱を開けてコインを稼いだりするわけだ。
 また,小さなタコをペットにするとアストロの背中に乗り,風船のように膨らんで浮上したり,息を吐き出して高速移動したりしてくれた。

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 Tentacle Systemには12種類ほどの惑星ステージが点在していたが,「Sky Garden」のあとにプレイできたのは,クレーンなどで運搬される建設機材がプラットフォームの上を飛び交う「Construction Derby」,ミステリアスな赤い霧で包まれた「Swinging Sentries」,そしてこの星雲のラスボスである“ワコタコ”が待ち構える海洋惑星の「Wako Tako」の3つ。
 それぞれに7体ほどのボットと,3つのジグソーパズルのピースがマップ中に存在するのだが,なかには巧みに隠されたシークレットエリアもあるので,1回のプレイですべてのボットを救助したり,パズルピースを集めたりすることはできないだろう。すべてのステージをコンプリートしてから,ゆっくりと集めて回るのもいいし,難度の高いステージで息詰まったら簡単なステージに戻って気分転換でプレイしても良さそうだ。

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 PlayStationが1994年12月に発売されてから30周年を迎えるが,「アストロボット」には,これまでの歴史を体現するようにさまざまな過去作品のキャラクターがボットの姿になって登場する。
 今回のデモや公開済みのトレイラーでも,パラッパ(パラッパラッパー)やイコ(ICO),クレイトス(ゴッド・オブ・ウォー),ラチェット(ラチェット&クランク),旅ビト(風ノ旅ビト),アーロイ(Horizon Zero Dawn)といったキャラクターが確認できる。このように150体ものキャラクターと出会えるというのは,PlayStationファンにとってうれしいところだろう。

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「PlayStation」30周年の今年に相応しい,プレイフルなアクションゲーム


 今回のイベントでは,この「アストロボット」を開発するTeam Asobiのスタジオヘッドであり,ゲームディレクターのNicolas Deucet(ニコラ・ドゥセ)氏に話を聞いたので,最後に紹介したい。

Team Asobiのスタジオヘッドであり,ゲームディレクターのニコラ・ドゥセ氏。SIEにはロンドンスタジオ時代から数えて20年,日本在住経験も10年以上にもなり,筆者にも「日本は世界最高の場所」と話していた
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4Gamer:
 ようやくアストロがフルゲームに昇格したという印象ですが,もともとの企画の意図はどのようなものだったのでしょうか。

ニコラ・ドゥセ(以下,ドゥセ氏):
 そうですね。「PLAYROOM」の開発意図は,DualSenseのテクノロジーのショーケースでした。しかし,同時にアストロというキャラクターを多くのプレイヤーの皆さんに知っていただけるキッカケでもありました。皆さんからいただいたリアクションが,アストロを「次のビッグステージ」に連れて来てくれたのだと思っています。
 「アストロボット」は80ステージで構成されており,Team Asobiにとっても過去最大の開発プロジェクトであるのは間違いないですね。

4Gamer:
 「PLAYROOM」をプレイしたことあれば,すんなりと「アストロボット」の基本メカニックは理解できるだろうという印象でした。アーティファクトは収集できないのでしょうか。

ドゥセ氏:
 今回はゲームキャラクターたちがその役割を担います。150体という,PlayStationの遺産を活用した面白い趣向だと思いますが,すべてのプレイヤーが,すべてのキャラクターを知っているということはないかもしれません。それでも,プラットフォームの歴史を辿る意味でも有意義な表現だと確信しています。

4Gamer:
 プレイタイムはどれくらいになるでしょうか?

ドゥセ氏:
 12時間から15時間くらいになるのではないかと思っていますが,バリエーションの多いチャレンジを各ステージに組み込んでいますし,ボットを全員救出しようとすれば,もっと時間はかかるかもしれません。見逃してしまったゲームキャラクターに会うためにプレイし直すといったプレイヤーが多いんじゃないかと思います。コンパクトな見た目のゲームですが,我々の思いやクリエイティビティが詰まった作品なのです。

4Gamer:
 確かに,最初のステージである「Sky Garden」を最初にプレイして救出できたボットが7人中3人,2回めは5人にまで増えました。

ドゥセ氏:
 シークレットルームもありますし,1回のプレイスルーで全員を救出するのは難しいでしょうね。2回めにプレイしたとき,最初に鳥ロボットが仲間に加わりませんでしたか?

4Gamer:
 あっ,そう言えばいましたね。口からソナーのようなものを出していました。

ドゥセ氏:
 実はあのロボットは,プレイヤーが見つけていないシークレットを教えてくれるレーダー機能を持っています。今の時代,ゲームで探しているものが見つかっていると,YouTubeだとかウェブ検索すれば簡単に情報が出てきますよね。でも,そうやってクリアした皆さんは,どこか「チートしてしまったんじゃないか?」と後ろめたい気持ちになるのではないでしょうか。
 別に間違ったことをしていないのに,そう考えてしまう人は多い。それならば,ゲーム内に機能があって,それを任意でプレイヤーが使えるようにすればいいと考えました。

4Gamer:
 なるほど。より多くのゲーマーに受け入れられようという努力のように感じられます。

ドゥセ氏:
 そのとおりです。年齢やゲーム経験の長さに関わらず,より多くの人が楽しくプレイできることを目指しました。PlayStationも30年という長い歴史を持っていて,その頃にゲームをプレイし始めた人が,今はちょうど同じ年齢のお子さんを抱える親になっているという人もいるでしょう。お子さんと一緒に,「このキャラクターはこのゲームの……」というような会話が弾む時間を過ごせるのではと思います。

4Gamer:
 そういう意味で,特定のゲームキャラクターを解説するような機能はありますか?

ドゥセ氏:
 いえ,そうした機能は設けていません。なるべく言語に頼ることなく,より多くの人に自由に楽しんでほしいということを心掛けています。

4Gamer:
 今回のTentacle Systemでは,3つめのステージでワコタコを倒しましたが,本来ならボスを倒すことで次の銀河もアンロックされるのでしょうか。

ドゥセ氏:
 そうです。ただ,今回はイベント用にロックしているステージも多かったので,本来であれば,もう少しプレイを続けていく必要はあります。「アストロボット」のキャンペーンは直線的なものでないことは,マップを見てお分かりになられたと思います。プレイヤーのスタートポイントが星系の恒星にあたる部分で,そこから扇状に自由にマップが広がっていますが,惑星が軌道のような4本の輪に複数並んでいるでしょう?

4Gamer:
 だいたい,1つの銀河で12種類ほどの惑星ステージが,この4本の軌道に点在しているといったイメージでしょうか。

ドゥセ氏:
 はい。近い軌道にあるほうが難度も低くてプレイしやすいですが,Easy,Normal,Hardの順番ですべてのステージを攻略しなければならないわけではありません。プレイヤーがデュアルスピーダーを操作して遠方にも飛んでいくことはできますが,その銀河で一定数のボットを救出して条件をクリアしておかないと,特定のステージや次の銀河もアンロックしないというシステムです。

4Gamer:
 パワーアップ的なペットキャラクターもいましたね。ブルドッグとか。

ドゥセ氏:
 最初にピックアップするタコは,ボタン操作で膨張して浮遊したり,高速噴射で早く進んだりとかゲーム中で2度使えますし,そのステージに合わせたさまざまなギミックが楽しめます。例えば,ブルドッグは横移動のジェット噴射をできるもので,さらに肉食植物のグローブは,バーに掴まってターザンのように移動したり,大きな敵に噛みついてパチンコの要領でアストロを激突攻撃させたりできます。

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4Gamer:
 ゲーム中のサウンドトラックも,「PLAYROOM」の雰囲気を留めていたように感じました。

ドゥセ氏:
 音楽は「アストロボット」で非常に重要で,プレイフルなゲームプレイや,アストロボットの機械的な世界観の特徴をよく表していると思います。プレイヤーもゲーム中に口ずさんだり,歌声やアレンジを披露してくれたりするんじゃないかと期待しており,サウンドトラックもリリースする予定です。
 作曲家は,シリーズ3作すべてをスコットランドに住むKenny Young(ケニー・ヤング)さんにお願いしていますが,彼はもともとMedia Moleculeにいたミュージシャンで,我々とも良いお付き合いをしてくださっています。

4Gamer:
 フルゲームで販売されますが,追加の課金システムなどはありますか。

ドゥセ氏:
 いいえ,ゲーム内で集めるコインは,ゲーム内だけで消費できるガチャラボで楽しんでいただけますが,追加の課金システムはございません。

4Gamer:
 分かりました。より多くの人に楽しんでもらおうという思いがよく伝わってきます。

ドゥセ氏:
 ありがとうございます。アストロにとっては初めてのビッグアドベンチャーになりますが,PlayStation 5のプレイヤーの皆さんにもぜひ体験していただきたいです。どんなゲーマーでも年齢や性別,ゲーム経験の長さに関わらずプレイを楽しめる作品に仕上げているので,ぜひプレイしてみてください。




 「アストロボット」は,3Dプラットフォームアクションゲームとしては,まさに王道といったところ。作り込まれた滑らかなプレイフィールと遊びやすさ,その明るくカジュアルな雰囲気により,PlayStationプラットフォームの新しい“看板タイトル”としてアイデンティティを確立するのは容易だろう。
 多くのゲーマーにとって,今年の注目作になるのは間違いないはずで,今から9月6日の発売が楽しみだ。すでに公式サイトではプレオーダーもできるので,気になる人はチェックしよう。

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